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地に足つかない
そんな言葉がある。意味はたしか、「心が落ち着かない」、「浮ついている」みたいな感じ。私は今まさに地に足ついてない。でもそれは心が落ち着いてないとか、そうゆう意味ではなくて。なんなら足より先に頭が地につきそうって感じ?何が言いたいかって言うと、私はいま、頭から地面に向かって真っ逆さまに落ちてるってこと。
少し前
教室の掃除が終わって不安にもジャンケンに負けた私 夢井 夢 は教室のゴミ出しをしていた。3階にある教室から一階にある保健室前の大きなゴミ箱にゴミを出し終えた私はさっき登ってきた階段をまたゆっくりあがっていた。やっと階段を登り終え、1人の教室で帰り支度をした。いつもなら幼馴染の里中 侑李がどんなに遅くても待ってくれているのだが、今日は用事があるらしく先に帰ってしまった。
カサ
「ん?」
白い紙切れが机の下に落ちた。こんな紙なにに使ったっけ?二つ折りになっているその紙を開いてみた。
放課後、屋上で待ってます。
ボールペンで急いで書いたみたいな雑な字。差出人も宛名も書いてない。でも私の机から落ちたってことは私宛でいいんだよね?
これは…もしかして…
告られる!!!???
だって放課後に屋上なんてそれ以外ないよね!?のんびりしていられない。高二にして初めて私は今春を迎えようとしている!
カバンも全て置いたまま私は階段を駆け上がった。
「待たせてごめん!!」
屋上への扉を勢いよく開くと同時にまだ見ぬ私の王子に向かって私は叫んだ。
「、、、あれ?」
屋上には誰もいない。逆に私の方が早かったか?まあ気長に待とうじゃないか。
屋上に来るのは久々だなぁなんて考えながら屋上の扉に背を向けて胸下辺りの手すりに寄りかかった。その時だった。
私の体はを足しの頭がその状況を理解するよりも先に宙へと投げ出されていた。感じたことのないほどの浮遊感。死への恐怖を自覚する暇もなかった。
とまあ、こんな感じで私は今地に足つかない。回想が長くなっちゃったけどこれが私の今の状況。屋上から落ちたわけだから私確実に死ぬだろうな、、、てか回想長いな。
「…あの〜、回想終わったかな?」
あれ私もう死んだかな。知らない人の声が聞こえるけど。
「…寝てるとかじゃない、よね?」
地獄の番人かなにかかな。私は地獄行きなのか?
「いやもう、いい加減起きてくれないかな?」
ムギュッ
「イダっ!」
「あ、起きた」
ほっぺをかなりの強さでつねられたみたい。めっちゃ痛い。でも私は今落ちているのになんでほっぺをつねれるの?痛みで目を開いた私の目の前には逆さまの男の姿があった。
その瞬間
ドンッ
私の体は地面に到達した。死んだ、、、と思ったけど違った。どうやら回想していた時の私は逆さまで宙に浮いたまま止まっていたみたい。だから実際落ちたのはほんの30センチくらい?
「回想が長いんだよまったく」
「い、、、ったーい、、、」
強くうった頭を押さえながら男を見上げた。白のなんだかふわっとしたおしゃれなワイシャツに黒のズボン。首に紐のリボンを巻いてる。顔は、、、かなりのイケメンだ!
「突然だけど、君はさっき死んだよ。」
男、(仮に王子としよう)が淡々といった。
「え、じゃあここは天国とかってこと?、、、ですか」
周りを見渡してみる。あたりは一面のピンク色でどこが壁で床で天井なのかまったくわからない。その部屋というのか空間というのかわからない場所は私が想像している天国とは違った。
「いや、ここは天国ではないよ。ここはお前にチャンスを与える場だ。」
「チャンス?」
「そう、一度死んでしまったお前には本来ならもう前のように生きる資格はない。しかし、お前は幸運だ。選ばせてやるよ。」
そして男は偉そうにいった。
「このまま人間として死ぬか
魔法少女になるか、お前に選ばせてやる。」
「まほう、しょうじょ、、??」
魔法少女。アニメとかでよくあるやつ??女の子が魔法使って戦いますみたいな?それになるの?わたしが???
「どーする?前者を選ぶならこのまま今世とはさよならだ。だが後者を選べばまた今世を生きられる。」
どーする私。ぜんっぜんあたまがおいつかないけど、、、とにかく魔法少女にならないならこのまま死ねってこと?まだ高二なのに?それってなんか、すっごいもったいなくない?もし本当に私がもう死んでるなら、もしかしたらこれは神様が見せてる幻覚かなにか?だってこんなイケメン見たことないし。もし、幻覚だったとしても、、、結局今見てるのはなんも意味がなくて、どっちを選んでも死んじゃうんだとしても、、、私やっぱまだ死にたくない!まだ生きたい!
「私、魔法少女なるよ!」
「本当にそれでいいんだな。」
「うん!」
「じゃあ決定だ。細々した説明は嫌いだからこの先出会う先輩魔法少女たちに諸々のことは聞いておけ。、、、おまえ、前も魔法少女してた?」
「え?してないけど」
「だよな。気のせいだ。忘れてくれ。」
気がついたら私は学校の花壇で横になっていた。用務員のおじちゃんが
「そんなとこでなにしてる!」
って起こしてくれた。私生きてる。