テラーノベル
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晶子とカンナが「絶叫系アトラクション全制覇」を成し遂げた頃には、辺りはもう夕闇に包まれていた。苦手な絶叫系に無理やり付き合わされたカンナはベンチにへたり込む様に座ってゼイゼイ息をしていた。
「そろそろお腹空いたね。晩御飯食べて行こうよ」
晶子が言い、カンナはブンブンと勢いよく頭を上下に振った。
「そうしようぜ。けど、あたいそんなに金持ってねえぞ」
晶子は肩から下げているポシェットの表面を掌で軽くポンポンと叩きながら言った。
「お母さんから二人分お金もらってるから大丈夫」
二人で目に付いたレストランを回ってみたが、既にどこも満席だった。晶子はそこで待とうかと思ったが、入り口に置いてあるメニューの値段を見たカンナが悲鳴を上げた。
「な、何だ、こりゃ。いくら有名だからって、なんで遊園地の中がこんな高級レストランばっかりなんだ?」
晶子が苦笑しながらカンナに言った。
「そりゃディズニーランドの中の店だから安くはないと思うけど、カジュアルな店だよ。別に高級レストランじゃないと思うけど」
カンナはそれでも信じられないという顔つきで言った。
「そ、そうなのか? あたいの家だと一週間分の食費だぞ」
どこのレストランの前にも順番待ちの列が出来ていた。さらに他の飲食店も回っているうちに、満席ではあるが列までは出来ていない店が見つかった。
その一際大きな店舗はハンバーガーの店だった。カンナがここにしようと力説した。
「ここならそこまで高くねえな。ここにしないか、晶子? あそこのベンチで少し待ってりゃ席空きそうだし」
晶子は少し首を傾げて答えた。
「ううん、いいけど、あたしハンバーガーって食べた事ないんだよね」
「はあ?」
カンナがまた信じられないという声を出した。
「食べた事ない? マジかよ。放課後に学校の友達と行ったりした事ないか?」
「ないなあ。だってあたしの高校、授業が終わったらみんな塾に直行だもん。クラスメートと一緒に何か食べに行く事なんてないよ。言われてみたらカンナ以外の子と外食した事一度もないかな?」
カンナは心底呆れたという表情で言った。
「じゃあ、なおさらここにしようぜ。ハンバーガー食った事ない女子高生がこの世にいるなんて、事実はラノベより何とかって話だな」
晶子は少し笑いながらカンナに言った。
「それを言うなら、事実は小説より奇なり、だと思うよ。でもカンナのおすすめなら、試してみようかな」
「よっしゃ、あそこのベンチで一休みしながら待ってようぜ」
そして二人は、そのハンバーガー店の入り口が見えるベンチに並んで座った。辺りは色とりどりのイルミネーションに照らされ始めていた。
コメント
1件
第84話、読み終わりました〜! 晶子がハンバーガー食べたことないって、マジで意外すぎました😂 カンナの「事実はラノベより何とか」ってツッコミ、めっちゃ笑った。そっちの言い間違いも晶子が優しく直してて、コンビ仲良しだなあとほっこり。 絶叫系に付き合わされてへとへとのカンナと、余裕でポシェット叩く晶子の対比も好き。イルミネーションの下でどんなハンバーガー話になるのか、続きが気になります〜🌙
#ギャグ
梨本和広
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宝霊 凛華
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