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その日、夜ご飯の時間になってもないこが帰ってなかった。そして、ないこを迎えに行ったりうらも。
「……悠くん。二人大丈夫よな、、?」
しょうは不安そうに外を見た。天界の空はいつも青く、吸い込まれそうなほど綺麗だ。しかし今はそこにあの二人の姿がないことだけに気がむく。
「ちょっと外見てくるか」
「っ僕も行く!」
本当はしょうには待ってもらいたかったが、もし俺がしょうの立場だとしたら、家を飛び出しているだろうも考えると、ダメだなんていえなかった。……だから少しでもしょうの不安を取り除くために俺は笑って言った。
「わかった!あの二人なら大丈夫やよ。さ、行こっか」
天使はお勤めをするために人間界へと繋がる湖に毎日行くことになっている。そこで自らの涙を流すことで人々が優しさを思い出せるようにするのだ。でも……
「……おらへんな」
そこには誰もいなかった。人間界にあるようなビルなどの高い建物がない天界はすごく見晴らしがいい。だからこそ、怖い。
「悠くん!あれ!」
俺が他の場所を探そうとすると突然しょうが声を上げた。なかなかに大きい声を耳元で叫ばれたため、耳がキーンとするがまぁそこは置いておいて。
「?どうしたんや。ないことりうらがいたんか?」
「いや、そうなんやけど、、そうやなくて、、」
ごもごもと言っているしょうの声を聞きながら俺はしょうが指さす人間界へと視線を向けた。
「……!!」
そこにはぐったりしているりうらをだき抱えながらボロボロと泣くないこと、慰めるようにあわあわしている水色頭。そしてないこの手を引く青い頭をした人間がいた。ひとまずないことりうらが見つかってほっとはしたが、場所が場所だ。迎えに行くことが出来るだろうか?俺はそうおもいながら泣く寸前のようになっているしょうを見た。
「っっっしょう!!」
しょうは淡い紫の綺麗な羽を出しながら、ゆっくりと湖に、つまり人間界に落ちていってるところだった。このバカ!いくら心配やからって落ちる奴がいるか!俺はそうおもいながら必死にしょうの腕を掴んだが、時すでに遅し。一度人間界の空に入ってしまったしょうの体は俺の体ごと引っ張り、俺たちは広いそらの中に投げ出されていった。