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コースト・ガード  《最南の絶島》

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コースト・ガード 《最南の絶島》

5 - 第5話 海上保安庁と海上自衛隊

2024年04月18日

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日本国 太平洋近海


日本国 海上自衛隊 護衛艦‪”‬いなずま‪”‬

いなずまは、防衛省から海上保安庁阻止の派遣命令を受け太平洋近海護衛演習を中断し急遽南鳥島に向かって急行していた。

護衛艦いなずま 艦長

高野 音音おとね二等海佐 (24歳)

音音艦長は艦長席から水平線を眺めていた。彼女はどこか寂しそうに水平線を眺めている。1人の自衛官が艦橋のドアを開け入ってくる。そして音音艦長の横に立つ。

「高野艦長…まもなく南鳥島です…」

「そうですか…わかりました。」

「本当に…海上保安庁の行動を阻止するのですか…?」

自衛官は顔を顰めて音音艦長に尋ねる。音音艦長は目を閉じ、艦長席のカップホルダーからコーヒーを手に取り口に付ける。

「…防衛省からの命令です…やるしかありません…」

「しかし…彼らも私たちと同じ日本を守る‪”‬同士‪”‬です。彼らがしている事は…本当に止めるべきことなのでしょうか…?」

音音艦長は深呼吸してコーヒーの水面に映った自分の顔を見る。

「…私もそう思います…しかし…なぜ南鳥島はあのような大規模な膨張爆発を起こしたのでしょうか…」

「報告によると…ガス…もしくは石油漏れによる爆発とのことです。」

「石油漏れ…南鳥島にあの規模の爆発を起こす程の石油があったという事ですか…」

自衛官は持っていた報告書をペラペラとめくる。

「いえ。それが、南鳥島には巨大な石油タンクはありません。ましてあのような大規模な爆発を起こす事など…」

「…これは…なにか裏ありそうですね…」

護衛艦‪”‬いなずま‪”‬は南鳥島に向けて航行していくのであった。


南鳥島 近海

海上保安庁 巡視船 たかつき

たかつきは南鳥島周辺を航行していた。なんとか、南鳥島の核エネルギー停止の方法を探っていた。

「…さて…どうするか…」

池船長は腕を組みながら机に近ずき机上きじょうを見つめる。机上には1枚の地図があった。地図には三角形の島が絵がかれている。南鳥島である。

「おそらく、核エネルギーがあるのはここだと思います。」

清は南鳥島の中央部をペン先で指をさす。

「…南鳥島の中央部か…厄介だな…」

「今、神奈川海上保安部からヘリが二機向かってます。あとは炎の波さえ掴めれば…上手くいくかと…」

「そうか…分かった。炎の波は今情報を頼りに計算している。 」

池船長は小刻みに頷きながら言う。その時、双眼鏡で外を見張っていた1人の海上保安官が声を上げる。

「池船長!来ました‪…!海上自衛隊です!」

池船長と清は慌てて船橋の窓に詰め寄る。清は冷や汗を流す。

「…海上自衛隊…だ…」

「あれは…むらさめ型護衛艦の五番艦…いなずまか…」

池船長は目を凝らしながら‪”‬いなずま‪”‬を見つめる。海上保安官が池船長の隣に立つ。

「池船長…護衛艦いなずまがこちらとの交船を求めています…」

海上保安官は無線機を池船長の手元に差し出す。池船長はソッと無線機を受け取り応じる。

「こちらは日本国 海上保安庁 巡視船たかつき。船長の池 高志。」

『海上自衛隊 護衛艦いなずま。艦長の高野 音音です。たかつきに告ぎます、今すぐ南鳥島近海から退去してください。これは日本国からの命令です。』

高野艦長の声に、池船長は少し沈黙を返す。

「…高野艦長…その命令には、我々は応じません。これは…日本国の危機なのですから。」

『…これは警告です…たとえ海上保安庁であっても…これ以上の警告無視は攻撃を辞しません。』

「…それでも我々は警告には応じません…」

池船長はガっと無線機を置き部下たちに指示を仰ぐ。

「「最大船速!!!いなずまが接近してきても構うな!!!」」

池船長の指示に部下は巡視船のエンジンに火を灯す。たかつきは速力を上げいなずまに向かって接近していく。高野艦長は艦外メガホンを使って警告を続ける。

『『…巡視船たかつきに告ぐ!!!今すぐ停船しこの海域を退去しなさい!!!これは警告です!!!!!』』

高野艦長は警告を続けるがたかつきの速力は下がることなくいなずまに向かって接近してくる。いなずまの艦橋は少し焦りの空気になる。

「高野艦長!!!」

部下が焦りを見せる中、高野艦長は目を鋭くし迫ってくるたかつきを見つめる。やがてたかつきは至近距離にまで接近する。

『『たかつき!!!停船しろ!!!』』

高野艦長は目を閉じ指示を仰ぐ。

「…面舵いっぱーい!!」

いなずまはギリギリでたかつきを交わす。たかつきはいなずまを通り過ぎていく。1人の自衛官が高野艦長の横に立つ。

「艦長!たかつきを追いましょう!」

高野艦長は目を閉じ首を横に振る。

「いえ…我々は今から南鳥島近海を離脱します。」

「艦長!それは服務規則違反ふくむきそくいはんです!」

「責任は、私一人が負います。南鳥島近海を離脱してください。」

「艦長……わかりました…」

いなずまはたかつきに背を向け、南鳥島近海から離れていく。たかつきの船橋は去っていくいなずまを見ていた。

「追って来ませんね…」

清はいなずまの後方部を見ていた。

「…とにかく…我々はヘリが到着し次第南鳥島へのアプローチを実行する。」

たかつきは南鳥島近海を大きく円を描くように旋回していく。


続く…

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