同日木曜日 夜
マネージャーに自宅前まで送って貰い帰宅の途につく。
ーふう。今日も一日無事に終わった。ー
鞄をソファに下ろし、上着を脱いで、
コートから手を離した瞬間
極度の目眩と吐き気に襲われる。
【うっ!…うわっ。】
慌ててシンクへ滑り込む。
ほぼ食べていないはずなのに なんで…?!
出てきたのは胃液と水分のみ。
身体の調子は悪くなかったはず。
食べなかったのは、
タイミングを逃したからで、
空腹感も感じていなかったから。
これは…ヤバい。
本能で携帯を握りしめメンバーに連絡をする。
〖めめ?どうした?〗岩本が電話に出る。
「岩本くん、ごめん。ちょっとヤバそう。今から来れる?」
〖どんな状態?〗聞きながら準備をしている音がする。
「グルグル目が回る感じと、
さっき気持ち悪くて吐いた。フラフラする。」
〖わかった。10分で着く。横になってろ。〗
「岩本くん ご…めん……。」どさっ。
倒れる音とともに携帯の電源が落ちた。
〖おい、めめ!めめ!〗慌てて家を飛び出し、ふっかに連絡を取る。
細かいことは移動中に説明し、
口の固い病院の手配を頼む。
今騒ぎになる訳にはいかない。
蓮の家に到着して合鍵で開けると
ソファの手前で意識のない蓮を見つける。
部屋は冷えきっており、寒さを感じるほどだ。
寒っ!
上着をかけ蓮に声をかける。
〖めめ!おい、しっかりしろ!〗
反応がない。脈は早く呼吸も浅い。
ハァ…ハァ…ハァ…。顔は紅潮し体を触ると熱い。
直ぐに体温計で熱を測り毛布をかぶせる。
10分後
深澤が到着する。【ひかる!めめは?】
〖熱が39.8℃ 意識は戻らない。呼吸も浅いな〗
マネージャーには連絡してある、病院行こう。
蓮を担いだ時、岩本は異様な軽さに愕然とする。
前よりだいぶ体重が減ってる。
めめ、いったい何があったんだ?!
深澤がシンクの嘔吐物に気づく。
【ひかる!これ!】
胃液?!あいつ何も食べてないのか?
ふっか、鍵頼む。車に乗せ運転席に飛び乗る。
ふっかはめめの横に乗ってくれ。
【分かった!大丈夫だよな、…めめ…。
病院はオレがナビする。行こう!
マネージャーが病院に直接向かってるはず。】
既に日付は変わり2時を回ろうとしていた。
続く
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