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コメント
13件
早く続き読みたーいかわいー


あー!!!ちょっと切ないけどニモニモしちゃう♡続きが楽しみです☺️
西の空に夕陽が沈んでいく。見慣れた景色なのに涼太と二人で音楽室から見た夕陽は今まで見たどの夕陽よりも美しく温かかった。
涼太❤️『ちょうど良かったかも…大事な話があって‥』
何だよ…どうやったって回避できねぇじゃねえか。たかだか夢の癖に大人しく俺の思い通りになれよ。
翔太💙『涼太…俺も大事な話がある! 』
涼太とずっと一緒にいたくて、ママに頼んで全部同じ習い事に通った。今の事務所のオーディション会場で涼太を見かけたとき、心が踊った。
漸く同じ高校になったのに、今日喧嘩したら、当たり前に隣にいる涼太がまた離れて行っちゃうなんて嫌だ。
翔太💙『す…』
涼太❤️『す?』
翔太💙『すっスキー楽しかったよな〜///って修学旅行……のスキー』
涼太❤️『翔太熱出してずっと寝てたろ?』
気まずい沈黙が流れる。俺が熱出して、涼太は心配そうに付き添ってくれていた。ホテルの部屋から、皆んなが楽しそうにバスに乗り込む姿を二人で見送った。 取り残されたはずの俺の隣で、涼太は笑っていた。
〝気にすんな早く治そう〟って軽く言って、メソメソ泣く俺の頭をずっと撫でてくれた。
その手が優しいほど、胸の奥が苦しくなった。
ありがとうより先にごめんが浮かんで、 それよりずっと言いたいはずの言葉は、喉の奥で固まったままだった。 臆病風を吹かせて、安牌を選ぶ俺はたった二文字が言えずに今も、同じ不甲斐ない理由で泣きそうになる。
また俺の勝手な理由で、涼太の時間も思いも踏み躙っているような気がして… それなのに俺は、まだ〝好き〟すら言えていない。
翔太💙『そうだったね…あの時はごめん、スキー行きたかったよね』
涼太❤️『翔太が居ないのに?楽しくないだろそんなもん』
期待しちゃうような事言うなよ…あっそっかコレ俺の夢だもんな。きっと都合よく運ぶに決まってる。
夕陽が沈んで一気に部屋が寒くなった。腕を摩って冷えを誤魔化すと、涼太はすぐに気づいたみたいで、俺の隣に座り直す。 伸びてきた腕が肩に触れて、距離がなくなる。
気づけば、ぴったり肩を寄せ合っていた。
涼太❤️『照れんなよ//こっちまで恥ずかしくなる』
翔太💙『照れてねぇし』
涼太❤️『ふっ…どうだか……もっと温かくなる方法知ってるけど?試してみる?』
ん?視界がぐらついて見えたのは天井のトラバーチン模様。いつだったか亮平が勝ち誇ったように教えてくれた雑学の一つだ。そこに現れた涼太の顔は真剣な眼差しで俺を見つめ近付いてくると首元に埋めて吐息が掛かった。
翔太💙『ンンンッ……リョウタ?…』
涼太❤️『あの時…熱にうなされてた翔太に同じ事した。覚えてる?寒いって言って俺が温めたんだよ』
翔太💙『えっ……待って//ンッ……変な声出ちゃう……』
涼太❤️『いいよ?誰も居ない二人だけの秘密にしよう///翔太と一緒に過ごせるのはもうコレで最後かも知れない』
半ばヤケクソみたいなそんな理由で俺を愛おしそうに見つめるなよ…やっぱり辞めるつもりでいるんだ。コレを止めなきゃ涼太は事務所を辞めてしまうし、止めれば明日からは口も聞いてもらえない。
ただ一緒に居たいだけなのにそんな小さな願いすら叶えられないなんて。
涼太の舌が首筋を這った。 最後なら何してもいいのかよ…そんな思いを言えないまま大好きな人に抱き締められて求められた身体は熱を帯びていく。涼太が何を考えているのか分からなくて、どうしてこんな事するのか理解できなくて怖かった。
翔太💙『やめてよ…ずっと友達だろっ』
一番聞きたくない言葉を自分の口から聞かされた。ずっと一緒に居るためには〝友達〟で居続ける事が一番の近道だって俺は知ってる。ほらね夢でもこの調子だ。亮平の言うどうしようもない奴だ…
涼太❤️『俺は一度もそんな事思った事ない』
あぁ友達でいる事すら拒絶された。どうしたって不可避なんだな…長い沈黙の均衡を破ったのは俺だった。
翔太💙『好き』
静まり返った音楽室に、恥ずかしいほどはっきりと響いてしまった〝好き〟
それが居た堪れなくて咄嗟に付け足した言葉が、涼太との距離を自分で遠ざけてしまった気がして、絶望したのは紛れもなく俺だった。
翔太💙『好き………涼太の香水の匂い、ブルガリだよね?この匂い好きだな……』
〝大事な話ってそれ?〟 そう言った涼太は、続けてじゃあ次は俺の大事な話をと笑った。どうしてもあの話をしたいらしい。
その話は絶対に聞きたくなかった。 涼太の目は真っ直ぐと俺を見つめ確かな決意を孕んでいた。その目の奥にある覚悟を思うと、逃げ出したい気持ちと、受け止めなきゃという気持ちが入り混じって、胸が苦しかった。
それを阻止できるなら、何だってしたいと思った。
今言わないで、いつ言うんだ……