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はろろーーーんっ!☆地球で活躍中のティリスちゃんだよ☆
来て早々大事件に巻き込まれてしまったけど、フェルちゃんの反応を見るにいつものことらしい。
ティナちゃんは真っ直ぐな娘だし、人助けをすることに躊躇はない。その姿はみていて気持ちが良い。手伝うのは吝かではないし、交流の観点からみても人助けは信用獲得の近道だからね。
ティナちゃんからは暴動の鎮圧をお願いされた。強い感情は、より強い感情で押し潰してあげるのが一番だ。地球の文化を利用してコンサートみたいな状態にして、暴れまわっている地球人達を鎮めることに成功した。
ちょっとした魔法を使って私へ関心が向くように仕向けたけど、略奪をするよりずっと楽しいよ。
そうしながらあちこちの暴動を鎮めていたら、不愉快な話が聞こえた。相手はこの国のリーダー達だ。
真っ先に逃げ出した癖に、ティナちゃんから利益を引き出そうなんて……ふざけた真似をするね。
こんな連中の相手をティナちゃんにさせるわけにはいかない。それに、調子に乗ったアオムシにはお仕置きが必要だ。
交渉をティナちゃんから引き継いで、彼女には救助活動に専念して貰う。
「アリア、手を貸してくれるかな?」
『もちろんです、マスターティリス』
アリアもお冠みたいだし、派手にやろう。先ずは証拠を確保するために、偽物の医療シートを百枚転送した。このくらいなら簡単だし、偽物といっても地球の湿布薬程度の効果はある。
もし本当に有効活用するつもりがあるなら、直ぐに本物と入れ換えるつもりだよ。百枚くらいなら個人的に持ち合わせているし。期待はできないけど。
それから三日、ティナちゃんはあちこちを飛び回りながら精力的に救助活動に従事してる。救助隊との連携もしっかりとれていて、どんどん怪我人達を助け出していく。
森林火災の方はフェルちゃんが解決した。相変わらず桁外れの魔法で驚いた。今は救護所で重傷者の手当てに従事している。全てを助けることは無理だけど、私達の介入は犠牲者を大幅に減らせた筈だよ。
私?私はティナちゃんのサポートをしてる。だってこの娘、隙あらば治癒魔法を使おうとするんだもん。ティナちゃんは簡単で初歩的な治癒でも、マナ欠乏症に陥るくらい保有マナが少ない。本人も自覚しているだろうけど、何よりも命を優先してるから咄嗟に使おうとしてしまうんだろうね。
その気持ちは立派だけど、私が居る以上無理は極力させない。ティアンナちゃんにもお願いされたしね。
そうしているとアリアから結果が来たから、ちょっと小休止としてその場を離れた。もちろんティナちゃんには医療シートを使うように念押ししてね。
「アリア、どうだった?」
『マスターティリスの予想通りの結果となりました』
「そっか」
結果は予想通りだった。あのアオムシ共は偽物の医療シートをあちこちの富豪やらにとんでもない金額で売りさばいていた。地球の医療水準をみれば破格の価値があるのは理解できるけど、皆のために提供したもので私腹を肥やしていたのは許せるものではない。
ティナちゃんの想いを踏みにじるような行為だ。
ちなみに、アリアが介入して私達が現地で医療シートを使いまくっている情報は完全に遮断されている。ネットワーク上に記載されることもない。記載しようとした瞬間誰かに閲覧されるより先に削除される。アリアからすれば片手間以下の作業だ。
「アリア、これってさ」
『はい、マスターティリス。明らかな国際法違反です』
『異星人関係技術流出防止法』。
ティナちゃん達が交流してる合衆国が国連と呼ばれる国際機関を通してかなり強引に可決させた国際法だ。
要は、アードからの技術や物品の私的利用や取引を完全に禁止して、公的機関で一元管理するって法律だ。もちろんティナちゃんからの個人的なプレゼントは例外だけど。国連加盟国全てが厳守しなければならないと明記されている。
かなり強引に決めたみたいだし、反発があったのは想像に難くないけど、そんなことは知ったことじゃない。大事なのはこの国も加盟国であり、あのアオムシ共は明確に国際法に背いていると言うことだ。
これは相当楽しくなりそうだとウキウキしていたら、私の端末が着信を告げた。アオムシ共には私の連絡先を伝えている。お仕置きするにしても、もう少し遊んでみようかな。
『ティリス嬢、この度のご支援に感謝を捧げます!』
アオムシ共が媚びてるよ。どうしてやろうかなと考えて。
『しかし、怪我人の数が多くとても足りないのです。どうか、更なる支援をお姉さんにお願いできないでしょうか?』
その言葉を聞いた瞬間、ウキウキした気持ちが一気に冷めた。このアオムシ……いや、クソムシ共は更に私腹を肥やそうとしているみたいだ。
度しがたいね……もう良いや。
「分かりました!☆」
適当に返事をして通信を切り。
「アリア、やっちゃえ☆」
『畏まりました』
クソムシ共の悪行を、彼らが滞在しているヨーロッパ地域にばらまいてやった。全てのメディアをハッキング、証拠と一緒に垂れ流しにした。
当然クソムシ共と取引した連中も晒されるわけだけど、知ったことじゃない。揉み消しなんて出来ないレベルでばら蒔いたし、ついでに行政機関や警察機関にも強く働きかけた。いや、不正を見付けてバラされたくなかったら直ぐに動くように半ば脅した。
これで奴らは居場所を失う。国へ逃げ帰るかもしれないね。別に構わないよ。国中にこれまでの悪行を暴露してやった。
……革命が起きそうだねぇ。
いや、調べてみると行政機関には腐敗してない真っ当な人間がたくさん居た。典型的なトップが腐敗してるパターンだ。
「大騒ぎになるだろうねぇ」
『既になっていますが、国内に混乱は起きていません』
「そりゃそうだよ、それどころじゃないし」
私達が滞在していて、国を挙げて災害救助の真っ最中だ。逃げ出した連中の事なんて気にする余裕もないだろう。まあ、暴動なんか起こさせないよ。私達が滞在している間はね。
ティナちゃん達は大勢の命を救い、真っ先に逃げ出した癖にふざけた真似をしたトップ連中は人生終了のお知らせ☆
うん、スッキリした☆