テラーノベル
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立て付けが悪いドアを開けてがやがやうるさい教室の一番左の端っこの席に座る。
「お前放課後屋上来いよ。」
このクラスのでもリーダー的存在の相原紗奈に言われる。
またか、もういい加減呆れてきた。
今日は何をされるのだろう。きっと紗奈達がしていることはいじめという3文字で片付けるくらいに甘くはない。ただの悪口とか、仲間外れ何かでは済まない。180度のヘアアイロンを当てられる?階段の一番上から突き落とされる?カッターで手を着られる?トイレの水全部かけられる?財布の中身を全部取られる?いい加減にしてほしい。こいつらのせいで教室にいるだけで吐き気がしてくる。
私をいじめてる理由もくだらないし。噂できいたけど社長令嬢の私に嫉妬しているらしい。だから何だよ、って感じ。そんなんいじめていい理由にはならないと思う。そんなことをして何が楽しいのだろう。くだらない。最初は怖いとか思ってたけど、ずっと続くともうどうでも良くなってくる。
耳に響くチャイムが鳴ってさっきまでうるさく騒いでいた外野が黙り始める。それと同時に担任の山本が入ってくる。
1時間目の授業が始まった。山本が黒板に書くチョークの音もそれを書き写すシャーペンの音も、こそこそ話してる紗奈たちにも苛立ってくる。
紗奈達からの視線を感じてゆっくりその方向へ振り向く。紗奈たちはこっちをみながらクスクス笑っている。
その顔を見ているだけで胃から吐き気が込み上げてくる。
「気分が悪いので保健室行ってきます、」
それだけ先生に言い、返事も待たずに教室を出る。紗奈は思いっきりこっちを睨んでいる。サボっているということをわかっているからだろう。
そんなの私に関係ないし、別にどうでもいい。
保健室にはいかず、3階から4階へ向かい、3−2の教室の前をこっそり通って、屋上へ行く。古びた重い扉を開けると、1人の女の子が立っていた。ブラウンベージュ色の腰まである長い髪に直毛のした女の子がフェンスに頬杖をついて景色を眺めている。
ここの場所、人来るんだ。なぜならここは生徒は立入禁止の場所だから。先生でも入っているのを見たことないくらいの穴場スポット。扉の音で気づいたのかその子がこっちをゆっくり見回す。
コメント
1件
書き方好きやわ~! 続き気になる~っ