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夢見月 夢舞 (ゆめみつき ゆま)
高校1年生の女の子
恋に恋するタイプ
黒髪姫カット
百鬼 透華 (なきり とうか)
中学二年生の女の子
純粋無垢な恋するタイプ
金髪ふわふわツインテ
夢見月 夢舞 side
正直言って、恋がなんなのかわかんない
でも、昔にドラマで見た恋する女の子の顔は
…凄く、可愛かった
私も可愛くなりたいし、恋してるってだけで楽しい
私が恋をしてる相手が本当に好きなのかもわかんない
今まで付き合ってきた男だって、多分好きじゃない
そんな恋をしていたのに……していたはずなのに
なんでアイツを見てると、こんなにドキドキするの!?
────────────────────
私の通ってる学校は中高一貫の共学で、アイツと出会ったのは去年のことだった
アイツとは部活が同じだったんだけど、あまり話す機会がなかった
「あ、先輩」
「ハンカチ、落としましたよ」
ハンカチを拾い、渡してくれた
そのとき、しっかりと私の目を見て、微笑んでくれたのだ
「…先輩?」
アイツ…百鬼 透華が心配そうにこちらを覗いてきたから、急いで笑顔を作って返事をする
「あ、あぁ…ありがとう、透華ちゃん」
「いえ…ぼーっとしてますけど、大丈夫ですか?」
少しぼーっとしてしまっていたせいか、彼女は心配そうに眉をさげる
少し大袈裟に首を横に振り、しっかりと彼女の目を見て話してみる
「大丈夫よ、心配いらないわ」
「……」
「ふふ、先輩顔が赤くなってる…可愛い」
「へぁ…?」
呆気にとられている間に、透華は荷物を持って部室を出ていってしまった
(私、なんであんなにドキドキしたの!?)
自分の頬が赤くなるのを感じる
彼女はきっと、自分の放った言葉に何も思っていないのだろう
だから、あんなに平気な顔をして…
(か、かわいいだなんて…)
「末恐ろしい子だ…」
少し考え事をしていると、部室の扉がガラリと開く
そちらを見ると、男がいた
「おーい、夢舞まだ帰ってないよな?」
「あ、は、はい…夢舞さん、お客さんですよ」
同じ部活の子が相手をしてくれたらしく、彼女にお礼をしてから鞄を持つ
挨拶をして部室を去り、男と空き教室へ向かう
窓からは、茜色に染まる空が覗いていた
「夢舞ぁ…今日は生でもいいんだよな?」
少しだけ窓の外の景色に見とれていると、男が口を開いた
(こいつ、誰だっけ…あぁ、この前ヤッたやつか)
「うん、いいよ…いっぱいシよ♡」
適当に発情したような顔をしたら、アイツらは勝手に興奮する
別に行為をするのは嫌じゃない
気持ちいいし、何より愛されてる感じがする
シしてるときの自分の顔も、たまらなく可愛い
机の上に座らされ、制服を乱される
外されたボタンのせいで、自分の胸が顕になる
それに興奮した男は、スカートの中にまで手を入れてくる
「あッ…♡そこッ…♡」
男にグチョグチョにいじられ、濡れたところに挿れられる
適当に喘いでると大きくなるし、そのうちホントに気持ちよくなる
教室でやっているってスリルも嫌いじゃない
男は主導権を握らせておけば、勝手に興奮しだす
ウィンウィンな関係だ
「あッ♡!、!…ィグッ!♡イッちゃう゛♡!!、!」
「オラッ♡!出すぞ!!、!♡」
「アッッ♡!、!あ゛ぁぁ♡!」
行為を何回か繰り返しているうちに、外も少しずつ暗くなってくる
(気持ちいいから、いっか)
そう思っていると、突然教室の扉が開く
「…先輩?」
そこには、透華がいた
男も動揺したのか、少し動きが止まる
が、また腰を動かしてから、透華に話しかける
「えっと…夢舞の後輩ちゃんかな?結構可愛いじゃん。君も一緒にどう?」
「と、透華ちゃッッ♡!、!ァンッ♡」
「せ、先輩……ッ!!」
そう言って、透華は走り去ってしまった
それでも男の腰は止まらず、なんなら勢いを増している
「つれない子じゃーん…ま、いいけど」
少し不服そうな顔をしてから、また中に出す
2人の欲求が解消されたら、各々帰路に着く
いつもなら適当におじさんと連絡して、公園とかでヤろうか考えていたけれど、そんな気分にはなれなかった
歩いているときも、透華の顔が頭から離れなかった
驚いたような、怒っているような、泣きそうなような
そんな、透華の顔が
(あぁもう!なんなの…)
透華の目を真っ直ぐと見たときから、あの子のことが頭から離れない
(そういえば、私のこと真っ直ぐ見てくれたのはアイツが初めてだな…)
いつもいつも、身体目的だったり、親のお金目的で近づいてくるやつしかいなかった
だから、真っ直ぐに私を見て話してくれた透華に、こんなにも心を奪われているんだろう
「…〜!!もうッ」
「透華に…見られたくなかった」
後悔と深いため息を抱え、家へと帰った
百鬼 透華 side
私の部活の先輩に、たくさんの噂を抱える人がいる
沢山の人と付き合ったことがあるけど、恋に恋しているだけだ
金があるから、関わっておいて損はない
放課後にはおじさんと会って、パパ活もしている
だとか、とにかく悪い噂ばかりだ
(なんか、怖いかも)
そう思っていたある日、先輩がハンカチを落とすところを見かけてしまった
ハンカチが無くても困りはしないが、少しテンションが下がってしまう
少し怖気付いたが、拾ってから先輩先輩に声をかける
「先輩」
「ハンカチ落としましたよ」
先輩の目を見てハッキリと渡すと、少し目を丸くさせていた
「…先輩?」
どうしたのか、と不安に思い、覗き込むように声をかけてみると、先輩はすぐに笑顔になった
(あ、嘘の笑顔だ…)
首をブンブンと振り、なんでもないように先輩は言葉を紡いだ
それがなんだかいじらしく、赤くなった頬がとても可愛らしく見えた
「可愛い」
ポロリと口から出てしまった言葉は先輩にも聞こえていたようで、林檎のように頬が真っ赤になってしまった
(あ、図書室に行こうと思ってたんだった)
荷物を持ってすぐに図書室へ向かう準備をする
先輩はまだ、固まったままだった
(噂より、可愛い人だな)
──────────
図書室で勉強をして、そろそろ帰ろうと思ったが、部室に忘れ物をしたことに気づいてしまう
部室、ちょっと遠いから嫌だな
なんて考えながら、部室へと向かう
「あった…スマホ…」
忘れ物を取り、すぐに帰ろうとしたが、近くの教室から何か音がするのに気づいた
(なんなんだろ…)
そう思い、上の階へと足を進める
もう、外は夕方だ
音のする教室をみつけ、扉を開ける
ガラガラと音を立てたあと、私には嬉しくない景色を見せられた
学校の教室で先輩と男の人が2人、そういう行為をしていた
男の人が何かを言ってきたが、良く分からなかった
可愛いなんて思った人が、ふしだらな行動をしていた
(なんで…先輩…)
扉を閉めることもわすれ、走り出してしまった
辺りは大分暗くなり、肌寒くなってきた
未だに、あの光景は信じられない
(先輩と、仲が良かった訳じゃない)
どうしようと、先輩の勝手でしかないのに
「どうしてこんなに、泣きそうなんだろ…」
私の想いとは反対に、空には一等星が輝いていた
続きます
設定
1話は本編の1年前、透華と夢舞が出会ったときのお話
一応カプ的には、
夢舞×透華
ヘタレ攻め×男前受け
いつかちゃんとイチャイチャさせる