テラーノベル
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今日も行きたくない学校へ歩いて登校する。
片道2kmをぼーっと歩いて学校に行き、またぼーっと2kmを歩いて帰る。
面白くもない普通の毎日。
そろそろ嫌になってくる。
やっとの思いで下校をし、家で嫌々自主学習を進める。
昨日、漢字検定の5級を受けてみた。
その結果は合格で親にも大層褒められた。
5級なんて小6修了程度なんだから受かって当たり前。
俺は心の底からそう思った。
しかしすごく褒められて嬉しくなっていたのも事実だ。
家にあったグミを貪り食いながら宿題を進める。
やっとの思いで自主学習を終わらせたのが午後七時。
まずい。というかすごくまずい。
俺は毎日2時間ゲームをすると決めているのだ。
俺と同じ学年の男子がスプラの関西ブロックに出たらしい。
普通にズルすぎん?
俺はそいつに負けないように頑張ってスプラを練習しているのだ。
まぁ、ゲーム実況者のためでもあるんだが。
というかそっちが本命。
そんなこんなでスプラをしていると玄関が騒がしくなった。
何かと思ったら妹が玄関でストーブの灯油をこぼしたらしい。
俺の家のストーブは灯油で動くタイプでその灯油をこぼしたのだとか。
玄関は石なため染みると取れなくなる。
母さんは嘆いていた。
やばいな、大丈夫かな?
そう思っていたらなぜか玄関から罵声が飛んでくる。
「ちぐさ!なんであんたは心配もせずにゲームしてんの!!」
ん????
いや、心配してるよ?
「心配してるふりくらいしたらどう?」
「それに勉強しなさい!」
いや、どっちだよ。
母さんは心配はふりならいらない!!!
とよく怒鳴ってくるのに?
なのに今はどうだよ?
母さんはたまに矛盾したことを言う。
さっきのもそうだが、
遅刻しそうならもう何も食べなくていい!
と言うが別の日には
遅刻しそうでもご飯は食べなさい!
と言う。
正直どっちかにしろよって思う。
これは俺の家だけなの?
他の家の人もそうなの?これ
まぁいいや。
「あんたチャ○ンジタッチしない!」
いや、勉強しろって言ったの貴方ですよ…?
もうやだよ…
「あんたなんか馬鹿の学校行けばいいんだからッ!」
その言葉を言われた瞬間、俺からやる気というものがゴッソリ抜け落ちた気がする。
ハァ〜〜〜?
お前が県内で一番頭のいい学校行けって言ったんだろ?
なんだか、努力が面倒に感じてきた。
勉強するのも、期待に沿おうとするのも、辞めたい。
なのにやめたらまた言うんだろ?
「もっと頑張りなさい」
「なんでやらないの」
「何のためにチャレンジタッチやらせてるの思ってんの」
って。
父さんは俺がテストで順位を上げて30位以内じゃないと褒めてくれない。
しかも父さんは俺が賞を取ったときにしか褒めない。
大事にされてる筈なんだ。
でも、どうしてもそう感じられない。
何か足りない気がしてしまう。
心のどこかに一生塞がらない穴が空いてしまっている気がする。
夢を見て、色々努力する。
そんな俺のやる気と勇気でできた炎。
胸の奥深くにあるその炎は消えかけていた。
でもそれは誰も気づくことはできない。
そう、自分さえも。
それは完全に消えてから気づくものだった。
コメント
2件
ひぇ〜!めっちゃ良き🫶💚🩵 あぁゆう感じの親、めっちゃボコしたい 🫰🥰🩵 ちぐちゃんはもうすごいんだから何もしなくていいのよ🥲 次の作品も楽しみにしてるのだぁ!!