テラーノベル
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「失礼致します。お茶をお持ちしました」
凛とした声と共に、白石さんが入ってきた。
(え? なんで白石さんが? いつものバイトの子はどうしたんだ……?)
彼女は第一ボタンまでピシッと留めた完璧なオフィススタイル。下品な露出で釣る涼香を瞬時に「安っぽく」見せるほどの圧倒的な気品があった。
さかのぼること15分前。
社内チャットに流れた「システム部に爆乳コンサル参上」の文字を見つけた私は、即座に給湯室へ向かった。
(陽一さんの部署に危険人物が!これは様子を見に行かないと)
そしてお茶出しのバイトの子から強引にトレイを奪い取り、会議室に押し掛けたのである。
「あら、気が利くわね。……ねえ、陽一、じゃなかった春川さん。この部分はクラウドに丸投げすべきよ」
女が陽一さんの肩に、馴れ馴れしく手を置く。
(……この害虫、私の陽一さんを呼び捨てにした? 今……触った?)
私は仕事用の笑顔を作りつつ、トレイを握る手に力を込めた。手元のトレイが「ミシミシ……」と悲鳴を上げた。
(陽一さんは世界一尊い、私の「推し」。不浄な指で触れていい存在じゃないのよ。害虫は、早めに駆除しないとね……!!)
#ワンナイトラブ
風宮 むぅまろ(̨̡ ¨̯
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