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朝倉先生の手の平から熱が伝わり、視線が絡むと朝倉先生の瞳の中に映る自分を見つけた。
「例え本当の父親であっても、私の大切な夏希さんと美優ちゃんに園原さんに近づかれるのは気が気じゃない。それに彼は夏希さんを狙っているようだし、心配なんだ」
「……翔也さん」
「例え血がつながらなくても 私は、美優ちゃんの父親になりたいと思っている」
朝倉先生の瞳が優しくカーブを描き、近付いてくると唇が重なった。
短いキスを落とし、額と額がコツンと合わさる。
「私の心を動かしてくれたのは夏希さんなんだよ」
ああ、どうしよう。
こんなキュンの波状攻撃。
これは、キュン死しそう!
「翔也さん、好きです。大好きです。ずっと憧れていました。12月の道端で助けてもらった時から朝倉先生は私のヒーローなんです」
ああ、もうテンパって自分でも何を言っているのかわからない。
すると、朝倉先生の手が私を引き寄せ、ギュッと抱きしめられる。
広い胸に包み込まれ、温もりを感じていた。
ゆっくりと瞼を閉じ、胸に耳を当てた。朝倉先生の心臓の鼓動が聞える。
それは、トクトクを早く脈動していた。
「夏希さん」
耳元に息がかかる距離、朝倉先生のイケボで名前を呼ばれた。
耳から蕩けそうな気がする。
「次、ウチへ来た時に夏希さんが持って来てくれたワインを開けましょう」
「はい」
と、返事をしたものの「?」と思った。
「夏希さん、意味分かっていますか? ワインを開けたら車で帰れなくなるんですよ」
そのセリフを聞いて、ボッと顔が熱くなる。。
何気ないお土産に選んだスパーリングワインが、そんな意味を持つなんて思わなかったから……。
「はい」
短く返事をした後、自分から朝倉先生へ腕を回し、唇にキスをする。
自分からなんて恥ずかしいけれど、上手く言葉に出来ない想いを伝えたい。
そんな想いを込めて、キスをした。
小鳥が啄むようなキスを繰り返し、やがて、深いキスにかわる。
舌と舌をからめ、鼻から甘い息が漏れた。。
「ん……んぅ」
唇が離れると朝倉先生の艶のある声が耳をくすぐる。
「夏希さん、煽らないでください」
「翔也さん、私……」
そう言って、熱を孕んだ瞳で見つめてしまう。
「次の約束まで、じれったい思いをさせるなんて、夏希さん、意地悪ですね」
「そんな……」
朝倉先生の息が、耳元にフッとかかった。そして、艶のある低音ボイスが聞こえて来る。
「楽しみにしてますよ」