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「第2試合、魂魄妖夢VS博麗霊夢!!」
文が大きな声で言う。
さあ、山場だ。
絶対に勝つんだから。
「それでは選手の皆さま!ご準備はできましたね。それでは……弾幕ごっこスタート!」
文の大きな声とともに、私は、数枚の御札を放った。
妖夢はほんの数秒で御札を粉砕した。
「げ、相性悪いわね。近距離戦に持ち込まれたら若干不利ね。」
妖夢が一瞬で近づいてくる。
ガキン!
何とかお祓い棒でこらえた。
「行きます。始経桜観剣!」
急に妖夢の剣が燃え始めた。
「うわっ!あぶなっこっちもスペルカード使わせてもらうわ!霊符夢想幻武!いっけぇ!」
たくさんの陰陽玉が現れ、妖夢の方へ飛んでいく。
ガキィン!
妖夢がたくさんの陰陽玉を切り抜け、こちらに近づいてくる。
「おまけも……あげる!!」
私は、無数の御札を放つ。流石にこの弾幕で無事なはずはない。
「後ろですよ。」
「っ!」
陰陽玉で止められた。
妖夢は無傷だ。
もしかして……あれはダミー?
妖夢の剣がさらに燃え始める。
「わぁっ!あ、危なかった……」
妖夢の剣が飛んできた。
「本気、出しちゃおうかしら。スペルカード陰陽郡司!」
とても大きい陰陽玉が現れる。この戦法は紫に教えてもらった。
「始桜、桜戦層楼。(おうせんそうおう」
ガキィッん!
「う、か、硬い…」
パァン!
割れてしまった。が、本番はここからだ。
無数の陰陽玉と御札が現れる。私は、追い打ちをかけるように弾幕を放つ。
「早いですが、使うしかないですね……。」
妖夢が息を整える。
「合体剣一本桜満開。」
パン!一気に陰陽玉がこわれる。
妖夢のラストワードが私の方に飛んできた。
「しまった!急いで妖気結界を貼らないと…はぁっ!」
私はありったけの妖力をこめて、結界を貼った。
「無駄ですよ。」
「う、け、結界が……」
徐々に結界にひびが入っていく。
「ラストワード……使わないとね。結界二重翻弄報両用。(けっかいにじゅうほんろうほうりょうよう)」
「……!」
妖夢の周りに陰陽玉……いえ、陰陽級。
陰陽級は、陰陽玉の最上級の玉。当たると肉眼では見えない弾幕が散らばる。
「ぐっ!」
流石にこの数は剣で抑えきれないだろう。
妖夢が弾幕に当たって地面を転がる。
「私は……まだ…」
「いいえ、終わりよ。」
妖夢の頭からはたくさんの血が出ている。
「……最後まで……油断しないほうがいいですよ。」
妖夢は、まだ倒れない。
「さ、とどめさすわね。ごめん妖…夢……」
急にお腹のあたりがズキリと痛む。
見てみると、お腹に妖夢の剣が刺さっている。
「そ…んな…妖…夢」
「勝者!魂魄妖夢!」
私は倒れる間際に見た。妖夢が泣いているのを。
妖夢は泣かないことで有名だった。
妖夢が泣くところを見れるなんて…幸運ね。
声が聞こえてくる。
「霊……!おい!起き……よ!」
所々聞こえないが、何を言っているのかはわかる。
「早苗…さんこっ……です!……夢が…妖夢が…」
幽々子の声が聞こえる。
「これ、霊夢さんよ…深刻で…………足も折れ…る。頭も……切れ…る……!」
私のせいで……ごめんね。妖夢。
私はそこで意識がなくなった。
私は夢を見た。「霊夢…聞こえる?!霊夢!」私たちの世界の紫の声が聞こえる。
「ここは……?私は…会場で……」
「一時的に霊夢の意識に私の意識を繋いでいるの。」
紫はすっかり体調が良くなったらしい。
でも、どことなく悲しそうだ。
「あのね…妖夢が!妖夢が……私のせいで!…」
「一部始終は見てた。大丈夫。短い間しか話せないから…最後にこれを。」
紫は私に桜の形をしたお守りをくれた。
「これを…妖夢に…これが霊夢のぶん。」
紫は私にキレイな陰陽玉のお守りをくれた。
「もう…心配させないでよね。」
紫は、泣いてた。
「それじゃあ、霊夢。あなたは……も…目が……覚め…る月の都を……ど……か止めて。」
その言葉を最後に、紫の声は聞こえなくなった。