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カイガ
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#魔道具職人
こはる
135
「はぁーあ。両親…特に親父は本っ当に相変わらずって感じだったな。俺を心配してる気配が微塵も感じられなかったぞ。本当に俺の親なのかよ……」
自分の部屋にてシュートはそう愚痴りながら携帯でネットサーフィンをしていると、ある記事に目を留める。
『中里大企業の上役ポストの花宮蓮 突然の辞職。不祥事か?』
中里大企業は日本の経済に大きく貢献しているだけあって全国で有名である。故に中里大企業の上役ポストに当たる人物に何かあればこうしてネット記事に載ることもある。
花宮蓮(37歳)はシュートの元クラスメイトの紅実の父親であり、先ほど彰司が言っていた人物も彼を指している。その彼が今日付けで中里大企業を去るとのニュースが流れていた。
「親父の言った通り…あの会長本当に、自分の気に入らない奴を切り捨てやがったのか…。親父たちの解雇が不当だとか何とか意見したからか…?それで会長の怒りを買ってしまって、この人にまで理不尽な解雇通告が下ったと……」
シュートはそのネット記事をしばらく読み続ける。それから彼の脳裏に紅実のことがふと浮かんだ。彼女はこうなることを恐れて、中里のバックにいるものに屈して、彼の虐め行為を止めるのを躊躇っていた。しかし今回は彼女の行動関係無しに、父親が解雇を言い渡され、失業する羽目に遭ってしまった。
「あーあ、気の毒に。お前はこうなることを恐れて、悪に屈してまで父親の地位を守ろうとしてたのに。今までのことが全部無駄になっちまったなー」
そう呟くシュートからは少しも同情した様子が見られない。さらに言えば彼は自分の両親が揃ってリストラされたことに対しても罪悪感などは微塵も湧いていなかった。
シュートにとって、両親が理不尽に解雇されたり彼らがこれから立ち上げる会社にまで圧力をかけられたりなど、別にどうでも良く思っている。
経済的な報復・圧力などに対してもシュートには何の痛痒にもならない。いざとなれば彼が持つスキル「魔術」でいくらでも金儲けが出来、最悪異世界へ逃げることも可能である。
中里側がいくら報復を仕掛けてこようが、シュートに傷を負わせたり追い詰めたりすることは不可能に等しい。
「けど……このままにしておくのは、何か癪だ」
かといって、中里会長をこのまま増長させたままにしておくのはあまりにも面白くない…とシュートはこうも考えていた。しばらくしてシュートは先程考えていたことを掘り起こして再び思案した結果、面白いことを思い付く。
「良いぜ……そっちがそうやって手を出してくるなら、俺も遠慮なく仕返してやるよ。
この俺に害悪を振りまいたらどうなるかってのを、大企業の会長だろうと思い知らせてやる……!」
シュートの新たなる復讐……物理的な制裁が始まろうとしていた。
花宮宅―――
「……………」
紅実は自分の部屋にて呆然としていた。携帯から見たネット記事と、話題の渦中にある本人による直接の証言で、これが現実であると段々理解しているところだった。
(すまない紅実……。父さんの考えが甘かった……。自分がやったことに後悔はしていないが、家族に迷惑を……不安にはさせたくなかった………)
先程リビングにて父親(蓮)が青ざめた顔で自分と母親に謝罪している姿が、未だに紅実の瞼に残っている。いつも凛としており規律を重んじる清廉潔白な、自分の憧れでもある父親のあんな顔を見るのは初めてだった。
今夜見た彼はいつものような威厳さが無く、憔悴した様子がありありと見てとれた。それだけ彼がショックを受けていたことが推測出来る。
(父さんが中里会長に意見したのは、会長が不当な解雇を下したのを知ったからだ。三ツ木さんといってね。あの人とあの人の奥方にはお世話になったことが何度もあってね。そしてお二方も立派な仕事人で、大企業にも凄く貢献されてもいる。
お二方の息子さんが会長の息子さんに大変な暴力を振るったことに憤る気持ちは分かるけど、だからといってそれを理由にお二人を不当に解雇して良いことにはならない。
見過ごせなかった父さんはつい、会長にそれはおかしいと何度も意見したんだ。結果、父さんも会長に切り捨てられてしまった……)
「お父さんは何も間違ったことはしていない……。私が出来なかったことを、お父さんはやってみせたんだ……。上司に……権力者に臆することなく、強者に立ち向かったんだ…。自分が信じる正義を貫いてみせた……。
そんなあの人を、責められようか…いや、責められていいわけがない」
解雇されたことは悲しく思う。将来に対する不安も覚えずにはいられない。しかし父親は間違ったことはしていないと、紅実もそう思っていた。
しばらくしてから、父親や家族のことからシュートのことを気にかけるようになる。
「シュート君のご両親も解雇されて、私たちと同じ状況になっているはず……。中里君に虐められていたシュート君がそれに対する復讐をしたことが原因で、中里会長がその報復に出て、その始めとしてシュート君のご両親を解雇して、経済的に追い詰めようとしている。
でも、シュート君への復讐がそれで終わるとは、思えない気がする……」
何のヒントも無しに、紅実は中里会長のシュートへの復讐内容を予測してみせる。次第にシュートへの心配も大きくなろうとしている。
「もうこれ以上、傍観者でいるわけにはいかない……。私に出来ることは全部して、お父さんもシュート君も助けるんだ……!
私は、もう屈しない!!」
紅実は以前の自分…中里の脅しに屈していた頃の自分にさよならを誓う。そして家族とシュートのちゃんとした助けになろうと決意した。
コメント
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ああっ、この回めっちゃエモかった…!😭💕 紅実が「もう屈しない」って決意するところ、本当に胸が熱くなったよ〜!! お父さんの正義感をちゃんと理解して、自分も立ち上がる姿が尊すぎる…。一方でシュート君の復讐心も加速してて、二人の対比がたまらんね🔥 この先どうなるか気になりすぎる!! カイガさん、続き楽しみにしてるよ〜🌸✨