「ねぇ、それさカッター持っているのおかしいんじゃないかな?だって、被害者だったらカッター持っていないと思うよ?」
「でも…渡された。」
少し焦っていた感じの声だった。
「あなたにあった記憶無いよ?ね、和樹?」
私は和樹に質問を投げた。だって、意味わからないもんね?勝手に私と和樹は犯人にされているもん。
「そうだね。」
と私の意見に納得する和樹。嘘をついていなそうな声だ。きっと、自分でやって私達のせいにしたのだろう…。だとしたら、甘い…。馬鹿じゃないもの。
「ほら、認めたら?面倒なことになるよ?ここで止められたのも奇跡だよ。校長室いかなくてよかったね?」
って…言うと金本は悔し泣きをした。きっと…私達が五年生のときに何かをやって嫌だったからやり返しだったのだろう…。でも、思い浮かばないな…。
「だって…去年…二人って…両思いなったじゃない…。ずるいなって……私だって…あいつ…好きだったもん………。」
あ…恋愛の嫉妬だろう…。嫉妬て…友情が壊れてしまうもんね…。そんなに…簡単に壊れてしまうなんて…残酷だ…。
「それは、ごめんね…。でもさ、自分で努力しないとだめだよ。だから、アプローチ頑張って。私も応援してる。 」
そういった…。和樹には伝わっていないのだろう…。けど、男子の前でこんな話をするのは初めてだ…。なんだか、新鮮な気がした。
「愛ってずるいな…。」
何が?意味が、わからないかった。和樹は、私と金本の間に来た。
「愛になにかするんだったら、俺が許さない。」
うそ…。こんなこと思ってくれてるの〜。優しい!もう…キュン…
「まぁ、和樹、落ち着いて。私は大丈夫だから。」
私は和樹に優しい笑顔を見せた。(自分では優しい笑顔だと思っている。)そして…「わかった。」と言って私の後ろへと言った。今思うと…前にたったときに…金本が見えないくらい大きかった。身長が高いのもあるけれど、ガタイがやっぱりよかった。6年生にもなってきてるから、きっと筋肉がついてきたのだろう…。
「なんで、あんたの恋は叶って私の恋は叶わないの…。意味がわからない…。ふざけるなよ…。」
私の恋が叶った?私なんて…叶ったなんて思ってないよ…。告白なんかしてないし…告白されてもいないし…叶ったわけでもないのに…。
「ふざけてなんかいないよ。私だって、叶ってないよ。でも、人を悪く言うのはだめだよ。きっと、その彼も望んでいないよ。」
私が言うと、金本は黙り込んだ。私が「彼は望んでない」って言ったからだろう…。そんなに…好きだったら、私なんかにいじわるにしないで気持ちをぶつければいいのに…。
恋なんて簡単では、無いけれど、単純だ…。だって、好きか嫌いか。これだけ言われれば単純でしょ?ただ、それのこと…でも、恋って最初にも言った通り簡単ではない…。だって、「蛙化現象」とか「蛇化現象」とかいきなり好きになったり、嫌いなったり、好きでたまらなくなったり…。不思議だよね?
「和樹、先戻ってな。女の話だから。」
「おう…。またなんかあれば呼んでくれ。」
「ありがとうね。また、後で。」
そして、彼の後ろ姿が見えた。すこし、寂しそうだった。
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