「女の話ね…。そんな隠語使うんだ。」
そう、金本はびっくりしている様子だ。
「隠語使わないとね、バレちゃうでしょ?女の秘密ごとなんだからね。和樹も察してくれたと思うよ。」
そういうと…金本は泣き出した…。なんだろうこんなこと…
すると、先生が…。
「話は解決した?和樹さん帰ってしまっているけれど…。」
先生が心配そうに私達に声をかける。結構長い時間話していたのだろう…。私もびっくりだ…。
「はい。大丈夫ですよ。和樹は先に帰らせたんです。女の話になっていたので。」
私がそういうと先生はニコッと笑った。
「そうですか。話し終わったなら、授業戻ってくださいね。」
ニコニコしながら、私達に注意してくる。
「あ、すみません。いま、戻ります。」
そして、私は教室に戻る。
金本は泣きながら帰った。私はうざいとしか思ってはいなかった。
「愛…まじむかつく…。」
かすかに金本の声が聞こえる…いや…はっきりと…なんだろう…この…嫌な予感がする…。
「お前のほうが…ムカつくわ…。」
そう小さな声で言い返した。誰もいない廊下…私と金本はしたを向きながら教室へ帰る…。腹が立って仕方がなかった。
「愛ちゃん………。」
「愛。」
そう、穂香と和樹が私が帰ってきたことに気づき声をかけてくれた。
「あ…穂香…和樹…。」
私は二人の名前を呼ぶ。きっと…和樹は私のことは好きではないのだろう…。悔しいけれど…
「愛ちゃん!」
そう私の名前で叫んだのは架純だった。架純が来たとたん、和樹は逃げるように席へ戻った。架純が嫌いなのはわかるけれど…私は…………こんなの…いや…ちゃんと伝えないと…と思うけれど…やっぱり架純が大事だし、和樹だって大事だ…。何にも言えなかった。
「架純…。ありがとう…架純、大丈夫?」
私が声をかけるとニコニコとして、「大丈夫」と答えた。架純。私もほっとして、体の力が抜けた。そして、ドアの前で座ってしまった。
「愛ちゃん!」
そういったのは穂香。聞いたこともない声を出している穂香。私もその声にびっくりしてしまった。
「うん…大丈夫…大丈夫。今、なんの時間なの? 」
私が聞く。すると、近くの席にいた女の子が…「算数…。」そう答えた。真面目な女の子だ。
「ありがとう。算数ね。」
そう言って席に戻るために足に力を入れようとする。
ばた!
私が床に付く音がした。
「愛ちゃん!」
「愛!」
その声は穂香と近くにいた女の子の声だった。ちょうど重なっていた。
「ごめん…。うまく立てなくて…。穂香、手伝ってもらってもいい?」
私が言うと…穂香は頷いてくれた。そして、私は肩を借りて立ち上がった。
「ありがとう…。席まで…」
「うん」と穂香が答える。そして、私は穂香に席まで行ってもらって座った。
「ありがとう…。穂香…」
「どういたしまして。」
そうして、穂香は席に戻った。その後ろ姿はまさにかっこいい姿だった。
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