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どうして僕は周りに着いていけないんだろう。
ずっと考えている。
何時間経った?何分経った?
何か成果はあったのか?
苦しい。
息が詰まる。
どうしてこんな目に。
なにをやってもうまくいかない。
どしゃぶりの晴天、、。
からからの絶望、、。
苦しくてもがいても誰も助けに 来てくれない。
まぁ、、そりゃそうだよな。
僕なんて。
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「こっちこっち!」
そう言って僕の手を引くスズランさんについて行くと、1つの商店に着いた。
多分商店なんだろう、、。
看板には〈月照商店〉と書かれている。
なんと読むんだろう。
「つでるしょうてん、今から会う人達が経営してる店だよ」
つでる、、。聞き覚えがある。
記憶が亡くなる前に聞いたのかな。
スズランさんに連れられ、カラカラとドアに着いた鐘を鳴らして中へと入る。
中は、、なんというか、魔具を売っていそうな雰囲気で、どこか懐かしみを感じた。
レジらしき場所で1人の男性が本を読んでいる。
月の髪飾り、、。
月照、、。
本には〈人間関係 太宰治〉と書かれていた。
赤色のどこか魔導書の様な本。
ふと周りを見ると、足を置く隙間が無いぐらいに家具や杖、壺の様なものなどが置かれていた。
机の上には食べかけのクッキー。
それと、中に葡萄に見える実が入った蒸しケーキみたいなの。
マカロンも置いてあって、少々食欲をそそった。
しょうだけに。
笑えないね。
「あ、おはようございます」
月の飾りを付けた人が先に声を発した。
「おはよう里音君、しゅう、連れてきたから、、。」
「、、了解。把握。」
何でかな。何も聞こえなかった。
この人はなんて言うのかな。
「こんにちはしゅう君、月光って言います」
「あ、、こんにちは」
げっこう、、か。月が似合う人だな。
そういえばさっき『何人か居る』って言ってたけど、他の人はどこへ居るんだろう。
「あれ、月光以外は?」
「上でまだ寝てる」
「遅くね?笑」
「もう午後だぞ?」
「まぁ対面ぐらいなら出来ると、、。」
「分かった、ありがとう」
「しゅう、行くよ」
また連れられ、近くにあった階段を登った。
2階らしき場所には、長い廊下とドアが並んでいた。
奥には大きな部屋がドアを付けずにある。
コンコン、とスズランさんが1番手前のドアをノックした。
「りふらい?起きて〜?」
りふらいと呼ばれた人は、目を擦りながらドアを開けた。
「ん、、?あぁ、しゅうか。」
「巻斗、準備。」
「あぁ、分かった、、。 」
また会話が聞こえない。口は見えるのに。
変な感じ。
「こんにちは、りふらいです。」
「こんにちは、、。」
とりあえずこういうのは挨拶しておけば良いのだろう。
りふらいと名乗る男性は一見優しそうに見えた。
何を話しているか分からない談笑を続けた後、手を振ってスズランさんはドアを閉めた。
あぁ、これを何回続けるのか。
途中から記憶が無い。
何をしでかしたのやら。
そんなこんなで、いつの間にか商店を出ていた。
外はもう暗かったので、スズランさんが僕の部屋だという場所まで連れて行ってくれた。
綺麗なタイル続きの道を過ぎると、自動ドアをくぐった。
エレベーターに乗せてもらい、〈御厨〉と書かれた所で降りた。
いやなんで大阪の地名なんよ。
別にどこでも良いやろが。
みくりやって可愛いけども。
そんなこんなで(?)、何故か先程の大型病院のトランクもどきみたいな音がする階に着いた。
その後、何故か少し歩いて別のエレベーターに乗った。
1個目は赤、2個目は白。
今度は〈杵築〉と書かれた階で降りた。
いやなんで今度は大分の地名なんだよ。
きつきって可愛いけども。
何故離れた。
その後、スズランさんに連れられて〈014〉と書かれた札のある部屋に入った。
ここが僕の部屋らしい。
まるでホテルだ。
特に廊下が。
ていうか014って、僕が無個性だとでも言うのか。
知ってる人にしか分からんネタごめん(作者殿より)
スズランさんと別れ、一旦部屋を見渡してみた。
2段ベッドにシーリングライト。机と椅子。
そして何故か木彫りの熊。
それと〈ささやかなものですが〉と書かれた紙と一緒に三色団子が置いてあった。
そこに置いてあったのはそれだけ。
とりあえず布団に顔をうずめた。
今日はもう寝よう。
それから深い眠りに着いた。
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