テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……マジで行くのか」
「当たり前っしょ! コンテンツ的においしすぎる」
「俺、もう動画の企画立ててます」
「ルートは最短で計算済です」
犬、猿、キジが口々に意気込みを語る横で、当の桃太楼だけがやる気ゼロだった。
だが祖父母の圧と、美咲の「がんばれ推し!」の一言に押され、しぶしぶ鬼ヶ島行きを決意する。
交通手段はフェリー。
鬼ヶ島行きのチケットは観光名所化していて、意外にも簡単に手に入った。
「おい……普通に観光地化してるじゃん」
「聖地巡礼ってやつですね!」
「ツアー客多いな。鬼、もはやテーマパークの着ぐるみでは?」
船のデッキに立ちながら、桃太楼は心の底から「帰りたい」と思っていた。
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