テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
桃大福 🍑
2,350
玲
1,155
#先生と生徒
清涼飲料水
29
第5話 気づかないふり
気づけば、学校へ行く理由が増えていた。
友達に会うため。
勉強するため。
……そして、先生に会うため。
朝、先生と話せた日は自然と笑顔になれる。
逆に話せなかった日は、なんとなく元気が出なかった。
「今日はいなかったな…。」
そんなことを考えてしまう自分に、少し驚いた。
化学の授業でも同じだった。
先生が教室に入ってくると、自然と目で追ってしまう。
黒板に字を書く姿。
教室を歩きながら説明する姿。
誰かの質問に優しく答える姿。
全部、目に入ってくる。
(また見ちゃった。)
先生と目が合うと、慌てて目をそらす。
何してるんだろう、私。
前まではこんなことなかったのに。
家に帰っても、ふと先生との会話を思い出す。
「今日はいっぱい話せたな。」
「明日も話せるかな。」
そんなことばかり考えていた。
でも私は、
“好き”
その二文字だけは、絶対に認めようとしなかった。
だって相手は先生。
そんなこと、あるわけない。
……そう思っていたから。
──次回「それだけで」
コメント
1件
うわあ、この「気付かないふり」のタイトル回収、めっちゃ刺さるわ……。先生と目が合うたびに慌ててそらすところとか、家帰ってから「今日はいっぱい話せたな」って反芻するところ、完全に恋する高校生のそれじゃん。でも「好き」って二文字だけは絶対認めようとしないってとこが、自分の気持ちから目を背けてる感じで切なくて、でもそれがすごくリアルだった。次回「それだけで」、どうなるんだろう…。