💛 side
💛「……遅い。」
時刻は深夜0時。
今日はめめが仕事の飲み会があるって言って、出かけて行った日。
あんま遅くなんないでねって伝えたのに、もうこんな時間。
めめはそんなに約束を破らない。
そんだけ愛してくれてるってことだ。だから遅れた時の不安が半端ない。
プルルルル…!
手元のスマホが震え出す。
めめからの電話だった。
すぐに応答して、耳元にスマホを当てる。
💛「…もしもし?」
🖤「もしもし…ごめ、ん。早めに、帰ろうと思ったんだけど…めちゃくちゃ呼び止められちゃって。」
💛「別に。帰れるなら早く来て。」
🖤「うん、今から帰」
🖤「うおっ、え、なに、ちょっと…」
🖤「ごめん、介護してくる。」
ガヤガヤした音の中、めめの声はハッキリ聞こえる。
その声も優しさも好きだけど、今はちょっとだけやだ。
💛「…うん、じゃあ俺迎えに行くわ。」
🖤「え」
🖤「いや、いいよだって」
💛「俺が行きたいから。」
💛「じゃ。」
ツー。
と電話を切った。
スマホと財布を手に取り、家を出て車に乗る。
飲み屋の場所は聞いてるから、向かうだけだ。
駐車場に車を停めて、走って店頭へ行く。
店の扉をくぐって入ると、「何名様ですか?」とか聞かれたけど、「中にいる人の迎えです」って言って入れてもらった。
少し歩いた先の大きな部屋の襖を開くと、
🖤「あ、岩本く…」
なんか、色んな人にくっつかれてるめめが居た。
めめの顔もちょっと赤いけど、それ以上に周りの人が赤すぎる。
…疲れてんな、めめ。
あー…あんましないように気をつけてたけど、これは嫉妬する。さすがに。
めめは周りの人を1度退かして、俺の元に歩いてきてくれた。
🖤「ごめん、怒ってるよね。」
💛「…分かってんなら気をつけて。」
🖤「うん、ごめん。」
🖤「帰ろ、お詫びになんかお願い聞くよ。」
お願い、か。
💛「…分かった。」
2人で挨拶をして、車に乗った。
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🖤side
はぁ…岩本くん、怒らせちゃった。
23時までには飲み会を抜けて、チョコでも買って帰ろうって思ってたのに。
色んな人がお酒進めてきて…話も終わらず…酔っ払いの介護。酒が強いのも大変だ。
無理やりでも帰れば良かったかな。でもそれで悲しませるのはあれか。
沈黙が続く車の中で、反省して身を縮ませた。
ちら、と運転してる岩本くんを見てみたら、やっぱりかっこよくて、ニヤけそうになる。
💛「…なに?」
🖤「ううん、かっこいいなぁって。」
💛「…ははwなにそれw」
クシャって笑う顔は可愛い。
こんな人と付き合えて、俺は幸せ者だ。
車を降りて、家へ入る。
靴を脱いだら、手を洗いに…
💛「…ねぇ、蓮。」
後ろで名前を呼ばれて、振り返る。
下の名前呼ばれると照れる、やっぱり慣れてないから。
…ていうか怒ってるよな、顔わかりやすいもん。
🖤「はい…」
💛「俺のお願い、聞いてくれんだよね?」
🖤「え?」
なんだ、そんなことか。びっくりした。
🖤「うん、できる範囲で」
💛「なんでも?」
🖤「なんでも?w えー…まぁ、うん。」
💛「じゃあ、お風呂入っておいで。」
🖤「あ、はい。」
背中を押され、浴室に入る。
…あれ、この流れは……。
……いや、…まぁ、準備だけ、しとくか。
お風呂から上がって、保湿などをして出ると、テレビをぼーっと見てる岩本くんが居た。
ソファにちょこんって座ってて可愛い。
🖤「上がったよ」
💛「ん。」
水を渡され、ゴクと飲む。
すると、岩本くんはフッと笑った。
💛「…んねぇ、お前さ」
🖤「ん?」
💛「もうちょっと疑うなりしろよ、怖いよ俺。」
コップを指さしながら彼は言う。
…どういうこと?と困惑したが、すぐ理解出来た。
🖤「媚薬入れた?」
💛「うん、ちょっと。」
🖤「あー…いや、岩本くんだからだよ。疑わないのは。」
マジか、媚薬飲んだのか。
やだなー、明日後悔するよ俺。まぁ気づかなかったのが悪いんだけど。
俺が言葉を並べると、岩本くんはムッとしながらも嬉しそうだった。
💛「嘘だよ、ちょっとじゃない。」
💛「だいぶ入れたよ媚薬」
🖤「あ、ほんと?」
💛「うん、入れた。」
じゃああと10分もしたら来るのか。
…岩本くんのお願いなら、仕方ないよな。
🖤「…もうベット行くの?」
💛「ううん、もうちょっとテレビ観たい。これ歌謡祭だから俺たち出るよ。」
🖤「そうなの?じゃあ見ようかな。」
岩本くんの横に座って、テレビを観ることにした。
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続き待ってます!!