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ドクッとひとつ、胸が熱くなる。
私の唇を彼の唇へ近づける。
【チュッ】
「……? ……????」
「ヨンイルさん??今俺になにを…」
「あぁ、分かりませんか?ではもう一度」
「いや、分かります…!あ、とれましたか?ゴミ。」
一度の口付けで彼はどれだけ照れるのか。
これでもかとばかりに顔を赤らめている。
「えぇ、とれましたよ……♪」
そう、本当はゴミなどついていない。
彼は馬鹿正直だから、すぐに人を信用する。
要するに騙されやすい。
「…ギフンさん」
「…?はい…」
声のトーンが少し落ちた。それ程真剣な話ではない。
「…ギフンさんって、誕生日にケーキ、食べますか?」
急になにを言い出すのかと、少し困惑した彼は、えぇ、と続ける。
「えぇ、食べますよ。俺には娘のガヨンが居て。俺の誕生日の時も、ガヨンにばかりケーキをあげるんです。パパの誕生日だからパパが食べなよって…。俺は幸せでした。」
思い出話をする時、彼は笑顔だ。
それほど娘の事が好きなのだろう。正直者というものは、目に見えて分かる。
「逆に、ヨンイルさんはケーキ、食べないんですか?」
「食べますよ。でも私は少食でして…。それに、私は牛乳がすきではないので、あまり自分からは食べたいとは思いません。」
そう、私はこのゲームに来てから、牛乳が嫌いだと、222番にあげたのだ。なにげないケーキの話から、ここまでトークを引っ張るのかと、少し感心していた。すると私の思考を止めるかのように
話を進める。
「じゃあ、チョコケーキとかですよね。いや、チョコケーキのクリームも牛乳なのか…?あ、じゃあアイスとか。果物とかもいいですよね。」
牛乳が嫌いな私はクリームもあまり好みではない。そのために、彼はここを出た次の誕生日の話をしているのだ。
彼は未来があると思っている。彼にとって未来は近しいと感じているのだろう。しかし、彼以外はまだゲームを続ける気だ。いつ来るか分からない希望を信じ続けるのだ。
「あ、それなら、牛乳を使わないでできるオレオカップケーキとかどうですか?すぐ作れるし…材料もすぐ集まると思いますよ。」
「…ありがとうございます。ですが、食べたいケーキが見つかりました。」
「オレオカップケーキですか!?俺も作りますよ。手伝います!一緒に食べましょう!」
勘違いをしている。やはり、正直者《バカ》はどこまで行っても素直だ。
「…いえ。オレオカップケーキではありません。」
「え、じゃあ他になんか…でたら一緒に調べましょう!」
「あぁ、もういいんです。私が食べたいケーキ、_貴方です。」
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お疲れ様でした!今回はここで終わりです!
ヨンイルさんは牛乳が嫌いと作中で言っていたので、ギフンの発言には、しっかり牛乳を使わないケーキのレシピを調べました!次回最終話です!是非見てください!