「んぁ、ん……ひぅ……やだ、やだぁ」
「なんで? 気持ちよくね? ほら、こっちは、イチゴ味」
「冷たいって、お前、絨毯、汚れる……っ、床汚れるし! ベタベタ、してて、きもちわるっ」
赤、黄色、緑……と身体の上にかけられるシロップのなんとも言えないべたつきに身体を震わせながら、それをなめとろうとべろっと長くて分厚い舌を這わせる朔蒔。俺は実をよじりながら、追加でかけられるシロップの甘い匂いに眉をしかめる。
朔蒔は、バカみたいにシロップをかけるもんだから、俺の身体が甘くなってしまったんじゃないかって錯覚さえした。子供が面白がって、特別なかき氷つくるって、全てのシロップをかけて、真っ黒にするみたいな。そんなのが、今の朔蒔から感じられる。てか、朔蒔って子供っぽい所あるし、まんまそれだな、と思った。
「別に洗えば良いだろ」
「そういう問題じゃな……ひん」
「あー、星埜、ここもうこんなにして……可愛い」
もみっと揉みしだいたのは、俺の下半身。
「こっちにはさァ、練乳? っていってたやつかけようぜ。残ってただろ?」
「食べ物でっ、遊ぶなよって! ずらすな、バカ。やだぞ、そんなの!」
と、俺は抵抗するも、朔蒔が俺の下着を一気に下ろすもんだから、恥ずかしい格好にさせられる。ほぼ来ていないに等しい。朔蒔は、俺の両足を持ち上げながら、楽しげに俺を見下ろす。
朔蒔が俺に何かする度に、シロップがぴちゃり、と音を立てる。そして、ねとぉっと糸を引いて、朔蒔の舌と俺の身体を繋ぐ。
朔蒔はおもむろに、机の上から練乳を掴んで、キャップを外し、力一杯絞った。ぶちゅぶちゅっと嫌な音を立てて、練乳が俺の下半身にぶちまけられる。
「ちょ、うそ、おま、ほんとにっ!」
「うわ、星埜のちんこ白いのかかって、美味そう」
「ばかだろ、おまっ! あぁあん!」
ぺろっと舐められて、そのままパクりとくわえられた。朔蒔は、俺に見せつけるように、舌を器用に動かし、先端の敏感な部分を弄ってくる。
いつもより激しいフェラチオに、腰を動かせば、朔蒔がニヤリと笑って、更に激しく吸い上げてくる。じゅぼっ、じゅぽっという音が部屋に響いて、聴覚からも犯されているような感覚に陥る。
「やだ、だめぇ、それ……あ、あ、あああぁっ!」
ビクビクッと痙攣しながら、俺は呆気なく達してしまった。朔蒔は、ゴクンッとそれを飲み込み、べぇ、と舌を出して見せた。卑猥、そして、散々シロップをなめまくったせいで、舌が馬鹿みたいに変色していた。赤も、黄色も、緑もごちゃ混ぜで。所々色が残っていたが、それはもうグロテスクな黒だった。そして、俺の残った精液か、シロップか分からないものが糸を引いている。
「さいっ、あく!」
「まァ、まァ。すっげェ、甘かったし。お腹いっぱいだけど、星埜は満足してないよな?」
なんて、ニタリと笑えば、朔蒔は自身のをズボンから出して、数回擦る。既に大きくなっているそれに、俺の顔から血の気が引く。
「お前の、発想、マジで意味分からないって! すりつけるな!」
「え? でも、欲しいってひくついてんの」
「してない! お腹いっぱい、入りません!」
と、俺は口ではってみるが、朔蒔は「遠慮するなって」って遠慮も何もないこと言って、そのままぐぐっと押し進めてきた。
「んあ……あっ、あっ、あ……!」
「ほら、欲しかったんだろ? ちゃんと全部食えって。美味しいモン食べさせてくれたお礼た~っぷりするからなァ♥」
「やだ、やだ……あ、あっ、んんぅ」
朔蒔は俺の身体を反転させて、後ろからの体勢に変えてきた。
これだと顔が見えなくて怖いが、代わりに朔蒔のが奥まで入ってきて、気持ちいい所に当たる。朔蒔は、俺の腰を掴みながら、何度も打ち付けてきた。その度に、パンッ、パチンッと肌と肌が激しくぶつかり合う。
「ははっ、星埜のお尻、赤くなっちゃった」
「誰のせ……いっ! やっ! そこっ! ひっ! ああぁっ!」
朔蒔が、ぐりっと中を掻き回すようにして動くと、俺の身体はびくんっと跳ね上がる。その反応が気に入ったのか、朔蒔は執拗に同じ場所を攻め立てる。
「やめっ! むりぃ! イった! イッてるって! ああぁ! またイクッ! やぁ、ダメだって、おかしくなるっ!」
「大丈夫、星埜なら、何回でもイケるって。てか、俺まだだから付き合って」
「無理っ! あぁっ! ああぁぁぁっ!」
貪られるような、獣のセックス。
こんなの、交尾みたいだな、なんてぼんやり思いつつ、腹の中で熱が広がるのを感じた。
ようやく解放された頃には、もう日が落ちていて。俺はもう疲れ果てていた。床に散らばるシロップと、べたつく俺の身体を見て、ため息をつく。
「美味しかった、ごちそーさま♥ 星埜♥」
「くそ……最悪……片付けるの、手伝え」
了解、了解♥ なんて、語尾弾ませながらいうものだから、俺は、朔蒔を力の入らない身体で、一発殴った。
この夏は、かき氷食べられないな、と、自分にまとわりつく甘ったるい匂いに、鼻を曲げ、俺はべたつく身体を起こして、朔蒔を睨み付けた。