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「あ、」
田中先輩だ。
「あ、彩歌…」
お互い気まずい空気になり、沈黙が続く。北斗くんも、「俺、ここにいていいの?」という表情で少し困惑していた。
「あ、この前は悪かった。急にあんな態度して」
「いや、私こそごめんなさい。あんなこと聞いてしまって」
「あー…悪いな、感動の再会みたいなシチュエーション中に。俺、ここにいていいのか?あと、お前田中だな?2年の」
「あ、はい。そうです。ってほっくん先生じゃないっすか」
「ほ、ほっくん先生…?」
「なんでか知らないが田中に好かれてんだよ。俺田中のクラス持ってないのに」
北斗くん、先生モードだ。表情が死んでいる…
「ほっくん先生、いい先生じゃないっすか。無愛想だけどちゃんと授業はわかりやすいって評判すよ。俺もほっくん先生に教わりたいっす」
無愛想、その言葉に反応したのだろうか。北斗くんの眉がピクっと動く。
「俺、そんな無愛想か?」
「めっちゃ無愛想だよ。私のクラスでもそうじゃん。初めて北斗くんが教壇にたった日、だれ?って思ったもん」
「そうだったのか…」
「ほっくん先生、もしかして無意識?笑」
「かもしれないな。じゃあ俺らはそろそろ行くか。」
「彩歌、明日お前のクラス行くわ」
「えっ、あ、はい!」
田中先輩に別れを告げ席を立ち、帰路に着いた。
「あんなに忠告したのに〜。何田中先輩と仲良くなっちゃってんのさ」
翌日の昼休み、復活した梨奈に前日あった出来事を話す。梨奈は少し呆れている様子だ。
「それで、今日田中先輩がうちのクラスに来るって」
「え、まじ?そこまで仲良くなったの?!」
「仲良い…ってわけじゃないけど」
その時、クラスメイトに「田中先輩が来てる」と呼ばれた。
「悪い、飯食ってる途中だった?」
「あ、いや食べ終わってました」
「なら良かった。ちょい人気ないとこ行ける?ここだとでかい声で話せる内容じゃねえから」
「あー、わかりました」
田中先輩について行き、人気のない中庭のベンチに腰掛けた。
「で、話なんだけど」
「はい」
「彩歌ってほっくん先生と付き合ってんの?」
「は…?」
「聞いちゃダメだった?」
「あ、いや。付き合ってないですよ」
「あー、そうなの?なんだ、昨日デートだったわけじゃねんだ」
「デートだなんてまさか笑」
「良かったー、俺まじびっくりしたかんな?昨日カフェ行ったら彩歌とほっくん先生が仲良くしてて」
「あれは別にやましい関係とかじゃないです」
「そんな風には思ってねーよ笑 でもどういう関係なのかは気になる」
確かにそうだよな…普通教師と生徒の2人っきりでカフェなんて行かないもんね。
「私の兄の同級生なんです。ほk…松村先生は。それで割と幼い頃から仲良くて。昨日も松村先生の無駄話に付き合ったお礼をしてもらってただけで」
「へぇ、じゃあ俺にもチャンスはあるってことでいーの ?」