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前回同様

mtp、軽く死ネタ注意⚠️





夜も更けてきた時。


僕のありったけのお金をつめた財布と、台所からとってきたナイフ、携帯、ゲーム機をリュックにつめた。

そして若井とお揃いで買った、ギターのキーホルダーをリュックにつけて。

いらないものは全部…

「…壊していこう。」

あの写真も、この日記も、曲の制作ノートだって。今となっちゃ、いらないから。



「もう夜の2時だ…」

僕はそっと家を出てきた。まぁ、僕がいなくなってもあの人たちは大した心配なんかしないだろうけど。

家族なんてね、そんなもんだよ。若井以外、僕のSOSに気付いてもくれなかったから。



もう公園にはリュックを背負った若井がいた。

「元貴…がついてくる必要はないんだよ、元貴は何もしてないじゃん。」


「何言ってんの?」

「お前と僕…」

「人殺しと、ダメ人間の旅だよ。」



「…!」





そして僕達は逃げ出したんだ。

この狭い狭い、こんな世界から。

この反吐が出るほど壊れて歪んでいる世界から。

家族もクラスの奴らも、何もかも全部捨てて君と2人きりで。


「遠い、遠い、誰もいない場所で2人で死のうよ。」


もうこんな世界に価値なんかはないから。

君が…僕らがが苦しむ世界なんかに。


「人殺しなんて、そこらじゅうに湧いてるじゃんか。」


直接殺しただけじゃない。ネット上での誹謗中傷が理由で自殺なんて、数えきれないほどあるんだ。

何気なくネットに書き込んだ言葉で、自分の指先で飛ばしたメッセージは時にナイフの様な凶器にもなりえる。たとえ殺してなくとも、心の傷は生きている限りずっと残り続ける事もあるから。

そいつらが傷つけていたり、殺したりしてるようなもんだ。なのに捕まえられることはない。

何も…悪くない若井は追われるのに。

そんなの、可笑しい。

きっと、僕もどこかで誰かを殺してるんだろうな。


だからさ、



「お前は何も悪くないよ。

若井は、何も悪くないから。」






今回はここまでです。だんだん物語の核心に迫ってきていますね。この後2人はどうなっていくのでしょうか。

是非、幼い青年達の逃避行の旅を見届けてください。


【追記】

基本的には全て大森さんの視点です。

2人は中学生(3年の夏)をイメージしてお話しを書いてます。


いいね嬉しいです!ありがとうございます!



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コメント

8

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所々 歌詞 が 入っていて 、 それが マッチ していて やばい かっこいいです ! なんか … もう ほんと 。 (( 語彙力皆無 ))

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