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遊園地のお化け屋敷の前で、赤葦京治は落ち着いた表情のまま、🌸を見つめた。


「そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫ですよ。

 僕がいますから、安心してください」


いつも通り穏やかで誠実な声。

頼りになる彼の態度に、🌸は自然と笑顔になる。


しかし——

赤葦の指先だけが、わずかに緊張していることを

彼女は気づかなかった。


そして中に入り、扉が静かに閉まった瞬間。


──ドンッ!


唐突に鳴った衝撃音に、

赤葦の肩がピクッと跳ねた。


「……っ、思ったより……音が大きいですね」


冷静を保とうとしているが、

声の端が少し震えている。


(けいちゃん……もしかして怖いの苦手……?)


進むと、薄暗い通路から人影がふっと横切った。


「……っ!」


赤葦は反射的に🌸の手首を掴んだ。

普段より握る力が強い。


「すみません……ちょっと驚きました。

 あなたは、大丈夫ですか?」


自分が怖いのに、まず彼女を気遣う。

そこが赤葦らしかった。


しかしその直後、

頭上から布がサッと落ちてくると——


「……!?」


赤葦は完全に動きを止め、

無言のまま🌸の背中にそっと隠れる。


「……ごめんなさい。

 少し、あなたの後ろの方が安心できるみたいです」


(かわいい……)


普段冷静なのに、こういう時だけ子どもみたいになるのが

彼のギャップだった。


暗闇を進む間、

赤葦はずっと彼女の服の裾をつまみながら歩く。


「けいちゃん、離れちゃう?」

「離れません。……離れたら僕が困るので」


弱い本音をさらりと漏らす赤葦に、

🌸の胸がきゅっと温かくなる。


ようやく出口の光が見えると、

赤葦は深呼吸して姿勢を整えた。


そして外に出ると、

さっきまでの怯えた姿が嘘のように、

いつもの冷静な表情に戻る。


「ふぅ……お疲れさま。

 ……さっきのことは忘れてくれると嬉しいです」


恥ずかしそうに視線を外す赤葦。

でも次の瞬間、ふっと優しく微笑む。


「あなたが隣にいてくれたから、頑張れました。

 ありがとう。……本当に、頼りになりますね」


そう言って、

彼は自然に🌸の頭を優しく撫でた。


「この後は、僕がちゃんとエスコートします。

 彼氏ですからね。……手、繋ご。」


さっきまで怖がっていたくせに、

急に余裕を取り戻してくるところが、

まさに赤葦京治だった。


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