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「それって…どんな策なんですか?」「うふふっ。この藤貴紫恩には、あの女が恐れたり、怯えたり、怖気づいたり、たじろいだりするほどの味方がいるのよ!」
恐れたり怯えたり怖気づいたりたじろいだり?
「あの女って、灰亜のことだよね?」「ええ。」「その味方って…どなたなんですか??」
蓮二がキャラに反して超丁寧に聞いた。
「秘密よ~。あの子の権力なら、この学園の統合も取りやめになること間違いなし!それに、責任は全て!私がとるから!だから、ねー?」
藤貴さんは、圧のある目で校長先生を見つめた。
「分かった。最低限の支援はしてあげるけど、具体的な計画はそっちでやってねー。」
校長先生は、上から目線な言葉をのこして校長室を去っていった。
「霧菜学園の文化祭はかなり規模が広いのよ。最終日に全校生徒が体育館で劇やら合唱やら出し物するから、その時間全部頂きましょう。そこで画良歩瑠学園の魅力とかを紹介して、なんとかあの女に統合を取りやめさせられないかしらね…?」
主のいない校長室のローテーブルとソファを借りて、一旦3人で作戦会議()をした。
「あれ、藤貴さんの知り合いは?かなりビッグな方なんですよね?えーっと…恐れたり怯えたり怖気づいたりたじろいだりするほどの!」「うふふっ、よく覚えてるわねぇ〜。そのビッグスターは最後のとっておきにしたいの。」「魅力っていっても……」「まーそれぞれの部活からの出し物とか?」「なるほど。でも、全校生徒をどうやって味方につけますか?生徒全員が統合に大きく批判しているとは考えにくいです。」
私が思ったことを言うと、不意をつかれたように藤貴さんは顔をしかめる。
「そうねぇ…そこなのよねぇ…とりあえず放送とかする?」「何いってんだあいつとか思われそうですね。」「とりあえず私と蓮二のクラスから聞いてみますか?計画に参加してくれそうな生徒を探せば。」「いいなそれ。」
蓮二が同意する。藤貴さんもこくりとうなずいて、こう告げた。
「いいわね。もうすぐ予令がなるから、2人は教室へ戻った方がいいわ。」
そう促され、私と蓮二は、ソファから立ち上がった。
校長室を去る前に見たのは、ウキウキな顔の藤貴さんだった。
蓮二は教室のドアをがらりと開けると、全員の視線を集めた。そして教壇の前に仁王立ちして、ズバリと言った。
「霧菜学園の文化祭乗っ取ろうぜ。」
あーもう蓮二ったら!
クラスメイトは、全員目を見開いたり、ぽかりと口を大きく開けたり、そりゃあ当然のリアクション。
「じゃ、望雲説明よろしく。」「ちょっと!!!!」
ひらりと手を降って教壇を降り、教室の真ん中を歩いて席に戻った蓮二。後で何かしらのお仕置きをしてあげよう。
「橙ってやべー事考えてんな。」「霧菜学園って、統合先の?」「橙君らしい考えだね。びっくりだよ。」「まさか桃野も蓮二に同意してんのか?」
クラス中に私の事を含めるどよめきの声がわきあがる。先生がいないのが不幸中の幸いだよ!ほんとに!
「えー待って待ってぇ。」
鼻につく声でゆうゆうと手をあげたクラスメイトがいた。
「橙君ならあり得るけどさぁ、あんな大人しい桃野ちゃんまで乗っ取るなんて非現実的なこと言うわけ?さすがにヤバいって〜。」
ウザったらしい言い方をしてくる。
その発言に味方するコソコソな声もわいてくる。
さすがにいらっと来た。
「だまれ。」
ぼそっと低い声を出した。
あの時の…
姉さんが死んだ時の怒りがよみがえってくる気がした。
「大人しい私だから何なの?1回全部説明するから黙って聞け。」