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#めめこじ
雫
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水瀬菜音
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もうそろそろちゃんと振られようって。前に進む為にも区切りはつけなくちゃって思って、意を決して聞いてみた。
俺が海外に渡る前は好きだったって、そう言ってもらえただけで十分だから。
「同情とかはいらないから、ちゃんと本当のこと教えて? …今は、俺のことどう思ってますか…?」
思い切ってそう聞いた俺に、佐久間くんは戸惑いながら答えてくれた。
「えっと…好き、だよ?」
えっ、好き? 俺のことだよね??
「…俺は今でも蓮が好き。蓮がそうじゃなくなっても、俺はずっと好きなままだよ」
「俺が佐久間くんを好きじゃなくなるなんて、そんなの有り得ないから…! 俺だってずっと、ずっと佐久間くんが好きで、向こうにいる間も会いたくて仕方なくて…っ」
お互いに必死にそう言い合った後で、まさかと思った。
多分、佐久間くんも同じこと考えてたと思う。
勘違いですれ違って、お互いに失恋したって泣いてたの? 何それ、コメディ過ぎない??
同時に目を逸らして状況を何とか呑み込んで、同じタイミングで吹き出した。
「ふっ、はは…っ」
「…ははっ、嘘みてぇ…っ」
肩を震わせてひとしきり笑ってから、改めて佐久間くんに向き直る。佐久間くんも笑って溢れてきた涙を指先で拭ってから顔を上げた。
「何で佐久間くん、俺に失恋したなんて思ったの」
「蓮こそ。何でそんな勘違いしたんだよ」
「俺は、気付いたら佐久間くんが離れてて。俺が佐久間くんと向き合うのを避けてたから、愛想尽かされたんだなって思って…」
「愛想なんて尽かしてないからな?!」
「うん、そうみたいで良かった…。佐久間くんは? どうして??」
「俺は蓮に避けられてたから…これだけ離れてたし、もう俺への気持ちなんて無くなっちゃったかなって…」
「…結局、俺が避けてたのが原因じゃん…」
情けなくてため息も出ない。向き合うのが怖くて避けてた結果、佐久間くんが勘違いしたんだから。完全に俺の自業自得だ。
振り回した佐久間くんにも申し訳ない。
「ごめん、佐久間くん…今ここで愛想尽かされても仕方ないくらいだ…」
「だから、そんなことしないってば! 俺、本当に蓮のこと好きなんだからな!!」
こんな事態になっても佐久間くんは俺を好きだって言ってくれる。
申し訳なくて、でもやっぱり嬉しくて。
握ったままだった佐久間くんの手に、もう一度頬をすり寄せた。
ほんのり頬をピンクに染めて俺を見上げる佐久間くんが、とてつもなく可愛い。
「で、でもさ…何で俺のこと避けてたのかは教えて欲しい。俺、何かしちゃったか?」
「違う、佐久間くんのせいじゃないんだ。ただ俺が臆病だっただけで…」
「どういうこと?」
「あの…俺がいない間に、佐久間くんがすごく綺麗になってたから。俺が知らない理由があるのかもって、怖くて聞けなかった…」
「へ…?」
言葉にすると更に情けなくて少し俯き加減で伝えると、佐久間くんが裏返った声を上げた。握ってる手の指先まで強張ったのが分かって、ちらっと視線を向ける。
そこに居たのは、更に赤くなって口をぱくぱくさせてる佐久間くん。
え、何その可愛い反応。
思わず顔を上げて、真正面から見つめる。
「き、綺麗って何だよ。別に俺、何にもしてないし…」
「えっ、こんな美人になっておいて何にもなかったの?」
ついつい本音をぽろっと声に出してしまう。
それを聞いた佐久間くんは首まで真っ赤になって、完全に沈黙してしまった。
もういっそ、湯気でも出そうな勢いだ。
「…やっぱり、ちゃんと好きって言ってから行けば良かった。伝えてから行こうか、最後まで迷って。でも俺の気持ちで縛り付けたくなかったから…」
こんなに綺麗で可愛い人を自分のものにせずに、よく海外になんて行けたな、あの時の俺。
誰にも取られなかったのは、間違いなく奇跡だ。
そのことに感謝していると、赤い顔をしたままの佐久間くんがぼそぼそと呟く。
「言ってくれて、良かったのに。伝えて、俺のこと縛って欲しかった…」
「…佐久間くん、俺の心臓止める気? 何でそんな可愛いことばっかり言うの…」
「な、何がだよ! 何でだよ!!」
コメント
3件
最初から両思いなんですよね🤭ちゃんと分かって良かったです🖤💗安心しました
わあ、もう両思いだったんですね…!お互いに「好きじゃなくなったかも」って思い込んでたのが切なくて、でもその後の「好きだよ」の応酬で一気に心が温かくなりました。特に佐久間くんの「縛って欲しかった」が胸に刺さる…可愛すぎます。すれ違いが解けて本当に良かった😭