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お元気ですか? 更新いつでもまっていますね。 宜しくお願いします🙃
1文字目は、しゃです!
ストーリーがあるから面白いです。リクエストNG承知で、もし機会があったらジミナの初めての♡♡♡のことものせて欲しいです。
テヒョンside
「ジミナ〜調子どう?」
いつものように病室に行くと、ジミナはベッドの上で泣き腫らした顔をして、ぐったりしてた。
よく見ると、布団から出たジミナの小さな右手には包帯がぐるぐる巻かれて、そこから点滴の管が伸びている。
いつもは腕に刺している点滴が、手の甲に刺されていることにびっくりして、僕はきいた。
「ジミナ…点滴!!どしたの?なんでそんなところから!?」
「うん…今日ね、ジン先生お休みで…なのに点滴の針が外れちゃってね、研修医の先生に刺してもらうことになっちゃって…。」
「まじ…!?」
「で、やっぱり上手くいかなくて、10回ぐらいも刺し直しになって…。何回やっても上手くいかないから、結局、手の甲に刺すってなって(泣)」
ジミナの腕は血管が細くて針が入り辛い上に、常に点滴をしているから針を刺しやすい場所がなくなってきてしまって。
針を挿れるのはとても難しいから、熟練しているジン先生が毎回必ずやってくれていたんだけど。
今日はジン先生がお休みな上に、きっと人手が足りなかったんだな…。
「ごめんねぇ。痛くしないから、ちょっとだけ見せてね。」
ジミナの右腕をそっと取って、見る。
腕の内側も、点滴に失敗した跡で、あざだらけ。痛々しくて、見てられないぐらい…。
「ジミナ〜これは痛かったよね…。」
僕はショックで、ジミナの腕のあざをそっと撫でた。
注射が大の苦手なジミナが、こんなに沢山、何回も何回も針を刺されるなんて、どんなに怖かっただろう。それで結局、手の甲に点滴の針を挿れるなんて…。
注射跡だってすごく気にして、外出する時には必ず長袖を着て隠してるのに、1日でこんなに増えちゃうなんて。
「すっごく痛かったよぉ(泣)頑張ったんだけど、途中で涙出てきちゃって…ジン先生もテヒョンもいなくて、心細かったぁ…。」
「そかそっか。それは可哀想だったねぇ。そばにいてあげられなくて、ごめんね。僕がいたら何か言えたかもしれないのに…。」
「仕方ないよ…。」
「ねぇ、手の甲の針刺さってるとこ、今は痛くないの?」
「うーん。地味にずっと痛いよぉ…なんかじんじんするし。」
「そっかぁ…。」
「でももう、刺し直しは絶対嫌!先生に、言わないでよ?」
「うん〜分かったけど…。」
「色々手間取ったから点滴入れるの遅れちゃって、今日はまだまだ終わらないんだって…。」
「点滴つけたままでも、お散歩行けるよ?行く?」
「いや、いい…。なんか疲れちゃったし、動くと手も痛いし…今日はもう、休んどく。」
「そかそっか。身体もしんどいの?」
「うん…ちょっとだるくて。泣いたから頭も痛くなってきちゃった。テヒョンせっかく来てくれたのに、ごめんね…。」
「大丈夫だよ。痛み止めのお薬もらおっか?」
「いらない、我慢できる…。今日ジン先生いないから、他の先生の診察は嫌だし。」
「そう?無理はダメだよ。本当に辛かったら我慢しないで言ってよ?」
「わかってるってばぁ(泣)」
「じゃあさ、トントンしてあげるから、寝てな〜。」
僕は、青白い顔をしたジミナの首元まで布団を掛け直し、布団の上からトントンした。
「ありがと。テヒョンが来たら、身体が少し楽になったみたい。ずっと1人で心細かったんだ。僕、ずっと待ってたんだよ…。」
「わかったわかった。…ねぇ身体しんどいんだから、もう喋んなくていいよ。大人しくしてて?」
「うん…。」
「安心して、寝なね。ずっとずっと、そばにいるからね。」
僕がトントンを続けていると…
ジミナはすぐにすうすうとかわいい寝息を立て始めた。
しばらくして…
突然病室のドアが勢いよく開き、ジン先生が息を切らして入ってきた。
見るといつもの白衣ではなくて、ポロシャツにチノパンの私服姿。
「ジミナー!!大丈夫!?」
「先生、シーーッ…ジミナ、寝てる。」
ジン先生は慌てて声を小さくして言った。
「テヒョン!ジミナ点滴の針入れ直したんだって?さっき病院に電話したらそう聞いて、びっくりして飛んできた!」
「うん。これ見て〜。…てゆうか先生、お休みなのに来ちゃったの?」
僕は、すやすや寝ているジミナの、点滴につながれた右手をそっと取って、ジン先生に見せた。
「わ、手の甲に刺したんだ…これは痛いよぉ。ジミナの血管細いんだから、この場所は無理あるよな(汗)」
「あぁやっぱそうだよね?ジミナが手の甲に点滴の針挿れてるの初めて見たから、僕もびっくりして…。」
「ごめんなぁ。先生がいなかったばっかりに…。」
ジン先生は、ジミナの腕の内側の沢山の注射跡を見て、ショックを受けたみたいだった。
「あぁこんなに刺し直して(汗)研修医にジミナの点滴の針刺すのは無理だよ〜本当にごめん。」
その時、ジミナが薄っすらと目を開けた。
「ふぁ〜〜。あれ?ジン先生…何でいるの?」
「ジン先生ね、ジミナの点滴が気になってわざわざ来てくれたんだって。」
「ジミナ、本当にごめんなぁ。手の甲、痛いでしょ?すぐ腕に刺し直してあげるからね。処置道具持って来るからちょっと待ってて。」
ジン先生はそう言うと、病室を出て行ってしまった。
「え!どういうこと?ねぇテヒョンが言ったの?刺し直しは嫌だから言わないでって言ったじゃん!いやいやぁ(泣)」
寝起きのジミナは混乱していて、泣き出してしまった。
「ジミナ〜僕何も言ってないよ?ジン先生、心配してお休みなのに来てくれたんだよ。手の甲、痛いんでしょう?ジン先生ならきっと上手に腕に刺してくれるからさ…がんばろ?」
「うわーーん。あんなに…痛い思いしたのにぃ(泣)」
ジン先生はすぐに、点滴針を載せたトレーを持って戻って来た。
そしてジミナのベッド脇にしゃがむと、泣いてるジミナの目を見て、手を握って話しかけた。
「ジミナ、本当に申し訳ないんだけれど、あと1回だけ刺し直させて。必ず1回で成功させるから。」
「ヒック…ヒック…こ、これで痛いの最後なら…が、がんばるけど……(泣)」
「ありがとう。じゃあ、腕を見せてもらうよ〜。右腕にこれ以上刺すのはかわいそうだなぁ。左腕見せてみ?」
ジン先生はジミナの左腕を優しくとると、丁寧に血管の様子を探っていた。
その間も、左手を取られたジミナはやっぱり泣きじゃくってる。
「よし、ここなら刺せそうだな。」
「ジミナは目つぶってな〜。すぐ終わるよ。大丈夫大丈夫。」
僕は、ジミナが針を見ないように頭を抱えてギューッと抱きしめた。
「ごめんねーチクッとするよ〜。」
「う…」
「はい上手く入ったよ!あとはテープで固定するだけだよ〜。」
「ジミナ終わったって。良かったねぇ。」
「う、うん…そんなに、痛くなかった…みたい…。」
手の甲の針を抜いて点滴を付け替えてもらうと、ジミナはホッとしたみたいで…
ニコニコして先生にお礼を言っていた。
「ジン先生〜お休みの日なのに来てくれてありがとう。ジン先生の私服、初めて見た〜。カッコいいね!」
「そうだろ〜何たって俺は、WWHだからな!」
その後ジン先生は、せっかく休みの日に来たんだからと売店でトランプを買って来て、点滴が終わるまでの間、僕たちと遊んでくれたんだ。
手が使えないジミナでもできるようにと、僕たちは3人で神経衰弱をやった。
ジミナは右から3番目とか、上から2番目とか口で言って、めくるのは僕とジン先生が代わりにやってあげて。
ジン先生が「手加減は無しだぞ」と言って真剣だったからゲームは白熱して、ジミナもキャアキャア言って喜んだり悔しがったり、すっごく楽しそうだった。
僕は、休み返上でジミナの所に来てくれたジン先生の優しさが、本当に本当に、有難かった。