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現パロ
腐姫夢は意図しておりません。
年越し寸前に喧嘩した五人をどうにかしようとする紫と恋人がいると勘違いする赤の話。
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かつてこんなことがあっただろうか。
腑に落ちない水色は左下を向き、群青色は伏せがちに何処かをみている。不機嫌そうな黄緑色は目を逸らして、呆れたような、困っているような青色は忙しなく動いている。黄色は怒りが滲み出ていて、思考の海に潜ったようだった。
ピリピリし過ぎていて皮膚が痛く感じる。
居心地の悪そうな、気まずそうな紫色は全員の顔を見て思わず溜息が出そうになった。
しかし、この現状をなんとかしようにも生憎俺には何故こうなったのかがわからない。でも、今ここで声をかけてしまえば俺に冷やかな視線が集まるだろう。
なんで年越し前にこんな…。
思わず天を仰いだそのとき、俺のスマホが繰り返し鳴る。
画面に映し出された名前は_____
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スマイルが出て行った後、居た堪れなさが限界を迎えた。
「ちょっと、僕トイレ行ってくる」
落ち着こうと、トイレへ向かった。廊下へ出ると、スマイルの声が聞こえた。深い理由はなかったけど、なんとなく話し声を聞いていた。
「……____会いたいです」
え?会いたい?電話の相手は誰なんだろう。まさか恋人?!え?!スマイル恋人いたの?!いや待って想像力が豊か過ぎる僕落ち着け。えでも会いたいとか言う???
ぐるぐる回ってくる思考に埋まりその場に立ち止まっていると、スマイルが目の前にやってきた。
「ぇ、ぶるーく」
「あ。あ、えーとぼくトイレしにきたんだけど、あのやっぱ居た堪れなくなったというか」
「え、うん。あのさ、何があったの?」
先程の会話を聞かれたとか考えないのか、きょとんとした顔で聞いてくるスマイル。別の部屋に移って話すことにした。
「なるほど…」
疲れたような、呆れたようなそんな顔を浮かべるスマイル。気まずい雰囲気になっている理由は、本当に些細なことだった。最初はなかむとシャークんの喧嘩。仲裁に入ったきりやんときんとき。そしてあわあわとどうすることもできなかった僕。それから段々とヒートアップした結果がこれ。話すまでも無いような話。
「はぁ…」
とうとう溜息をついた彼。
「じゃあ、ちょっと行くわ」
「え」
こんな中で僕を置いて何処か行くのか。嘘だろと思ったが、もしかしたらこんなくだらない話に付き合うなら今すぐ会いたい恋人のもとへ行くと言うことではないのか。そう考えたら、引き止められなかった。
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ぶるーくが戻って、スマイルが出て行った数分。カッとなり血が昇っていた頭も、段々と冷めていた。俺がシャークんに文句を言って、言い合いがヒートアップした。この雰囲気を作り上げたのは紛れもなく俺だ。このままじゃ引けなくなると感じた。それに、何も知らないスマイルにも口を開かなかった自分の幼稚な行動を思い返して、嫌になった。
深呼吸をして、口を開いた。
「あの…シャークん、ごめん。それに、みんなも仲裁してくれたのに言いがかりつけて怒ってごめん」
俺が謝罪してからは早かった。シャークんも「意地張ってごめん」といって和解できた。
あとは…
「スマイル…」
年越しまであと、40分。