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それから菅原さんは1時間ほどで帰って行った。
俺はずっと考えていた。
やはり、1番の相棒である影山には言った方が良かったのか。
「あ〜!!わかんねぇ!もう考えるのはやめよ」
そう言って布団を頭からかぶった。
瞬間、ガラガラと扉の開く音がした。
まだ夕食の時間でもないし、誰か来たのか?そんなふうに思っていたら、そいつは話し始めた。
『おい日向』
「影山!?」
布団を剥いだ先には、先程まで俺の悩みの対象だった影山がいた。
『お前、、バレーできなくなったんだってな』
「、、おう」
俺は小さくつぶやいた。
『いつその事を知ったんだ?』
「えっと、、影山が来た前の日だから、、一昨日?」
そう答えると、影山は一気に暗い顔をして『そうか、、』と言った。
それからしばらく無言が続いた。
何を話そうかと迷っていると、影山が口を開いた。
『俺、、お前がそんなこと聞かされてたと知らなかったとはいえ、、見返してやろうだなんて』
「あれれ〜?いつもの王様の影山くんはどこいっちゃったのかな〜?」
俺は影山の言葉を遮って、出来るだけ明るく言った。
『あ”?』
影山は下から睨みつけるように俺を見たが、ひさしぶりにいつもの影山を見た気がした。
それでも影山はハッとした顔になり、俯いた。
『俺、ずっとお前に』
そう言いかけなとき、看護師さんに面会終了の時間だと告げられた。
『あぁ、じゃあ俺帰る』
影山は席を立ち出口へ向かった。
扉の前でピタリと立ち止まり、少し振り返って口を動かした。
『お前が辛いときに支えてやらなくてすまなかった』
俺との距離は数メートル程あったが、確かに影山は、そうつぶやいた。