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「シリアルキラーの”愛言葉”」
第1話「はじめまして」
🦍社二次創作(🍌🐷メイン)
注意
BL要素ありません
グロ要素あり
この国では、とある噂が流れている。
それは、
「シリアルキラーが暴れている」
という噂。
どうやら、毎週のように各地の様々な人の命を奪っている、連続殺人犯が居るらしい。
誰も姿を見た事はないし、見た人は多分もうこの世に居られない。そう誰もが思っていた。
そうだな、奴があの台に立つ日までは。
ナイフのグリップを強く握った。
男の手からは、血がどくどくと流れている。
刃を力強く握っているから、仕方がないのかな。
でもやっぱり、なんだか痛そう。
それに、一発で死ねないなんて可哀想。
「お前さぁ、今噂の連続殺人犯さんだよなぁ?こわーい」
ニヤニヤと、なにかをたくらんでいるような笑みを浮かべている。
「…金を出せ」
そう言うと、貴方は苦笑いを浮かべた。
「いやいや、俺のこの家見てわからない?」
「金目のものなんて何一つないし、俺が今日食う食いもんもねえんだ。」
確かに、
屋根はトタンを継ぎ合わせてできていて、壁も適当なレンガを組み合わせているだけ。
隙間風が入ってきて、冬は寒そう。
まるでスラム街の家じゃないか。
「その眼鏡、伊達眼鏡なのか?そうでもなければこんな家をチョイスしないだろ?」
煽るように言われて、何だか無性に苛立ってきた。
「いいから…寄越せよ‼︎」
ナイフを何とか奪還し、天井に向けて振り上げる。
その時だった。
ぐー、っとお腹の音が鳴り、慌ててお腹を抑える。
その場がしん、と静まり、男と目が合った。
男は途端に吹き出して、ケラケラと笑い出した。
「ぷははっ、お前お腹空いてんの?」
「う…うるさいっ‼︎」
すっかり調子が狂ってしまった。
ナイフを部屋の隅に投げつけ、そのままその男の上に倒れ込んだ。
「…お腹空いた…」
もう今なら、死んでしまっても構わない。
此の儘罪を償う為に苦しんで死ぬくらいなら、今すぐ死んだ方がマシだよね。
呻き声を上げていると、貴方は俺を退かすようにして起き上がり、手を洗って止血を始めた。
「なぁ、出来たもん食っていいから飯作ってくれよ」
強く頼まれると、引くに引けない。
食欲に負けてしまい、渋々料理をする事になった。
俺はこいつを殺めようと思っていたのに、
何故こんな事をやる羽目になっているのだろうか。
「お前、名前は?」
熱々の野菜丼をかき込む。
畑で採れたらしい新鮮な野菜は、やっぱり 美味しいな。
熱くて熱くて、少しずつ眼鏡が曇る。
「おんりー。そっちは?」
「俺はおおはらmen。」
men。へぇ、覚えやすいな。
これから何処で生活しよう。
少し前に住んでいたアパートは、家賃が払えなくて追い出されてしまった。
「おんりー、住むところないのか?」
「家、ないよ。お金がなくてさ。」
「まぁ、住むところないけど、寝られそうな所で寝るからいいよ。」
そう返すと、menは咳払いした。
「俺の家で匿ってやろうか?」
助けて貰わなくても、生きていけるんだけどな…
「いいよ、別に此処で住まなくても…」
「おんりー、俺に存在知られたって事は、今ここで大人しくしなければ…」
「俺ぇ、警察に突き出そうかなぁ…?」
ニヤニヤとしてそう言われる。
くそ、弱みを握られたな。
「あーもう‼︎わかった、わかったからぁっ‼︎ お願いします、匿ってください…」
そう言うと貴方は、ガハハ、と大きく笑った。
「いいよ、別にそんなぺこぺこしなくても匿うからさ。」
ひょんな事から、このボロ家で謎の男に匿ってもらう生活が始まった。
夢を見た。幼い頃の夢。
「どーげーざ‼︎どーげーざ‼︎」
土下座させられて、頭を足で踏まれたっけ。
あの頃の惨めな俺を、俺は忘れられない。
次回 第2話「こんにちは」
コメント
2件
想像の倍素敵な作品できてて幸せです...... なんか2人のいいところが思う存分詰め込まれてますね、!w
こんな早く浅間さんの新作が見れて幸せです!展開が気になります!応援します!