テラーノベル
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※人の死について扱っています。苦手な方は閲覧をお控えください。
クラスメイトが死んだ。享年17歳。
クラスメイトではあるが、私は彼の顔を知らない。
彼は進級してから一度も教室に顔を出したことがないのだ。
どんな事情があったのかは知らないけど。
彼の名前を見るたび、どんな姿をしているのだろうと想像を膨らませていた。
髪は長いのか、短いのか。
背は高いのか、低いのか。
優しい顔をしているのか、怖い顔をしているのか。
その答えを知らぬまま会えなくなってしまったのは、少し、悔しい。
担任は泣いていた。
泣きながら私たちに彼のことを伝えた。
泣いていたのは担任だけ。
だって、私たちは彼のことを知らないのだから。
顔も知らないクラスメイトの死を想って泣くことはできない。
そんなことよりも、大好きな担任の涙を見ることのほうが辛かった。
先生の泣き顔を見るのは卒業式だけがよかった、なんて思ってしまう私は悪い人間だろうか。
亡くなったのが他のクラスメイトならもう少し盛り上がったのに。
そうしたらちゃんと泣けて、思い出も振り返れて、その人の死を悼めただろう。
「あいつの分までこれから頑張ろう!」とか、ありきたりなイベントも起こったはず。
そんなことを思った木曜日のホームルーム。
顔も知らない人が死んだ。
ただそれだけ。
コメント
7件
なんか…命って……軽いなぁって……… 確かに顔も知らんクラスメートが亡くなっても、特に悲しいとは思わないよなあ…… また同じような日常が続くだけだもんなあ……… 複雑な感情になりました
それだけって済ましてるところがねぇ…もう、それなんよ
なんかすごい、そう来たか!って感じだ すごく複雑な気分になった ほんとに