💙side
阿部の家に着くと、部屋の灯りが、間接照明しかついてなくて、おまけに静かだった。
怖い。
そもそもお化け屋敷とかが大の苦手の俺には、阿部が怒っているだろうことも相俟って、生きた心地がしなかった。
💙あべ〜…ただいまぁ〜……
返事がない。
周りもよく見えない。
ええと…電気のスイッチは。
💚翔太
💙ぎゃあっっ!!!!!
気がつくと阿部が真横にいて、耳に息を吹きかけてきた。
💙ひゃうっ!!!
腰を抜かしかけて、阿部に支えられる。
💚遅かったね……
💙ごごごめんなさい!康二とは何もないんです!!!
💚俺まだ何も聞いてないよ?
阿部の俺の腰に回した手が、いやらしく俺の腹から、胸へと伸びてきた。
💙す、するの?
💚お仕置き。当然でしょ
💙浮気とかじゃないって!
💚ふーん?
阿部は俺の乳首を摘みながら、うなじのあたりを舐めている。
触るか触らないかのような微妙なソフトさで、焦ったいような、こそばゆいような、切ない愛撫が始まる。
💙ねぇ、話……聞いてって……
💚康二とキスでもして来たの?
💙キスしたのはお前だろ…っ。あっ!はぁっ…
阿部の吐息が耳にかかる。
阿部のまさぐる手が、俺のズボンにかかった。
そこはもう既に期待で怒張していて、俺はいつのまにこんなにいやらしくなってしまったのだろうと自分で自分が恥ずかしかった。
💚どうしようかなあ。触ってあげるの、やめようかなあ
阿部の手が、腰のあたりをさわさわしているのに、一向に俺のものには触れてくれない。
もう片方の手は、ずっと左の乳首を可愛がっていて、俺は切なさに顔を歪めた。
💙ねぇ、阿部ぇ……
💚名前で呼べよ
いきなりイケボで命令されたもんだから、俺はどきっとした。
耳が熱い。
かちり。
阿部のスイッチが切り替わったのがわかった。
💙亮平、あの……
💚翔太、康二と俺とどっちがいいか、わからせてやるよ
💙んっ……っ!はあ、はあ、はあ…っ
俺はそのまま押し倒された。
💚翔太、可愛い、きれい、俺だけの翔太
呪文のような言葉が、次から次へと上から降ってくる。
鼓膜すらも性感帯になったように、全身に阿部の愛が注がれているのがわかった。
俺は理性を握りしめて、何とか耐えようともがいている。
💙りょ……へいっ……ねぇっ…あっ…はぁっ…
💚好き、好き、好き、どうしてわかってくれないの??
💙わか……ってる…からぁっ!!
阿部の愛撫が激しさを増してきた。
強引に俺のものを掴み、引き攣れるほどの強さで扱いている。
俺は痛みと気持ちよさでどうにかなりそうだった。
💙はっ、はっ、はっ
阿部の舌が生き物のように胸を這い、腹を舐め取り、俺のものに至る。
喉の奥に俺を飲み込み、吸う。
じゅるる…
ずぽっ、ずぽっ、ずずずず…
阿部の吸うタイミングに合わせて、腰が持ち上がり、もう俺は我慢が出来なくて叫んだ。
💙で、でる!!!出ちゃうっ!!!
阿部の口の中で破裂したそこは、何度も何度も阿部の口を汚した。
俺が肩で息をしていると、阿部の舌が今度は後ろの孔へとチロチロと侵入し始めた。
💙やだ!風呂入ってからにして…っ!!
ほとんど羞恥プレイだろ、これ。
俺はもう恥ずかしくて、必死で阿部の頭を掴んで止めようとした。
💚ふっ…ふぅ…
💙や!……っまた、前も触ってる
💚翔太、きれい、全部きれい
とうとう指が侵入して来て、指の腹で何度も、気持ちいいところを押された。
腰が自然と動く。
勃ち上がったものが、阿部にまた握られている。
俺はもう欲しくて欲しくてたまらない。
阿部が頭の方に移動して来て、俺の目の前に、緊張し切って収まりきれなくなった逸物を見せた。
頬に押し付け、舐めるように求められる。
💚早く。挿れて欲しいんだろ?
俺は縋るように阿部のものを舐め始めた。
💚あい…っかわらず…へたくそっ……
口ではけなしているが、阿部の目は蕩けていて、唇を結んでいる。
俺はもう必死で、阿部を気持ち良くすることに全身全霊をかけた。
阿部は俺の顔に跨って、腰を振り出した。
苦しい。
苦しいから…っ。
何度も何度も口の中を犯して、阿部はやっと荒い息とともに、たくさんの精を吐き出した。
苦しさに涙が滲む。
俺は阿部にお願いした。
💙ねぇ、挿れてよぉ……
阿部は何も言わずに強引に俺をうつ伏せにし、後ろから突いてきた。
いきなり、最奥へ。
十分解されていて、ローションもいつのまにか塗られていたから、あまり痛くなかった。
それどころか、気持ちよかった。
阿部は無心で腰を振った。
俺も我慢せずに、声を出して喘いだ。
💙いくいくいくいく……ああっ!!
💚ふうっ………っ
阿部のが中で弾けたのがわかった。
俺は精子が出ずに、そのままイッた。
それは人生初の感覚で、俺はイッた後も小刻みに震えていた。
💙康二に亮平のこと相談されたんだ
💚何を?
汗びっしょりでまだ興奮冷めやらぬ阿部に、俺は言った。
💙康二、亮平のことが好きになったんだって
💚…………
💙ねえ?
💚……………
💙何か、言ってよ
不思議な感覚だった。
阿部は絶対的に俺のものなはずなのに、暗闇の中で見る阿部の横顔が急に遠いような気がしたから。
💙亮平ってば
💚はあ
俺は亮平の横顔を息を呑んで見つめている。
こんなに綺麗だった?こいつ…。
いつも可愛いだの、綺麗だの言われるのは俺の役目で、あんまり阿部のことをちゃんと見たことがなかったなと改めて気づく。
俺って、少し調子に乗っていたのかな……。
💚かわいすぎる
💙え?
ぼそ、と阿部が呟いて、唇を吸われた。
熱い舌が入って来て、また頭の芯が痺れるような感覚に襲われる。
永遠に続け、と願うような幸福な時間が、阿部の口が離れて終わった。
💚もう、いっそ俺を殺してほしい
💙き、急に物騒なこと言うなよ
俺が狼狽えていると。
ぎゅーーーーーー。
今度は、力いっぱい抱きしめられた。
💚翔太と出逢えてよかった
💙わけわかんねぇよ、なに?
阿部が耳元で囁いた。
💚好きってことさ
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