テラーノベル
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あらすじ必読
純愛─。
《side🏴☠️》
半年もの長い間、旅をしていた船がついに港へ帰港した。
「ついたぞ〜」
一味達が元気な声をあげ、乗組員に次々と各々の作業に取り掛かる。
帰港するには船の状態やとめておける環境にある気候も確認しないといけない。
基本的に各々の場所を担当し状況を把握・確認するのは一味や乗組員達だが
全体的に見て回ったり不備な点、最終確認は船長の仕事。
私は船体の確認をして一通り見て回った後、船長室へ一旦戻った。
「戻ったよ〜フレアー」
「え!?もう終わったの!?」
「違う違うwみんなまだ作業してるから!w」
「そうだよね〜笑この船大きいんだもん」
「そりゃあ100人以上積んでますし、武器とか食料とかも…」
「そう考えるとこの半年間、すっごく忙しかったな〜…」
「だろ〜海って本当広いし。」
「何回も敵船と戦ったことやら…w」
「まぁ大体は船が接近する前に大砲で負かしましたけど、あの時はヤバかったです…。」
「あ〜西側から3、4隻急接近してきたやつね。」
「多分フレアの爆薬弾矢が無ければ、私の船沈んでたぞ…。」
「ふーたんって弓矢使えたんだな〜?」
「うんwエルフは森にいるんだし、万が一侵入されたらみんな弓矢で対抗する。」
「木の上とか高いところからの奇襲攻撃仕掛けるからさ、それが運良く効いたみたい。」
「ひょえー、いくらハーフエルフといえど、やはりそういうところも強いな。」
「まぁ、海に関してはマリンには敵わないけども!!」
「いやでも、こればかりはフレアを連れてきて正解だった…!」
「あの…!ふと聞きたいことが出てきたんだけど…」
「ん?どうした?」
「なんで私を海の冒険に誘ってくれたの?」
「おう、そうだな〜…やっぱりフレアと冒険デートしたかったのと───」
「冒険デート!?wあとは…?」
「海の世界を見せたかったんだよ。」
「海の世界……確かに、今まで森にずっと引きこもってたし…私自身も、」
「海の世界を一目眺めて見たかったんだよね。」
「ならちょうど良かったじゃん!」
「でも、森も大変だけど…海も大変だよね。」
そう言った瞬間、船長室のベッドで少し間を上げて横に座っていたフレアが
僅かに距離を近づけた。
「そりゃあ海もすごいですよ。」
フレアの言う通り、海は大変な上に危険だ。
突然の嵐に見舞われることもあるだろうし、敵船に囲まれたら迅速に
対応しなきゃいけない、船の様子だって見なきゃいけない。
自分達の船が沈むことだってあり得る可能性。
「でも、そう考えたらマリンって本当に凄いんだなぁ〜ってつくづく思うよ。」
「え?」
「ん?なんかおかしいこと言った?マソソ?」
「いや、マソソじゃねぇけど…wマリンのこと褒めたって何も出てこないぞ〜…?」
「も〜…これ本心から言ってるのにさ、鈍感だよねー…。」
「た、確かに鈍感な気はしてるけど…!!」
「自覚あるんだwほら、船が嵐に囲まれても。敵に襲われても。乗り越えて。」
「私はそんなマリンのそういうところ、強いと思うな〜。」
「ふ、ふれあ…?」
自分でも分かるくらい顔が火照っている気がする。
「ぷっwぷはははっ…w」
「なっ…!なんだよ!?」
「マソソ顔赤すぎ〜wどんだけ照れてるの笑」
「別に良いだろうが!何か悪いか?」
「いや、悪いとは言ってないよwなんか可愛かっただけ!」
「ッ…//可愛いのはお前の方だよ…。」
軽めにフレアをベッドの方に押し倒す。
「え、マリン?」
「なーんてな!“まだ”やらねぇよw」
「うわっ!それはないでしょ!!」
「じゃあ…キスでもする?笑」
「ぅえ…?」
静かにお互いがお互いを見つめ合う。
「マリンっ…口近いよ…//」
燃える橙色の瞳を秒数見つめる。
そして私が目を閉じた瞬間────────。
「船長〜!全部確認し終えましたよー!」
外から私を呼ぶ声が聞こえた。
「っ…びっくりした…。」
「…笑それじゃあ、続きは後で。」
私はフレアにそう言い残して、船長室を後にした。
ちらっとフレアの方を見たが、見つかることなく未遂で安堵したのか
できなかったことに惜しんでいるのかよく分からない表情を浮かべていた。
錨で安定した船の上で。
《side🔥》
あれから2日ほどしただろうか。一昨日のあの後 無事に港町について、
ちょっと良い雰囲気のホテル(察してほ しい)でもうヤられた。
そして昨日は港町とは少し離れた王都にいる、ノエルとぺこらに会って
近況報告とかたっくさん話した。
「え〜マリンとフレアもう港町に戻るん???」
「そうそう、後6時間後に今度は1週間の旅になるんだワ。」
「それってフレちゃんも行くぺこか?」
「うん、そうだよね?マソソ?」
「だよな〜ぷれあ♡」
「ラブラブバカップルの底も 知れたぺこね。」
「じゃっ!団長達は自分の仕事ポジションに戻るとするよ。」
「分かった〜ぺこら?くれぐれもノエルの胸ばっかりダイブすんなよ?w」
「あんたみたいな変態女じゃねぇし大丈夫ぺこよ。」
「でも昨日のぺこらっちょすっごく欲しがりだったんよ?」
「おーwマジですかwぺこらさんwww(ニヤニヤ」
「あ“あ”あ“!!それをゆーなっつったぺこじゃんかバカノエル!」
「あ〜そちらも頑張ってー(棒)」
「じゃあ船長行ってきますワ。」
「マリリン〜フレちゃん〜待ってぺこよぉ泣」
「まさかあいつらもアツアツだったとはな〜。」
「まぁ仕事柄で元々距離近いんだからしょうがないよ。」
「仕事柄で言ったら…海賊とハーフエルフって距離近いのか…???」
「どうだろうね〜?人によりけりなんじゃない?」
「人によりけりねー…。」
「そう、人によると思う…。」
「んじゃ、用意できたらまた呼ぶよ。」
「はーい。」
「涼しいな…。」
潮風が当たって涼しく感じる。暑い真っ昼間の熱気を感じさせない程に。
「今度はマリンと1週間の旅か…。」
先の半年の大航海といい今のまさに1週間の船旅といい
私とマリンはこの長い間で想い出がたくさんでき、これからも
育まれようとするだろう。
そして想い出を描く錨として、また一つと旅立っていく。
数分後、私はマリンに呼び出されて甲板の上に置かれた樽に座る。
「今度はたった1週間だけど、何があるか分かんないから気をつけろよな。」
「分かってるよ〜。」
そう言ってマリンは一味さん達の方を見て、こう叫んだ。
「行きますよー!出航〜!」
「ヨーソロ!!」
船は錨を上げて、進む。
「さぁ、航こう。」
終わりの見えない旅路へと。
コメント
3件
うまく言葉に表すのは難しいんだけど、とにかく好き