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君の記憶を幸せに。後日談_
あれからオレは恵美と健三の2人と付き合っている。
2人と過ごす時間はとても幸せで心から笑うことが出来た、相変わらず気分が暗くなる時もあるが2人はオレが自傷しても強く叱ったりはしないし何も聞いてこない、オレとしてはそれが一番だし自分から『こんなことがあった』と話したい時は聞いてくれるので2人に頼りすぎてるなと感じてしまう。
だからオレはきちんと2人に色々返せるように今まで以上に勉強も家事も頑張っているし精神科にいってカウンセリングを定期的に受けているおかげで安定してきている、先程述べた通り時々自傷をしてしまうが自傷に頼りきりだったあの時に比べたらかなりマシになっただろう。
本当2人には感謝してもしきれない。
オレの話をきちんと聞いて笑ってくれる、怒ってくれる、泣いてくれる。それだけでオレは満たされる。
トラウマが薄れてきたら2人のことを受け入れたいと思うし、また3人でこうして旅行に行きたい、付き合って一年記念にはまたあの場所に行きたいし温泉も、ベタだけど水族館もいいな…なんて考えながらオレは今日もキッチンに立っている。
「 ちょっと誠一くん‼︎料理が焦げていますよ⁉︎ 」
そう言って焦る健三の声でオレは考え事をやめて火を止める、危うく真っ黒にするところだったと心臓バクバクだった。
「 …これはオレが食うわ…… 」
二人の分は上手く焼けているし、味見もしたから美味しいのは確かなはずだ。
「 ダメですよ、これは私が食べるんですから… 」
「 けど…焦げとるで⁇ 」
「 別に焦げていてもそこまで味は変わりませんよ、誠一くんが作ってくれたものならなんでも美味しいんですから。 」
「 …真っ黒の炭でも? 」
「 …………勿論‼︎ 」
「 おい健三、その間はなんやその間は… 」
「 なんのことでしょう? 」
「 しらばっくれるな‼︎ 」
「 …もう…2人がうるさいから起きちゃったじゃないか… 」
「 もう8:00やで⁇起きてる方が正常なんよ… 」
「 え〜…僕知らない。 」
「 お前ほんまなぁ… 」
なんて会話をしていると幸せだなと実感して笑ってしまった、恵美と健三もオレにつられて笑う。
オレの記憶はどんどん幸せに塗り替えられていった、どうかこのまま恵美のあの事件の記憶も、少しだけでも幸せにしてください。
それがオレの願いだ。
終