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消灯と同時にリクライニングシートを倒し、彼を引き寄せて、貪るように深い口づけを交わす。狭いシートで体が密着し、彼の体温が伝わってくる。
青年の手が自分の股間をまさぐり、熱を持った中心に触れられると、堪らずビクンと腰が跳ねた。
「はぁ……、凄いね。もうガッチガチじゃん」
「君だって人のこと言えた義理か?」
そう言って同じように青年の下半身に手を伸ばす。 彼もまた自分と同じように硬く反応しているのが、ズボン越しに感じ取れた。
「だって……お兄さん、キス上手いんだもん」
少し拗ねたような仕草と、赤らんだ目元に色気を感じて、つい悪戯心を起こして耳を軽く噛んでみる。
すると、彼は小さく肩を震わせ、甘い声を漏らした。
「……んんっ」
「可愛い声出すじゃないか」
「やめて、言わないでよ。恥ずかしいじゃん」
「どうして? 誘って来たのは君だろう?」
「それは……そう、だけど……」
言いながらもごもごと口籠る。その様子が可笑しくて、蓮は再び青年の耳を口に含んだ。
「あっ、だめ……、そこ弱いから……っぁ……」
そのまま耳の穴の中に舌先を入れ、わざと音を立てて舐め上げる。同時にもう片方の手で脇腹から腰骨に掛けて優しく撫でてやると、青年は小さく身じろいだ。
「はぁ、……っんん……っ」
周りを気にして、肩口に顔を埋め声を押し殺している姿に嗜虐心を煽られて、更に執拗に責め立ててやる。
「ねぇ……、耳ばっか、やだぁ……っ」
甘えるように腰を摺り寄せられ、蓮は青年のベルトを外すと下着の中へと手を滑り込ませた。
そこは既にしっとりと湿っていて、先端からはぬるつとした蜜が溢れ出している。
掌で包み込むように握り込んでやると、それだけで達してしまいそうな程敏感になっているのか青年は切なげな声を漏らした。
「いや? 嫌ならやめるけど?」
「や、ちがう……嫌じゃ、ないから、続けて……?」
はぁ、と艶かしい吐息を洩らしながら潤んだ瞳で見つめられ、ドキッとする。何なんだコイツ。可愛すぎるだろ。
「こんなバスの中で興奮してるなんて、随分淫乱だな」
「はぁ……ん、そんなこと、言わないでよ」
羞恥を煽りながら、ゆっくりと上下に扱き上げてやれば、くちゅくちゅと濡れた水音が響いて、次第に手の滑りが良くなっていく。
「……っ、お兄さんだって、人の事言えないんじゃない?」
されっぱなしなのが気に入らなかったのか、青年が酷く艶かしい吐息を洩らし、腰を熱くたぎったソコに押し付けてきた。
行為を思わせるように揺らして煽られ、ゾクゾクとした快感が全身を駆け巡る。
「は、悪い子だな」
「どっちがだよ。……っあ、あんまり焦らすなって……」
強請るように腰を動かしてくる姿に我慢が出来なくなり蓮の下半身にも熱が集まっていく。
「ハハっほらまた硬くなってる」
「……いい性格してるじゃ無いか」
「お互い様でしょ? それより……俺、もっとお兄さんの事知りたいな……?」
甘く掠れた声で誘われ、思わずごくっと喉がなった。
「ねえ、シよ? 俺もう我慢できそうに無いんだ」
「や、流石にそれは……」
布地を押し上げる先端を指先でくるりとなぞられ、蓮は思わず息を飲んだ。
「大丈夫。任せて。最後までは流石にしないよ。……。それに、お兄さん、そういう状況好きでしょ? 散々焦らした責任取ってよ、ね?」
クラクラするような甘い声、妖艶な仕草。窓から差し込む月明かりに照らされた整った顔立ちに魅入られたように目が離せない。
気付けば、蓮は青年の誘いに首を縦に振っていた。
そこから先はもう、なし崩しだった。
狭い車内では流石に最後までは出来ず、物足りなくてバスを降りるなり近くのラブホテルへ雪崩れ込んだ。
部屋へ入るなり互いの服を脱がせ合い、シャワーを浴びることも忘れてベッドに押し倒され、互いの身体を貪るように夢中で求め合い現在に至る。
(そう言えば、結局名前すら聞いていないな……)
そっとベッドを抜け出し熱いシャワーを頭から被る。
我ながらどれだけがっついていたんだと、少し呆れてしまう。
でもまさか、あんな小綺麗な顔をした青年が自分と同じゲイだったなんて。しかも、今まで自分が出会ったどの男よりも断然エロかった。
積極的にグイグイと誘ってくるような男はウザいだけだと思っていたのに、身体の相性がすこぶる良かったのか、つい時間を忘れて夢中で求めてしまった。
30代半ばにもなってあんな余裕のないセックスをしたのは初めてだった。今思い出しても心臓の鼓動が激しくなる。
いつ誰に見つかってもおかしく無い状況で声を押し殺しながら快感に耐える表情に感じる背徳心が余計に情欲を掻き立てた。
失恋の痛みを忘れる為に旅に出たはずなのに、一体なにをやってるんだと冷静になった今なら思う。
だが、あの時はそんな事を考える余裕もなかった。
『やばい……気持ち良すぎて、おかしくなっちゃう』
耳元で囁かれた甘美な言葉を思い出しそうになり、蓮は慌てて頭を冷やそうと勢いよく冷水を頭から浴びた。