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食べ終わりホテルスタッフに電話をするとすぐに片付けに来てくれ、他にもお風呂の準備までしていってくれた。(まぁそのお風呂の準備もしてくれるプランにしたからな)
「あ〜食べ過ぎてお腹ぽっこりで出ちゃったよ」
「それは確認しないといけないな」
「お風呂に入ろう」
頑なに拒む美桜をひょいと肩に乗せ(いや、担ぐと言った方が正しいか)バスルームまで運ぶ。美桜は小柄だから楽に肩に乗せられる。「やだー」「恥ずかしい!」とジタバタしていたが、そういえば初めて一緒にお風呂に入る時もこうやってジタバタ拒んでいたなぁと思い出して思わずプッと笑ってしまった。
「はい到着」
ゆっくりと美桜の足を床につけ下ろす。もう既にバスルームは薔薇のいい香りが充満し、鼻からスッと抜けていく。なんだか甘すぎてクラッとするくらいだ。
「なんかこのお風呂すっごいいい匂いするね。さすがスイートルーム」
さっきまで嫌々言っていたくせにまたコロッと表情を変えるんだから、本当に可愛いが止まらない。キョロキョロとバスルームを見渡しながら浴室のドアに手を伸ばし「中も気になる〜」とドアを開けると予想していた「キャーーーー」とは違う美桜の悲鳴がバスルームに響き渡った。
「お、おおぉぉぉぉおお。こ、こんな事って……く、苦しい。嬉し過ぎて尊過ぎて苦しいぃぃいい」
「み、美桜?」
胸に手を当て苦しそうにしゃがみ込む美桜。目を潤ませ泣く寸前の顔に頬は真っ赤に染め上がっている。ドアを開けた浴室は湯船にスタンダードな赤い薔薇や白、黄色、ピンクなど沢山の色のバラを湯船に浮かばせ、大きな窓から見える夜景の光とぼんやりと光る間接照明で薔薇が幻想的に照らされている。サプライズでホテル側にお願いし、薔薇風呂にしてもらったのだ。
「隆ちゃん。これはサプライズですか? 私の好きな高森亜也先生のあの作品! やっとの思いでお互いの想いが通じあった二人が付き合って一周年記念日を盛大にお祝いすべく、攻めが推しの為にサプライズで自宅のお風呂を薔薇でいっぱいにしたあのすんばらしぃページの再現ですか? なんて再現率、これは再現率百二十%と言っても過言では無いくらいのクオリティ。尊い。尊すぎる」
「はっ! ちょっと待っててスマホ持ってくるから!」
漫画で言うならシュンッっていう効果音がぴったりな速さでスマホを取りに戻る美桜。
(えーと。あまりの美桜の早口説明に脳がついていかなかったんだけど、姫咲の作品に薔薇風呂が出てくるのが!? 姉弟で同じ思考回路って……まぁ美桜が喜んでるならいいか)
ズザザーっと滑り込むようにバスルームに戻ってきた美桜。スマホから恐ろしいくらいの連写音が鳴る。
「はぁ、良き、良き、良き、はぁ。なんだか脳裏に二人が思い描かれて、くぅ。」
「み、美桜?」
「ふぁ!? ご、ごめんなさい! つい我を忘れてBL興奮モードに突入してました……これって隆ちゃんは知っててこのサプライズしてくれたの?」
「いや、全く美桜が何の事を言ってるのか、何に対して興奮しているのか分からないよ」
「なんたる偶然! いやこれは運命なの!? 隆ちゃんがサプライズしてくれたこのお風呂はもうそれは私の好きな漫画のページのワンシーンと瓜二つでつい興奮しちゃいました。ご、ごめんね?」
あぁ、なるほど。物凄く納得できた気がする。むしろ今まで見た中で一番喜んで興奮している美桜を見た気がする。お、恐るべしBL好き女子のテンション。でもたまたま同じ感じになったとしても喜んでもらえたならまぁ、いいか。
「ははっ、いいよ。こんなに喜んでもらえると思ってなかったし、美桜の腐女子丸出しな姿が見られて良かったよ、じゃ、この漫画みたいなお風呂に一緒に入ろうな」
「こ、このすんばらしぃお風呂に隆ちゃんと入るの!?」
「そうだよ」と美桜の手をそっと持ちそのままスマホを脱衣所の棚に置いた。触れた手が熱い。薬指に光る結婚指輪を見る度にやっと俺の物になったんだと嬉しくて心臓がバクンと激しく動いてしまう。美桜の顔を覗き込むとさっきの興奮からの赤さじゃない。艶々と頬を紅潮させて、恥ずかしそうに視線を逸らす。あぁ、なんて男を煽るのが上手いんだろうか。吸い寄せられるように彼女の小さくて柔らかな唇に自身の唇を重ね合わせた。一度唇を離し触れるか触れないかの距離でジッと視線を絡ませる。艶めいた溜息が漏れ、吐息からほのかにシャンパンの香りがした。
ガウンを止めていた紐をするっと引き抜き、彼女の白くきめ細やかな肌がチラリと少し露わになる。抱きしめたら折れてしまいそうな華奢な身体なのに温かくて柔らかくて気持ちが良い。すっぽりと俺の腕の中に収まる身体のサイズ感も、あぁ、俺の腕の中にいるんだと安心出来る。
首筋に、鎖骨に、肩に、少しずつガウンを下ろしながら身体の一部一部に唇を這わしていく。胸元、お腹、へそ、そしてショーツの上からゆっくりと。
ガウンを脱がせ、ブラジャーも外すと顔を赤らめながら両手で胸を隠す美桜。この序盤の恥ずかしがっている美桜も可愛くてつい意地悪したくなる。ジッと見つめながらショーツを脱がし美桜の肌を隠すものは全て取り除いた。
「綺麗だよ。美桜のこの白くて柔らかい肌と薔薇がよく映えてるな」
浴室に入り美桜の身体を隅々まで丁寧に洗う。「自分で洗う!」と断られたがそこはもう始まって仕舞えばこっちのもの。全身映る大きな鏡の前の洗面椅子に座らせボディーソープをたくさん手に出し手のひらでゆっくりと身体を撫で回すように性的な手つきで背後から美桜の身体包み込むように洗った。彼女の息が段々と荒くなってくるのが分かる。鏡に映る彼女の表情はトロンと蕩けてしまうような艶めいた顔つきをしている。
美桜の背中にピッタリと身体を重ね、包み込むように下へ下へとふくらはぎや足首を洗い、足の指も一本ずつ丁寧に洗う。
「んんぅ、あ、足の指はやめて……」
「なんで?」
「な、なんか変な感じするから……くすぐったい」
「じゃあ止めない」
足の指さえも感じてくれているのかと思うと嬉しくてムクムクと男の性が大きくなってしまう。
わざとゆっくり丁寧に両脚の指をあらいつづけた。
「はぁっ、っつ……も、指やだぁ」
鏡に映る紅潮させた頬に潤んだ瞳。乱れている息に肩が大きく動いた。ぷるんと大きい胸に手を伸ばし両手で鷲掴みすると身体の大きさに比例しない大きな胸が溶けそうなくらい熱い。
「っつは……ふぅ。んぅ」
「なぁ美桜」
わざと耳元で話しかける。
「このとんがってる所、触って良い?」
わざと言葉にする。
「見てみな。凄く触って欲しそうなんだけど、美桜が嫌なら触らないよ」
眉を下げ口籠もり何かを言いたそうに、でも言えないみたいな表情をしている。なんて分かりやすくて可愛いのだろう。