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いつものように昼に起き、お昼ご飯を食べる名論永。
現住所には「猫井戸」と入っているが七幡山駅の本屋さんへいつも行っている。
本屋さんに入るなり、店員さんに会釈をする。店員さんも笑顔で会釈を返してくれる。
本屋さんの店員さんとはもはや顔見知りである。店内を見て回る。
おもしろそうな本があったら、その本のタイトルをスマホにメモしていく。
本屋さんに行くのは週に1回と心の中で決めてはいるのだが、家でスマホのメモを見返して
「ん?これミステリーだっけ?恋愛もの?」
とタイトルと著者だけをメモしているので、内容がわからなくなり
内容を確認しに本屋さんへ行くことになる。ネットで内容を確認すればいいのだが
ついでに見逃しているおもしろい本はないかと探すため
結局週に2、3回は本屋さんへ足を運んでいるのである。
あと単純に本に囲まれた空間が好きだからという理由もある。
「あぁ…これ、恋愛ものだと思ってたけどミステリーなんだ」
と本の後ろのあらすじを読んでそう呟き、本を返す。少し他の本も漁ってから出入り口に向かう。
店員さんに会釈をして、店員さんも笑顔で会釈を返してくれて本屋さんを出る。
町の人の視線にもだいぶ慣れてきた名論永。
「よし。帰って積み本読むぞー」
と家へと帰っていった。
一方、夏芽は電車に揺られ大学へと向かっていた。夏芽は現在大学3年生。
夏芽は真面目なほうなので、1、2年生で取っていた講義は、必修科目も選択講義も全部単位が取れており
3年生の講義は必修科目に加えて、選択講義を少し取れば
あとは4年生の必修科目を取れば卒業くらい。しっかりしている。
大学の敷地内に入り、校舎内に入って講義のある講義室に入る。
講義室内に知り合いはおらず、横長のテーブルの端に1人で座る。
スマホでnyAmaZon Musicで歌詞を追いながら音楽を聴く。夏芽は曲が好きなので
SNSを見ながら聴くとかゲームをしながら聴くとか”ながら聴き”ではなく
歌詞を追って頭に入れながらメロディーと一緒に楽しんでいるのである。歌、曲を楽しんでいると
「わっ」
っと後ろからわさっっと女子が覆い被さってきた。
「わっ」
と声をあげて振り返る。
「よっ」
っと八重歯が光る笑顔で軽く手を挙げる女子が。
「友恵乃ー」
「お疲れー」
彼女は土成田(となだ)友恵乃(ゆめの)。ミルクティー色の綺麗な髪に八重歯が光る元気タイプの女の子だ。
友恵乃は夏芽の後ろから隣へと移動してきた。
「お疲れー」
荷物をテーブルの上に置いてすぐ、ポケットから500円玉を取り出して
右手で右手の小指から人差し指を使ってクルクルと回し始めた。
「お疲れー。相変わらず器用さを見せつけてくるねー」
「んふぅ〜」
と褒められて鼻から息を吐く友恵乃。
「夏芽もやってみ?」
友恵乃が500円玉を握って夏芽に渡す。
「無理だってー」
と言いながら夏芽が手を開く。すると夏芽の掌に500円玉はなかった。
「え!?」
落とした?と思い、足元を左右確認する夏芽。
「ふふぅ〜ん」
と得意気な声を漏らしながら得意気な顔で人差し指と親指で500円玉を掴み、顔の横で振る友恵乃。
「…相変わらず器用なこって」
ジト目で友恵乃を見ながら言う夏芽。
「ありがとー」
「バイトどうなの?順調?」
と夏芽に聞かれた友恵乃はまた右手で、右手の小指から人差し指を使ってクルクルと回しながら
「順調順調ー」
と言う。
「もう私の可愛さと?愛嬌の良さと?」
と言いながら右手の人差し指と親指で500円玉を掴み
左掌を夏芽に向けるようにして、その左掌の中央に右手で掴んだ500円玉をあてる。
そして左手で500円玉を包むように握る。右手を抜く。もちろん500円玉はない。友恵乃は握った左手に息を
「ふぅっ」
っと吹きかける。そして小指から手を開いていく。すると握られていたはずの500円玉が消えていた。
「このマジックでお客さんのハートを鷲掴みよ」
「おぉ〜」
夏芽はパチパチと拍手する。
「夏芽こそバイトはどうなの?居酒屋でしょ?」
「うん。楽しいよ?」
「忙しくないの?」
「忙(いそが)ー、し、く、いのかな?」
「なんじゃそれ」
「最近キッチンに入ってね?一人暮らししてて自炊するから、割と慣れてるってのもあって
ホールよりは楽かも」
「あぁ〜。ホールもやったんだ?」
「うん」
「私も居酒屋バイトしたことあるけど、ホール無理すぎて1日で辞めたわ」
と嫌な思い出を思い出し、遠い目をする友恵乃。
「そ、そうだったっけ」
苦笑いする夏芽。
「今のマジックバー?はホールの仕事ないの?」
「あるよー。ま、ホールといってもうちは基本バーだから
ほとんどお酒の注文しかないから、居酒屋よりははるかに楽」
「あ、そうなんだね?」
「夏芽ー遊び来てよー」
「遊び来てって…。高いでしょ」
「んん〜…。まあ、割と」
「じゃあ嫌(や)だよ。そんな余裕あるわけじゃないし」
「友達割するからさー」
「そんなのしていいの?」
「さあ?でもRENさん割とノリ良いからイケると思う」
「RENさん?」
「あぁ、店長?なのかな?責任者的なポジ(ポジション)の人」
「そうなんだ?でも真新宿の祭都鈴(まつり)町でしょ?」
「うん」
「怖いって」
と言う夏芽に
「怖くないって」
と笑いながら言う友恵乃。
「うちの従業員もお客さん、みんなまともな人しかいないし、まーホストの人結構来るけど
On1y(オンリー)グループの人はみんなまともな人だって
RENさんも一希(いつき)さんも言ってたし、てか実際みんなまともな人だし。
…ま、言葉使い荒めな人もいるけど…ま、あれは方言だから仕方ない…のかな?」
「On1yグループ?一希さん?」
「あぁ。On1lyグループっていうホストクラブのグループがあるんだけど
一希さんはそのグループのトップのお店のナンバー1」
「マジで?」
「マジで」
「そんな人と知り合いなの?」
と言う夏芽に
「ぷっ」
っと笑う友恵乃。
「そんなすごい人じゃないって。めっちゃ普通の人だよ」
「え。そうなの?○ーランド的な人をイメージしてたけど」
「全然違う全然違う。顔はカッコいいけどめっちゃ普通」
「そうなんだ?てか友恵乃が私の店くればいいじゃん。ま、私の店ではないけど」
「あぁ〜…ね?たしかに」
「割と友恵乃とテンション合う人いると思うよ?」
「青と行こうかな」
「あぁ〜いいじゃん。てか青は?」
「バイトじゃん?カフェのバイト。青就活する気なさそうだし」
「でも卒業できるの?」
「さあ」
と言いながら笑う友恵乃。
「ワンチャン(留年)あるかもね」
「3人で卒業しようよー」
「それは私じゃなく青に言ってくれ」
なんて話していると講師の方が入ってきて講義が始まった。
一方の漆慕(うるし)、銀同馬(ぎおま)、金兜(かなと)、英丞(えいす)の
バンド「The Gold Medal band」の4人はというと
「銀(ぎん(銀同馬のあだ名))さっきから体出し過ぎ。だから被弾増えて最初にダウンするんだよ」
「ダウンしたときのために漆慕がいるんだろ」
「漆慕は周りをよく見るやつだからメディック(ヒールキャラ)にしてもらってるんだよ。
銀のキャラは移動キャラなんだから、ダウンしたら広く取れないじゃん」
と漆慕、銀同馬、英丞の3人でトップ オブ レジェンズというFPSゲームを
オンラインでグループを作ってプレイしていた。
「てか金兜は?」
銀同馬が聞く。
「金兜はバイト」
漆慕が答える。
「金兜、バイト。ギャグ?」
ぷっっという感じで言う銀同馬。
「え、エース(英丞のあだ名)、銀ダウンしても助けなくていい?」
「…ま、ランク上げたいんだったら助けることをおすすめするけど、漆慕にまかせるわ」
「おけー」
「いや助けよ!?」
英丞はゲーマーで、銀同馬がランクを上げたいとのことで
英丞はサブアカウントで一緒にプレイしているのだ。
「エースー」
「なに」
「なんか最近おもしろいことなんかないのー?」
「銀が彼女に見限られたことが直近で1番笑った」
ゲームに集中しながら感情のない言い方で言う英丞。
「え、マジで!?オレ聞いてないんだけど」
驚く漆慕。
「嘘だよ嘘。彼女とはまだラブラブですぅ〜」
「銀のどこがいいんだか」
「失礼な!」
「彼女デザイナーだっけ?」
「そそ。だからオレを養ってくれてんすよぉ〜」
「爆発しろよ。…グレ(グレネード)投げていい?」
「やめい!で?エース1日中家にいんだからなんかあんだろ。誰かが炎上しておもしろかったーとか」
「人を他人(ひと)の炎上を見て喜ぶ性格終わってるやつだと暗に言ってる?」
「あんにってなに?あんこのこと?」
「バカすぎる…」
「しゃーない。銀だから」
コントローラーを置いてスマホで検索する銀同馬。
「で?ないの?おもしろいの。…あんに…あ、暗いって書くのね…なるほど…」
「ま、オレの好きなゲーム実況者が燃えた内容がおもしろかったな」
「お、炎上?」
「大炎上」
「マジ?なんて実況者!?」
めちゃくちゃ食いつく銀同馬。
「銀のほうが性格終わってるだろ」
と呟く漆慕。
「じゃあ今リンク送るわ」
「え、動画あんの?」
「生放送だったからね」
「ガチか。消してないんだ?」
「オレも気になる」
漆慕も気になった。
「漆慕くんも性格終わってますなぁ〜」
「うるさい」
「じゃ、グループに送るわ」
と英丞が「The Gold Medal band」の4人のグループLIMEにそのMyPiperの動画のリンク送った。
漆慕と銀同馬はリンクをタップする。
「オレももう1回見よ」
と英丞もリンクから動画に飛ぶ。チャンネル名は「友の友と共にゲーム会」
動画名は「【乾杯】110万人越えたので今や個人でも有名となったメンバーたちと飲む」
動画時間は生放送ということもあって3時間越え。
「長っ」
思わず銀同馬が声に出す。
「エース、どこら辺?」
漆慕が聞く。
「えぇ〜っとね…たしか2時間半あたり…2時間3(さんじゅう)…7、8分くらい」
と英丞に言われてそこまで再生バーを動かす漆慕と銀同馬と英丞。
「コメントも表示するとおもしろいよ」
という英丞の言葉に
「おもしろいって…」
と呟きつつも漆慕も生放送のコメントをオンにする。
銀同馬はワクワクしながら生放送のコメントをオンにする。
〜動画内容〜
「友の友と共にゲーム会」の初期を支えたメンバーと
現在も「友の友と共にゲーム会」に出演している新メンバー、合計7人が
広いリビングに長テーブルを囲む形で
○ ○ ○ ○
○ ーーー ○
○
□ ○→人 ー→テーブル □→カメラ
こんな形で映っていた。テーブルの上にはグラス、そしてお寿司、おつまみなどが置いてあり
動画時間が2時間半を越えているということもあって、全員の頬は赤くなっていた。1人がスマホを見て
「お!春夏秋冬さん、スパチャありがとうございます!」
と言ってカメラに手を振る。
「「ありがとうございます!」」
「ありがとうございまーす」
「んんーす」
元気にカメラに手を振る者、食べ物を口に入れているので喋れず、んーんー言いながら手を振る者。
「春夏秋冬さんのスパチャでの質問です」
「お、なになに?お酒入ってるからなんでも答えちゃう!」
「答えるぞー」
「誰か水持ってきてくんね?」
「好きなゲーム実況者、嫌いなゲーム実況者はいますか?だって」
「お、じゃあここは友!オレたちを導いてくれた長(おさ)が」
「お前ら答えたくないだけだろ」
そっぽを向くメンバーたち。
「しゃーない。オレが答えますか。好きなゲーム実況者さんねぇ〜。
割とたくさんいますよ。ニカニカ動画の時代から好きなのはNSSPさん、アプさんかな。
10万人登録の記念放送のときにも言ったと思うけど、それは今も変わってないです」
「NSSPさんとはコラボもさせてもらったもんなぁ〜」
「いやぁ〜まさかだよな。イチファンだったのに一緒にゲームできる機会があるなんて」
「実写でもコラボさせてもらってな」
「そうそう。マジで最高だった。あとはそうだなぁ〜。派手髪ひょっとこの翔大さんとか
コラボさせてもらったたまたのたまたまうまくいくチャンネルのたまたさんとか
カジノダイスのゲーム実況チャンネルのダイスくんとかかな」
「っしゃ!本題!嫌いなゲーム実況者!ぶっちゃけちゃいましょー!」
ニマニマするメンバー。
「他人事だと思ってお前ら…」
やれやれと首を落とし、頭を振ってため息を吐く友。
「…ま、いいか。酒の勢いで言っちゃうか!」
「「おぉ〜!!??」」
「嫌いってか、好きじゃないやつね」
うんうん頷き、期待して見守るメンバー。
「V Piperって呼ばれてる全般のやつ」
と言った瞬間、メンバーたちは「大丈夫なやつか?」と少し顔を強張らせたように見えた。
「そ、それはー…理由とかー…」
「理由?理由はまー…。実はそらとがやりたいって言ってな」
「え!?そうなん!?」
メンバー全員がそらとと呼ばれたメンバーのほうを向く。
「うん」
「ま、そんときにそらとに言ったことそのまま言うけど
V Piperなんてオレたちの努力の半分以下の努力しかしてないだろ?多くても1/10(10分の1)くらいだろ?
カッコいいぃ〜可愛いぃ〜とか着ぐるみ被ってキャーキャー言われて?
オレがまだ登録者数5人とかのときから思ってた。
オレたちが努力して努力して毎日投稿して、ようやく100回再生で喜んでるときに
あれ(V Piper)やってるやつらは然程努力もせず100回再生突破して
「あぁーん。再生数伸びなぁ〜い」とか言ってんだろ?マジふざけてると思う。
いや、中には努力してる方もいらっしゃるんだろうけど、今人気のトップV Piperとかいうやつらのせいで
「あ、着ぐるみ被れば、私でも、オレでも、簡単に人気になれるんだ」
「楽して、ゲームして、喋ってお金稼げるんだ」って思ってるバカ共がV Piper始めて
V Piperで溢れかえってる現状がキモすぎてキモすぎて…。
しかも視聴者はその着ぐるみ見に行って「あぁ〜今日もカッコいいですぅ〜」とか
「あぁ〜今日も可愛いよぉ〜」とか言ってるだけ。中身なんてまるで興味ない。
だったら中身なんて誰でもいいんだよ。
着ぐるみさえカッコよければ、外側さえ可愛ければ誰でも成功する。それが本気で嫌。
オレたちゲーム実況者は「その人にしか表現できないこと」
「その人じゃないといけないこと」をやってるんだよ。
だから外見だけで人気出てるV Piperっていうカテゴリ自体が、マっジっで、好きじゃない。
中身で勝負できないやつらが皮かぶって配信して、楽に金稼いで?
オレの今を見てみ?努力だけでここまできた!
110万人以上の登録者様を抱えるほどまで来た!外見とかじゃない!中身で!
もちろん仲間のお陰もある!ただメンバーも全員中身で勝負してきた!それがオレの誇り。
だからそらとがV Piperやりたいって言ったとき、オレらのチャンネル抜けて、あくまで個人として
オレたちの名前を一切出さないなら好きにやればいいよって言ったんだよ。な?」
「うん」
「そうなんだ?」
「まっ、まあ!ということでね!じゃ、ボドゲでもやりますか!」
とメンバーが仕切り直した。生放送のコメントでは
「は!?Vが中身ない?マジで言ってんの?」
「失望しました」
「登録解除します。今までありがとうございました」
「誇りとかキモ」
「群れることで気が大きくなってるバカ」
「中身で勝負してるとか言ってるけど、今思い返したらそうでもなくて笑う」
「大炎上確定案件」
「登録解除祭りじゃー!」
などコメントが溢れ返っていた。
「おぉ…これは大炎上するだろうな」
思わず呟く銀同馬。
「ま、その界隈からのファンからは総叩きだろうな」
「うん。ポツッターのトレンドで「友 キモい」「友 消えろ」「登録解除祭り」が
トレンド独占したくらいだからね」
「怖。炎上怖」
と呟く銀同馬。ただ気づいたことがあった漆慕。
「ん?でも登録解除祭り起きたんだよね?」
「うん」
英丞が答える。
「でも今チャンネル登録者数150万人じゃん」
「ん?あ!ほんとじゃん!え?110万人登録者記念生放送だったよな?」
銀同馬も気づく。
「あぁ。それね。今回の大炎上で「友の友と共にゲーム会」を知らない人も友さんたちのこと知ってさ?
んで、V Piperについて同じことを思ってる層が一定数いたらしくて
その層が「よく言った!」って感じで登録してったら前の登録者数を越えたってわけ」
「おぉ。なんとかかんとかってやつだ」
「は?」
「災い転じて福となる。とか怪我の功名。とか」
「それ!」
「ただ、いまだに鎮火してないんだよね。友さんのコメ欄に誹謗中傷増えてさ。
ただ友さん自身は謝る気もないし、発言を撤回する気もないって公言してて」
「カッケェ。オレも登録しよ」
と登録者の1人になった銀同馬。
「ま、でも音楽でも通ずるとこあるかもね」
と言う漆慕。
「ん?」
「どーゆーこと?」
「いや、最近さ?○○プロデュースのグループとか増えてるじゃん?オーディションとかやってさ?」
「あぁあるね」
「あれってさ?○○プロデュースの○○がビッグネームすぎてさ?中身見られてないじゃん?」
「そうなの?」
「オーディションで選考してんだから実力はあるんじゃない?」
「ま、そうかもしれないけどさ?メディア側のことを考えると
○○プロデュースのグループを使えばある程度の収益、再生数が見込めるし
○○プロデュースのグループを使えば○○の名前だって使えるじゃん?」
「あぁ〜」
「あぁ」
「だから実力があろうがなかろうが、その○○プロデュースっていう肩書きで見られて
あんまり中身を気に留めてもらえない。気に留めてもらいずらいってほうが正しいか。
でも反対に実力があろうがなかろうが注目してもらって人気は出る」
「あぁ〜」
「あぁ」
「飽きられる飽きられないは別として、曲、歌詞、メロディーを評価してもらえるのは
プロデュースで出てきてないグループとかバンドだよね。
実力でしか見られないっていう。…ま、外見もあるかもだけど」
「ん?それは遠回しに自分はカッコいいって仰ってる?ん?」
「言ってねぇ」
「な?エース?なんならオレのほうがカッコいよな?」
「文脈ぐちゃぐちゃ」
「うん。あと銀よりエースのほうがカッコいいだろ」
「それはないねぇ〜!!」
「銀の誹謗中傷ポツッターに書き込んだろ」
「待て待てぇ〜い!」
と騒がしい3人だった。
一方、金兜はカフェでバイトをしていた。
「ん?なんだこのURL」
と呟く。
「なんすか?彼女っすか?」
同じバイトの木扉島(ことじま)青(あお)が覗き込む。
「いや?バンドのメンバー」
「あぁ〜」
「なんか動画のURL送られてきた」
「どんなっすか?」
リンクをタップしてみる金兜。
「あぁ!知ってます知ってます!大炎上してるゲーム実況者!」
「そうなの?」
「はい。トレンドその人まみれになってたんで、気になって見てみました」
「へぇ〜」
「最終、原因になった人?はメンバーから抜けてV Piperやってるらしいっすよ?
「頑張れー」ってコメントもあれば「マジで抜けてVやってんの?キモ」っていう批判コメもあるらしいっす」
「へぇ〜」
なんていう話をしている時間はほんの少し。
すぐにお客さんが来てその対応へ行く金兜。テーブルを拭きに行く青。
一方、神羽は家でレシピを見ながら料理を作ってみて、試食して
「んん〜…うまいけど、手間とコストを考えると合わないか…」
と悩んでいた。
一方雪姫(ゆき)は、珍しく外で友達と待ち合わせをしていた。
「雪姫(ゆきひめ)ぇ〜」
と手を振りながら雪姫に歩いて近づいてくる女子。
「朝花(あさか)」
彼女は牛鹿野(うかの)朝花。雪姫と同じ高校の同級生で親友。
「お ま た せっ」
と言いながら一歩ずつ近づいてくる朝花。
「どこ行くの?」
「ん?いや別に決めてないけど」
「はあ?行きたいとこあるから呼び出したんじゃないの?」
と雪姫が言うと、朝花は雪姫の腕に絡みついて
「雪姫(ゆきひめ)に会いたかったんじゃないですかぁ〜」
と言う。
「やめて。ファンにコ○されるから」
「大丈夫だってー。顔出してないからバレんバレん」
朝花は「AWESOME OOPARTS」という
イカしたオーパーツ(その時代の技術では作れないほど優れもの)が所属するグループに所属している
大人気アーティストなのだ。
「声でバレん?」
「バレんバレん!歌ってるときと普段の声違うし」
「え、歌ってるとき声作ってんの?」
「そーゆー意味でなくてさ?なんつーの?…説明できん」
「さすがはオーパーツ」
「そんなそんなぁ〜」
照れ照れと照れる朝花。
「じゃ、どっかカフェでも入ろっか」
「いいねぇ〜」
「朝花の奢りね」
「えぇ〜」
「稼いでんでしょ」
「まあぁ〜…。いいよっ!」
「っしゃ」
「あ、そうだ。きょうこちゃんって覚えてる?」
「きょうこ?苗字は?」
「…えぇ〜っと〜。もと…も」
「元本(もともと)?」
「それ!覚えてた?」
「まあぁ〜…。喋ったことはないけど」
「マジか」
「朝花同じクラスだったことあるでしょ」
「らしいよね」
「で?元本さんがどうかしたん?」
「少女漫画家になってた」
「は?なにそれ。詳しく」
と2人でカフェに向かっていった。
そんなそれぞれで過ごしたみんなが今日も夜には居酒屋「天神鳥の羽」に集まる。