私は夜雨の降っている時に咄嗟に思った。
(好きか分からなくなった。今からでも告に行こう。)と。
大雨警報が出ている中私は走って悠真の家に行った。傘もささずと。
悠真の家に着き直ぐにインターホンを鳴らした。
すると直ぐに悠真は半袖の姿で出てきた。
「お!愛菜そんな濡れてどうしたの!?とりあえずタオルもっ……」
「嫌。大丈夫。一つだけ聞いて。」
「もう悠真のこと好きじゃなくなったの。それだけ伝えに来た。それじゃまたね。」
悠真は愕然としていて私の腕を引っ張った。
「なんで!?どうしたの、?」
「……離して」
悠真は悲しそうな顔をしながら不安げに話した。その時私は走って家に帰った。悠真はしばらく立ちつくしたままだった。けっきょく悠真の話を聞くことも無く告げてしまった。
家に帰ると部屋にこもり後悔をした。
(どうして……気持ちだけで動いちゃったんだろう。。もう少し悠真の話聞けばよかったかな。)告げたあとなのにも関わらず私は四六時中悠真のことで頭がいっぱいだった。頭痛がしてきて食欲も無い。悠真からはLINEが送られる。私は見ることすら怖くなった。
〜悠真視点〜
俺はついさっき愛菜に捨てられた。何が起きたのか分からずしばらく硬直状態だった。きっと。専門店のことだろう。俺は早く弁解をしたい。その思いでLINEをする。しかし既読はつかない。心配になって家に行こうとした。その時に、愛菜の母から電話がかかってきた
「悠真くん、、、愛菜が、愛菜が倒れた」
俺はその言葉にしばらく思考が止まった。
どうやら国立病院に送られたようだ。
俺は雨の中問わず全速力で走った。風邪をひいていようが関係なく国立をめざしてひたす
ら走った。ついでに、弁解をしたいと思ったからだ。
国立に入り病棟に行くと、底には酸素マスクをつけた愛菜の姿があった。記憶はまだないようだ。
医者と愛菜の母によると「癌」のようだ。喉の癌。余命宣告をされ残り半年どのこと。 俺は昨日と今日のことで頭が真っ白になった。そして愛菜は目覚めた。
「悠真。なんでここにいるの。さっさとどっか行ってよ」
「愛菜。誤解かもしれないが専門店のことで怒ってるのか。あれは、愛菜の誕生日プレゼントを買いに行ってたんだよ。」
「え。?」
「隣にいた人は俺の幼馴染。浮気とかじゃなくて、その。俺って女子の好みとか分からないから。センスもないし。だから幼馴染だったら知ってるかなって教えて貰ってたんだ。」
愛菜は急に泣き始めた。そして俺は渡した。
「愛菜、これ。遅くなったけど、誕生日おめでとう。悠真のYと、愛菜のA。そして。誤解を生むようなことをしてごめん。俺は別れたくない。もう一度考えて欲しい。」
そう俺は言った。しかし愛菜は泣きながら
「私。もう半年だよ。」
「それでも構わない。俺は。愛菜が好きだ。大好きだ。どんな困難に落ちたとしても。俺は、愛菜をとなりで支える。どんな愛菜でも愛菜は愛菜だ。半年しかないなら。半年を楽しめばいい。」
〜愛菜視点〜
私はその瞬間こらえていた涙も土砂降りのように流れた。
「ごめんなさい。私の勘違いのせいで、こんな思いさせて。これって天罰だよね。やっぱり神様っているんだね(笑)」
私はそう苦笑する。悠真は真剣な眼差しで
「俺は。愛菜の人生に加担する。頼りたいことあれば頼ってくれ。そして、希望を捨てるな。手術をすれば治るかもしれない。少しの希望でも。叶えさせよう。世の中に絶対という言葉はないんだ。いつ何が起きてどんな奇跡が待ち受けているかもしれない。俺はそれを信じる。」
悠真は真剣だった。
「ありがとう。悠真、ほんとに”“大好き”だよ」
私は久しぶりに愛情表現をした。
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