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『細い道のおじさん。』
これは、つい最近の話。もちろん実話。
家族と出かける予定があったから、細い道を通った。
今日何を買おうかなとか、ほしいもの売ってるかな
などと、色々考えながら静かに一人で歩いていた。
静かだと思ったら、後ろからカラカラ…と音がする。
自転車が来てるのかもと思い、私は振り返った。
そしたら、ゆっくり自転車を押しているおじさん。
目が合うと、ニコってして笑われた。
少し不気味な人だなと思ったが、小声で
「すいません、」と言い、私は細い道を通りきった。
すると、私はいつの間にかおじさんが出てくるのを
待っていて勝手に、遅いなぁと思い込んでいた。
数秒しか待っていない。流石に遅いので、振り返ると
まさかの家族がこっちに来ていたのだ。
「ねぇ、おじさん見てない?自転車押してた人」
「見てないよ。なんで?」
あれ?と思った。確かに居たんだ。あの人は。
「さっき私の後ろにいたんだけど」
「さあ。出てこなかったの?」
「うん、そう思って振り返ったらいなくて。」
「ふーん。じゃあ戻ったんじゃないの?」
「そうなのかなぁ」
でも、待てよ。自転車を押していたんだ。
途中まで歩いてた。あの短時間で前を向きながら
後ろに戻れるおじさんなんてそう居ない。それに、
戻ってたとしても家族は見てないんだ。ほんの数秒
なのに。あの人は誰?人間だよね?じゃあ、、
笑ったのはどうして?
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