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和くんは、私の目の下をそっと優しくなぞり涙を親指で拭いながら言う。
彼の目からは深い愛情が感じられる…。
その姿が、新婚生活1年目の頃の一颯くんの面影を感じさせた。
だめなことだと分かっていながらも、無意識に私は和くんの背中に腕を回して、泣きついていた。
一颯くんに抱きしめられているみたいで心底嬉しかったからだ。
「一颯くん…っ」
和くんはそんな私を抱きしめ返しながら言う。
「玲那ちゃん…一颯なんか忘れていいよ。僕があいつの分まで愛してあげるからね」
もう、私は和くんの優しさと愛情を知ってしまった。
そしてそれは、私が一颯くんとの夫婦生活で満たされていなかったことの証明でもあったのだ。
それからというものの、私と和くんはよく会うようになった。
時に、家で一緒に映画を見ていていいムードになりそうだった矢先に一颯くんが帰ってき、鉢合わせたこともあった。
修羅場のようにも思えたが、それは愛があるなら修羅場と化すのだろう。
ソファに座って映画を見ている私たちを目の当たりにしても
一颯くんは「なんだ和、来てたのか、俺も忙しいんだから早く帰れよな~」の一言。
和くんは少し引きつった顔をしながら、それじゃあまたね、と手を振り帰っていった。
それからというもの一颯くんはというと、仕事が評価され出張も増えるようになった。
最初は罪悪感や安を感じていたがそれも段々と薄れていき、今では毎日のように連絡を取り合うようになっていた。
もう私は完全に、一颯くんの代わりに性欲を満たしてくれる和くんに心も奪われていた。
そして一颯に今週は出張があるからと説明されると、私はまた和くんに会いたくなっていた。
それでも表では、わかった、気をつけて行ってきてね!と良い妻を演じる。
普通にしていないと、この人に捨てられてしまう気がしたからだ。
あれ、でもおかしい、今更だけど疑問がある。
彼は私が誘ってもえっちさえしてくれないのに、私を愛しているとも思えないのに、どうして私を捨てないんだろう。
そんな疑問を抱えながらも彼を見送ると、やはり心がキュッと締め付けられるような思いになった。
罪悪感なのか、孤独感なのか、とても寂しい。
それを埋めるために、今日もまた私は和くんを家に招き入れた。
いつものように、和くんが私の家に来てリビングでくつろいでいる。
私はそんな和くんの隣に座り、そっと肩にもたれかかる。
すると、彼は優しく抱き寄せてくれる。
彼の体温が伝わってきて心地良い。
しばらくそのままでいた後、私は彼に言う。
一颯くんは出張に行ってしまったから今日は家にいないよと。
そんな私の言葉を聞いて、和くんは嬉しそうに
「なら、えっちし放題だね?」と微笑んだ。
私は黙って頷き、彼の首に手を回す。
和くんは私の首筋に吸い付くようにキスをし始めると、そのまま私を押し倒した。
そして徐々にキスの位置を下にしていきながら服を脱がされていく。
やがて下着姿になると今度は胸に顔を埋めるように強く抱きしめられる。
ブラジャーの上からでも分かるくらい先端が硬くなってしまっていて恥ずかしい……
それを見透かされているかのように優しく摘まれると、甘い声が漏れてしまう。
すると彼は再び唇を重ねてきて舌を絡めてくるのでそれに応えようと必死に舌を動かす。
すると今度は私のショーツの中に手を入れてきて割れ目をなぞるように刺激してくる。
それだけでもうイってしまいそうになるほど気持ちが良くて、私は無意識のうちに腰を動かしてしまっていた。
そんな私を見て和くんは甘い声で囁く。
「玲那ちゃんのここ、もうこんなになってるよ」
私は恥ずかしさのあまり顔を背ける。
すると和くんは私に見せつけるように私の下着を脱がせてきた。
もうすっかり濡れてしまっているだろうその部分を見られるのも恥ずかしいけど、それ以上に早く続きをしてほしくてたまらなかった。
「ほら見て……玲那ちゃんのせいで僕の手はこんなに汚れちゃったんだよ……」
そう言うと彼は私の手を取り、指についた愛液を絡ませるようにして見せてきた。
そしてそのままその手を自分の口に持っていくと
「玲那ちゃんの、美味しいね」
なんて言いながらペロリと指ごと舐められてしまう。
口調以外はあまりにも彼に似すぎている交尾に、もうそれだけで軽くイってしまいそうになるほど感じてしまい、ますます興奮してしまう。
「んっ……!はぁ……っ!あっ……!」
和くんは私の乳房を舐めながらもう片方の手で秘部を愛撫する。
その度に体がビクビクと反応してしまい恥ずかしい。
しかしそんなとき、玄関の方からガチャっと扉が開く音がした。
誰か来た…?
すると『玲那、ただいま』という聞き覚えしかない声に、私の体は大きく跳ね上がり、全身に緊張が走った。
(どうして……今日は出張のはずじゃ……!!)
和くんとこんなことしてるのがバレたら……確実に離婚されてしまう。
一颯くんは一瞬驚いた表情を見せた後、すぐにいつもの優しい顔に戻ったかと思うと私に言う。