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@睡眠薬
35
#痛快
皆様これは東方projectの二次創作なので本編とは関係はありません博麗蓮はオリジナルキャラです
第一話「定められた運命」
――幻想郷。
博麗神社。
昼下がりの境内で、霊夢は縁側に座っていた。
霊夢「……暇ね」
風が静かに吹き抜ける。
いつもなら魔理沙が突然やって来たり、妖怪が騒ぎを起こしたりするのだが、今日は何もない。
霊夢「こんなに暇なら、少しくらい異変が起きてもいいのに」
???「おいおい、物騒なこと言うなよ」
霊夢「……その声は」
霊夢が振り向く。
そこには、箒を持った魔理沙が立っていた。
魔理沙「よっ、霊夢」
霊夢「魔理沙。今日は遅かったわね」
魔理沙「ちょっと寄り道してたんだぜ」
魔理沙は縁側に腰を下ろす。
魔理沙「それにしても、今日は静かだな」
霊夢「そうなのよ。暇すぎて困ってるわ」
魔理沙「異変がないのはいいことだろ?」
霊夢「まあ、それはそうだけど」
霊夢は空を見上げる。
青い空。
穏やかな風。
何も変わらない、いつもの幻想郷。
――なのに。
霊夢「……なんか、嫌な感じがする」
魔理沙「嫌な感じ?」
霊夢「うまく言えないけど……何かが起こる気がする」
魔理沙「巫女の勘ってやつか?」
霊夢「たぶんね」
しばらく二人は黙って空を見ていた。
そして、霊夢はふと呟いた。
霊夢「……お兄ちゃん、今どうしてるのかしら」
魔理沙「…………」
魔理沙の表情が少し変わる。
魔理沙「蓮のことか?」
霊夢「ええ」
博麗蓮。
霊夢の兄。
かつて幻想郷にいた男。
そして今は、幻想郷から追放された男。
霊夢は長い間、その名前を口にしていなかった。
霊夢「……もう何年になるのかな」
魔理沙「かなり経つな」
霊夢「そうね」
霊夢は目を閉じる。
すると、忘れようとしていた記憶が蘇ってきた。
――あの日。
まだ幼かった霊夢は、神社の中を走っていた。
霊夢「お母さんー?」
返事がない。
霊夢「どこー?」
奥の部屋。
扉が少しだけ開いていた。
霊夢はゆっくりと扉を開ける。
霊夢「……お母さん?」
そこには、母・博麗優奈が倒れていた。
そして、そのすぐそばに――蓮が立っていた。
霊夢「……お兄ちゃん?」
蓮は振り返る。
蓮「……霊夢」
霊夢「お母さん、どうしたの……?」
蓮は答えなかった。
霊夢「ねえ……何があったの?」
蓮「……違うんだ」
霊夢「何が違うの?」
蓮「俺は……母さんを――」
そこへ、大人たちが駆け込んできた。
倒れている優奈。
そのそばに立つ蓮。
そして、何も説明できない蓮。
誰が見ても、蓮が何かをしたようにしか見えなかった。
蓮は必死に否定した。
蓮「違う! 俺じゃない!」
しかし、その言葉を信じる者はいなかった。
幼い霊夢も――。
兄の言葉を信じることができなかった。
その後、蓮は幻想郷を追放された。
そして霊夢の中には、一つの疑念だけが残った。
――お兄ちゃんが、お母さんを殺した。
――現在。
霊夢「…………」
魔理沙「霊夢?」
霊夢「……え?」
魔理沙「大丈夫か?」
霊夢「ええ。ただ、昔のことを思い出してた」
魔理沙「……蓮のことか」
霊夢「うん」
霊夢は俯く。
霊夢「私は、あの人が母さんを殺したと思ってる」
魔理沙「……でも、お前は見たのか?」
霊夢「……え?」
魔理沙「蓮が母親を殺すところを、直接見たのか?」
霊夢は黙った。
答えは――
「見ていない」。
霊夢「…………見てない」
魔理沙「だったら、まだ何かあるんじゃないか?」
霊夢「……そうかもしれない」
霊夢は遠くを見つめる。
霊夢「でも……今さら、何を信じればいいのか分からない」
魔理沙「なら、本人に聞けばいい」
霊夢「……本人に?」
魔理沙「ああ」
魔理沙は立ち上がった。
魔理沙「蓮が本当に母親を殺したなら、それを聞けばいい」
魔理沙「もし違うなら――」
魔理沙は霊夢を見る。
魔理沙「その理由を聞けばいいだろ?」
霊夢はしばらく黙っていた。
そして、小さく頷く。
霊夢「……そうね」
その瞬間。
遠く離れた森の中。
一人の青年が、幻想郷の方向を見つめていた。
――博麗蓮。
蓮「…………」
蓮は静かに目を閉じる。
蓮「……霊夢」
長い年月。
戻ることのできなかった故郷。
会うことのできなかった妹。
そして――
母、優奈の死。
蓮「……今度こそ、話さなきゃな」
蓮はゆっくりと歩き始めた。
運命は、少しずつ動き始めていた。
かつて離れた兄と妹。
二人の道が、再び交わろうとしている。
――定められた運命。
第一話「定められた運命」――完
コメント
1件
読了です。第一話、すごく静かな始まり方なのに、霊夢とお兄ちゃんの過去がじわっと重くて……特に「見てない」って気づくところが心に刺さりました。魔理沙が「本人に聞けばいい」って言うセリフ、軽いけどちゃんと霊夢を動かすきっかけになってて好きです。蓮が戻ってくるラストも、これからどうなるんだろうと続きが気になります🌷