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僕らは夜通し遊び、次の日の朝に持ってきたアタッシュケースとともに京都の新しい任務の場所に向かった。
電車を乗り継いで4時間ほどたつと、目的の駅に着いた。この駅付近は金持ちが住むことで有名である。17年前の東京大震災により東京都はほぼ半壊、直す費用などを考えた結果、金の回収が不可能と考えられ、その結果復興が進むはずもなく、皇居は神戸へ。また災害が起きた時、すべてが停滞してしまわないようにと、昔の永田町のような官公庁地区は少なくなり、いろいろな場所に点在するようになった。そして、国会議事堂は奈良県の平城京跡地に作られた。副都心での被害は激しく、もう救えないと判断され、立ち入り禁止となっている。
そして、首都の移動に伴い必要性がほとんどなくなって価値が下がり多くの人がいなくなった港区などの都心3区ではヤンキーなどのぐれた者たちが集まる場所になっており、僕と優也の前の任務はそこでの『ヤンキーの抗争の鎮圧』担当であったのだ。そして僕らがこれから住む予定の場所は、京都府にある昔の東京の代官山のようなところにある。駅から400mほど歩いたところに、3年ぶりに来る僕らの家があった。
相変わらず、無駄にだだっ広い。わざわざこんな土地が高いところで2階までしかない、大きい庭が付いたところを買っているのを見て、僕らの組織の財源がどれほど余っているかがわかっただろう。僕らの入っている組織の人材は日本支部だけで戦闘などに駆り出される僕らが16人+僕らが現地まで行き、ほっぽいといた物(バイクなど)の回収が29人+萩野+ジュネーブ側にいる、日本支部の萩野さんと同じくらいの立場の人が1人。合計47人と驚くほどに少ないが、収益だけで言えば、日本の国家予算の3分の1を普通に賄えるほどなのである。
そのためか、家の値段などの経費に当てはまるものが無駄に高い時が多いのである。雫はガチャリとドアを開けてから、僕らに鍵を投げてよこした。中に入るとつい眉を顰めたくなる光景があった。床のそこらかしこにダンボール ダンボール ダンボール ダンボール・・・・・。
「‥‥‥‥今日一日じゃ終わりそうにないね」
「「‥‥‥‥あぁ」」
これから始まるであろう時刻を想像して「はぁぁぁー」と周りに聞こえないようにしながら大きなため息をついた。案の定想像した通りとても大変であった。まず、拳銃や刀などが入った大きな箱の数は8個あり。まだ3分の2も片付けが終わらないうちに夕食の時間となった。
各々で適当な夕食を摂り、段ボールの開封作業などを続行した。
『君らは、いつでも戦えるようにすること。いつどこで暗殺すべきターゲットが増えるかが不明だからだ。だが、学校などでは通常乱闘にならないと思うが、念には念を入れて改造されたコンパスとシャーペンをもって日々行動すること。まぁ、カッターは常日頃から持ちましょう。』
昔萩野さんにそう言われて常日頃から武器を携帯している。そして部屋割は何となく3年前と同じように奥から僕 雫 優也となっている。
「今日はどーやって寝ます?もう12時を回っているし、ベッド3つを上に持っていって組み立てるの結構きついよ」
作業をしていると、ふと優也がそんなことを言った。
ベッドを部屋に運び込むのを忘れていた。やはり武器など、ばれると危険なものを先にしてしまうので、自分の部屋などを忘れていた。
「どうする?」
「カーペットも何も敷いてないから、そのまま寝たらめっちゃ痛いよ。来客専用の布団があるだろうからリビングでそれ使って寝よーぜ」と優也が提案した。
「意味あるか?ベッドを組み立てるのが面倒くさいからという理由だぞ、布団をもって上行けばよくね?」
「まぁ、駿。時にはそういうのもいいんじゃない?」
来客用布団をダンボールから引っ張り出して川の字に部屋の順番に並べた。ぱちりと電気を消して、僕らはあおむけになって話した。そして、僕らはいつの間にか深い眠りについていた。