テラーノベル
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この建物はとても大きい為、5分ほど歩いてやっと中心に来ることが出来た
3人は大きな扉の前に並んで立っていた
ゼダ「此処から先はエデンを統括している方
が居られる」
「出来うる限り失礼が無いように…」
ユーマ「は、はい…!」
2人の様子を見て大丈夫だと判断したのかサーヤが扉に向かって言葉を発する
サーヤ「サーヤ、ゼダ、到着しました…!」
サーヤが言葉を発した次の瞬間、大きな扉がギィィと音を立てて開く
??「やぁやぁ、良く来たね。サーヤ、ゼダ」
「入団以来かな?元気だったかい?」
扉が開くと同時に誰かの声が聞こえる
なんだか心地よの良い優しい声だ。しかし…若すぎる様な…?
ユーマは声のする方へ目線を動かす
そこに居たのは……自分の身体の2倍ほどありそうな椅子に腰掛けた少年だった…
ん?少年…?え?いやいや、此処にはエデンを統括する人がいるはず…なんで子供が?
するとサーヤが口を開く
サーヤ「お久しぶりです。カシェル様」
どうやらこの少年の名前はカシェルと言うらしい…。綺麗な金髪に、全てを見透かされている様な翡翠色の瞳が特徴だ
カシェル「うんうん。元気そうで良かったよ」
「それで?そこにいる子が報告にあった子で間違い無いね?」
サーヤ「はい。名をユーマと言います」
サーヤに自分の名前が出され、ハッとした様に急いで自己紹介をする
ユーマ「は、初めまして…!ユーマと申します!」
ユーマの自己紹介を聞いて満足そうにカシェルが頷きながら微笑む
カシェル「元気があって良いね」
「では私も…改めて、私はエデンを統括しているカシェルだよ」
「これから宜しくね?」
ユーマ「はい…!」
ゼダ「カシェル様。この者は保護という形で宜しいでしょうか?」
その言葉を聞いてユーマは少し落ち込む
短い間だったが、彼らと話したり行動するのは楽しかった…。なんだか残念だ
カシェル「あ〜、それなんだけどね〜」
「ユーマくんはこれからも君達と行動を共にして貰おうと思うんだよ」
その言葉に全員が驚きカシェルを見る
サーヤ「え…?な、なぜですか?」
ゼダ「決まりとして彼は保護するべきなはずです。理由を聞かせて貰っても宜しいでしょうか?」
カシェル「まぁ、そんな反応になるよね〜」
「エデンが常に人手不足なのは君達も知っているね?」
サーヤ「はい。勿論です」
カシェル「はっきり言うと…ユーマくんを保護出来るほどの人手は無い…!」
「ならいっそのこと、君達と一緒にいる方が安全だって事になったんだよ」
サーヤ「しかし…任務で危ない所にも行きます。そちらの方が危険なのでは…?」
カシェルが微笑みながら言う
カシェル「うん、そうだね。だからユーマくんにも戦って貰おうと思う」
ユーマはその言葉に思わず「え…?」と理解が追いつかず言葉をもらしてしまう
ゼダ「失礼かと思いますが、この者には負担が大きいかと…」
「今まで戦った経験も無いですし、能力も不明です」
カシェル「能力が無くても戦えるはずだよ?その証拠に天獣を能力を使わず倒す者達だっているじゃないか」
ゼダ「あの方々は特別なのです。誰もがあの様にはなれません」
聞いた事がある。能力を使わずに天獣を倒せる者達がいることを…
確か…8人だっけ…?
エデンの最後の砦とも言われていたはず
カシェル「特別?そんな訳ないだろ?」
「あの子達も始めは君達と同じ感じだったよ?あそこまで強くなれたのはあの子達自身が頑張ったからだ」
サーヤ「………」
ゼダ「……おっしゃる通りです」
返す言葉も無いのだろう。少しの間、沈黙が続いた
カシェル「ねぇ、ユーマくん。君はどうしたいんだい?」
ユーマ「俺は……」
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