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朝――
重たい空気の中、鐘の音が村に響いた。
ゴーン……
ゴーン……
その音は、
現実を突きつけるように、何度も鳴り続ける。
ラウールが静かに口を開く。
🤍「……犠牲者が出た」
その一言で、村の空気が張り詰めた。
ざわめきが広がる。
誰もが、不安そうに顔を見合わせる。
そして――
🩷「……翔太?」
佐久間が、小さく名前を呼んだ。
🩷「……嘘だよね?」
🩷「どこかにいるんでしょ……?」
震える声。
🩷「ねぇ……」
🩷「ふざけて隠れてるだけなんだよね?」
必死に、否定しようとする。
でも
誰も、何も言えなかった。
🩷「やだよ……」
🩷「帰ってきてよ……」
声が崩れていく。
🩷「お願いだから……」
🩷「いつもみたいに……」
🩷「“うるせえな”って言ってよ……」
涙がこぼれる。
その場にいた誰もが、言葉を失っていた。
渡辺がもう、この村にはいない――
その現実だけが、静かに重くのしかかっていた。
💜「……」
🤍「早く」
🤍「人狼を見つけないと」
🤍「この村は終わる」
静かな声。
でも、重かった。
💜「手かがりも何もないのに」
💜「どうやって見つけ出すの?」
💛「……」
岩本は腕を組んで黙っている。
💜「疑い出したらキリないよ?」
💜「ね、向井?」
急に名前を呼ばれ、向井は肩を震わせた。
🧡「……え?」
💜「あんたさー、本当は占い師なんでしょ?」
💜「何か分かってるんじゃないの?」
一気に視線が集まる。
🧡「……」
向井の胸が苦しくなる。
目黒のことが頭をよぎる。
あの日の夜ーー
月明かり
そして――
「俺は人狼だよ」
その声。
🧡(言えない……)
言えば。
目黒は処刑される。
🩷「康二?」
🩷「何か知ってるの?」
🧡「……」
拳を握る。
🧡(俺は……)
🧡(占い師)
🧡(村を守る役目)
でも。
頭に浮かぶのは。
優しく笑う目黒の顔。
胸が痛む。
💜「ねぇ」
深澤が笑う。
💜「まさか」
💜「なんか隠してる?」
🧡「……っ」
💜「言えない理由でもあんの?」
村人がざわつく。
🤍「……深澤くん」
🤍「煽るのやめて」
深澤は向井を見つめる。
💜「ねえ」
💜「誰なの?」
低い声で、
💜「さっさと答えろよ」
🧡「……」
その時。
ラウールがゆっくり口を開いた。
🤍「人狼は」
🤍「夜に動く…」
💜「そんなの当たり前じゃん」
💜「それが何?」
ラウールはゆっくり視線を動かす。
そして深澤の方を見る。
💜「え、なに?」
🤍「深澤くんは」
🤍「昨日の夜」
🤍「どこにいた?」
💜「……」
💜「部屋だけど?」
🤍「住人から深澤くんらしき人を見たって」
💜「なにその曖昧な情報」
💜「なんの証拠にもならないじゃん」
村がざわつく。
💜「疑うならさ」
💜「もっと怪しい人いるんじゃない?」
深澤は笑いながら言う。
💜「ほら、」
💜「最近、夜にいなくなる人とか」
💜「俺、知ってるよ?」
一瞬。
向井の心臓が止まりそうになる。
💜「ね?」
💜「目黒」
全員の視線が目黒に向く。
🖤「……」
目黒は静かに立っていた。
💜「どうなの?」
💜「夜、どこに行ってるの?」
空気が張り詰める。
その時。
向井が叫んだ。
🧡「やめて!!」
全員が驚く。
🧡「目黒は……」
言葉が詰まる。
🧡「……」
🧡「……違う」
小さく言った。
🧡「人狼じゃない」
一瞬の静寂。
そして。
💜「へぇ」
深澤が向井の耳元で囁く。
💜「…庇うんだ」
🧡「……!?」
🤍「……」
ラウールの視線が鋭くなる。
💜「今日は――」
深澤はゆっくり言った。
💜「向井くんを処刑してみる?」
村が凍りつく。
🧡「……え?」
💜「ほんとに占い師なのかなぁ」
💜「なんか怪しくない?」
🩷「深澤……あいつ、どうしたんだよ」
ざわつく村人たち。
🤍「……待って」
ラウールが言う。
🤍「なんの根拠もないのにそんなこと…」
💜「でもさ」
💜「もう時間ないよ?」
静かな狂気の笑顔。
そのとき。
🖤「……俺だ」
目黒が言った。
全員が振り向く。
🖤「向井じゃない」
🖤「怪しいのは」
🖤「俺だろ」
🧡「……!」
向井が目を見開く。
💜「え?」
深澤が楽しそうに笑う。
💜「いいの?」
🖤「構わない」
目黒は向井を見ずに言う。
🖤「処刑するなら」
🖤「俺にしろ」
村の空気が凍る。
そして
鐘が鳴った。
その日、処刑台に立つのは――
目黒だった。
つづく。