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喉の乾きで目を醒ます。
あれ、今何時だ?
時間をみようと目を開けると、見慣れた自室の天井とは違う天井が目に入り、どこだ!?と焦る。顔を横に向けると、勇斗の顔が近くにあり吃驚する。
はっ!?なんで一緒に寝てるんだ?
えっ?ちかっ、は?
俺は混乱しながらも、とりあえず身体を起こした。その瞬間、腰に突き抜けるような痛みが走り思わず唸り声をあげる。
「い゛゛っっ!!」
その声に勇斗が目を醒ます。
「ん…じんと…?」
まだ眠そうな目でこちらをみたかと思うと、ハッと飛び起きて横に座る俺の腰をさする。いや、近い、近い!
「ごめん、昨日無理させた」
昨日…?
昨日は、久しぶりに勇斗と飲みに行ってから勇斗の家で飲み直して…それから…?
それから、そうだ…俺、勇斗と…
昨日の記憶を思いだし、ぶわりと顔が熱くなる。なんで、あんなことに、ぐるぐると考えながら勇斗の方を向くとバチッと目があう。俺の顔はますます熱を持つ。
そんな俺を見て勇斗は困ったように眉尻を下げる。
「…仁人、襲った俺が言うのは違うと思うけど、襲った相手にそんな顔しちゃダメだよ?」
「襲っ…!?…いや、そんな顔ってどんな顔だよっ」
「うるうるした瞳で、恥ずかしそうな、へにゃっとした顔」
「はぁ?そんな顔してない!!」
なに言ってんだこいつ!!
てか、なんで俺に、あんな…
「ほら、また可愛い顔」
「あ゛!?きもいって、なに?!てか、なんであんな…こ…と…」
勢いよくどうしてあんなことしたのかと言おうとしたけど、してしまった行為があまりにもあれだから、小声になってしまう。
「ごめんね?」
「いや、謝ってすむ話じゃ、ないし」
「うん、そうだね。」
勇斗は俺の方を真剣に見ている。
その視線に俺はたじろいでしまう。
「俺、仁人が好きだわ。」
「はぁ?」
「もちろん仲間としてずっと大好きだったけど、それだけじゃない。」
「は?」
「キスしたいし、SEXもしたい。」
「せっ…」
「そういう好き。気付いたのは昨日だけど、たぶん、大分前から。」
「は、え?え?」
なにを言われてるのか咀嚼できず、混乱する。好き?勇斗が俺を?
元々好きのは知ってるよ?勇斗はメンバーのこと大好きだから。でも、今言われてるのは違う。
キスしたい…?SEXしたい…?俺と?
いや、昨日しちゃったけど…でも、
「よ、酔ってたから、勘違いしたんじゃないの」
思わずそんなことを呟くと勇斗が怪訝そうに聞き返してくる
「は?」
「ほら、あれでしょ。…最近、仕事忙しかったし、溜まってたんでしょ!だから、その、昨日は酔ってたし、」
「なに言ってんの?」
「その、性欲が溜まりすぎててうっかり俺に手をだしちゃっただけで!」
しどろもどろになりながらそんなことを言うと、勇斗から低い声が返ってくる。
「ふぅん?じんちゃんは、俺のことそんな風に思ってるだ?」
その声にギシリと身体が揺れる。居心地が悪い。
「えっ?」
「溜まってて酔ってたら、誰にでも手をだすって思ってんだ。」
「や、違うけど…でも」
「でも?じゃぁ、なに?じんちゃんは誰とでもあんなことしちゃうの?」
「は!?そんなわけないだろ!」
「そうでしょ?俺もそうだよ。」
にっこり笑いながらこちらを見る勇斗に、ますます居心地が悪くなる。
「ねぇ、俺が仁人を好きなのはそんなダメ?」
「ぃゃ…ダメとかじゃないけど、でも」
「でも?」
「ぉ…俺、男だし」
「うん、そうだね。だから?」
「だから?って、その…」
「俺のこと、気持ち悪い?」
「!!気持ち悪くなんてっ…!」
気持ち悪いだなんて思わない、反射的にそう答えると、勇斗は嬉しそうにふわりと笑う。
「俺はさ、どんな可愛い人や綺麗な女優さんをみても仁人の方が可愛いなとか思ってたし、ぽてっとした唇みて食べちゃいたいなとか考えるし、俺が一番であってほしいしって思ってるの。まぁ、そこまで思ってたのに恋だって気付くのが今更すぎるけど、本当に好きだよ。」
「ぇ、…???」
なんか、すごいこと言われてる…?
じわじわと耳が熱くなる。
「……ねぇ、俺ちょっと期待しちゃうんだけど。」
そんなことを言いながら、俺の顔を覗き込む勇斗。
「期待…?」
「うん、だって俺、殴られて、気持ち悪いって拒否されて、最悪、グループを一緒に続けていけないって言われることだってあり得ると思ってたわけ。…でも、そんな顔するんだもん。」
そんな顔って…、顔が熱くなってるのはわかる。今、俺はどんな顔してる…?
「じんと、もしかして俺のこと好き?」
「っ…」
………
…………そうだ。
俺は勇斗が好き。
いつからかなんてはっきり思い出せない。出会った頃はお兄ちゃんみたいだと思ってた。優しくて頼りになって……、それがいつからか仲間としてだけじゃなく人として、1人の男として好きになっていた。別に俺は男が好きなわけじゃない、勇斗だから好きなんだ。
でも、俺は男で、勇斗も男。
多様性の時代とは言え、自分が当事者になるのは別の話だろう。勇斗が女の人が好きなのはわかってたし、言ってしまえば今の関係が壊れてしまうと思って、叶うはずない思いとして墓まで持ってこうって思ってた。
………そもそも好きじゃなきゃ、いくら酔ってたとしても身体を許すはずないだろ。なにをしても逃げてたよ。
酔った頭でこれは夢なのかな、一夜だけ神様がくれたご褒美なのかなって思った。きっと次の日には覚めてしまう夢。
なのに、勇斗が俺のことを好き?
そんなの嘘だ。信じられない。
気の迷いだ、酔った勢いだと言われることを覚悟したのに。…そう言われたら、1発殴らせてもらって笑って終わりにしてやろうと思ったのに。
なのに、なのに、なのに!
「じーんと?」
にこにこと俺の顔を見つめる勇斗。
くそ、格好いいな!
「…しらねっ」
「じんちゃん、そんな真っ赤な顔で…、好きって言ってるのと変わんないよ?」
「ぅ…るさいな」
「ね、聞きたいな。仁人の声で。」
「…やだ。」
「聞かせて?俺の可愛い仁人。」
「お前のじゃないしっ…」
「もう、俺のでしょ?」
「は?…俺らアイドルだぞ……っ」
「そうだね。アイドルとしての俺もアイドルしての仁人もファンのみんなのものだよ。けど、プライベートの仁人は全部俺にちょうだい?♡」
「…っっ」
なに恥ずかしいこと言ってるの。
やばい、恥ずかしい。むり。
キャパオーバー。
一旦逃げよう。帰る!そうしよう!
そう思い俺は身体の向きをくるり変え、ベッドから降りて歩いていこうとした。
したのだけど、床に足をついて一歩踏み出したところで、足に力が入らずベッドの横にへたり込んでしまう。腰がズキズキする。
そんな俺を見て勇斗は慌てて俺の前に回り込んでくる。
「立てない?」
「っ…立てる、帰るっ」
「どうみても無理そうだけど」
「むりじゃないし。」
「じんと、おとなしくして」
「誰のせいでこうなってると…」
「俺のせいだね、だから、今日は1日面倒みさせて?」
信じられないくらい甘い声でそう囁く勇斗。ひょいっと俺を抱き上げてまたベッドに下ろす。
「〜〜っ…みず!」
「はいはい、ちょっと待っててお姫様」
「うざ!」
なんだお姫様って!
くそ、なんだその嬉しそうな顔は!
ムカつく、可愛い、好きだ…。
その後も、あれしたいこれしたいとわがままを言ってみるも嬉しそうに甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。
その顔には好きだよと書いてあるみたいに、見たことない甘い顔で…あぁ、本当に俺のことを好きなんだって嫌でもわかってしまった。
あ゛〜〜〜〜〜…………腹を括るか。
俺の横に座る勇斗をみあげ、その目をじぃっと見つめる。
「ん?どうした?お水飲む?」
お水を差し出しながら俺を見返してくる、その顔はやはり嬉しそうで、瞳はとても甘い。
「………ん。ありがと………………好きだよ。」
「えっ!!??」
「うるさっ!!」
声でかすぎだろ!
「だって、今!!好きって!!!仁人が俺のことを!!!」
「……水のことかもしれないだろ」
「えっ!?」
「うそ。」
「えっ!!?」
「勇斗のこと、好き。」
「〜〜〜〜!!じんとぉー!!!俺も好き!愛してる!!ずっと一緒にいような!!!」
弾けるような笑顔でこちらを見る勇斗。
俺はその顔を見て、あぁ幸せだなと思いながらこくりと頷いた。
END.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後書き
人生で初めて濡れ場を書きました。
むずぅ。
ちゃんと両想いで付き合うとこまで書けてよかったです。
読んでくれてありがとうございました。
CREA
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#snjn
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縁en
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コメント
1件
お互い相手のことは好きだけど叶わないと思ってた…からの両想い展開、すごく良かったです!仁人の照れ隠し「水のことかもしれないだろ」→「うそ」の流れは最高でした。腰が痛くて立てないのに「帰る」って言い張るところも可愛くて、嬉しそうに世話を焼く勇斗との温度差にニヤニヤしちゃいました。初濡れ場とのことですが、朝の会話劇として自然で二人の関係性がよく出てると思います。ENDとのことですが、この先の二人も読んでみたいです!