コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私
達にとって大切なものを奪っていったのはお前ら人間共の方ではないか! 私達の願いを踏み躙ったのは貴様らのくせに! 何故こんな目に遭わねばならぬのだ!! あぁそうだとも……
この世は理不尽だらけさ……。
だからといって黙って諦めろと言うのか!? そんなこと出来るはずがない! そうだろう!? 私達は奪われるために生きているわけじゃないんだからな! だが今の私達に一体何が出来る? 私達がいくら足掻こうと、所詮は何も変わらないぞ。
それが運命だというのならば受け入れよう。
それはそれで仕方の無いことだ。
しかし何もせずにただ絶望するのはごめんだよ。
私達は最後の最後まで抗うつもりだ。
たとえその結果命を落とすことになったとしてもね。
ははっ、何を言っているんだ? 私は死ぬつもりなんてこれっぽっちもないよ。
それにまだ何も終わっていない。
この程度で終われるはずがないのだ。
彼はそう言い聞かせるようにして、 自分を奮い立たせた。
それでもまだ足りないのか? もっと壊さなければダメなのか? また罪を重ねろと言うのか? それがお前の選んだ道だというのか? そんなことしかできない愚か者だと?……ふざけるな! 彼の中で何かが切れた瞬間……
少女の姿がノイズのように歪み始める。
彼は目を覚ました。
「ここは……」
彼は知らない場所に立っていた。
真っ白で殺風景な空間。
無機質な部屋にも見えるし、 巨大な箱庭のようでもあった。
そして目の前には……
「やあ」
少年がいた。
背丈は小柄だが、顔立ちが大人びていて、少し不思議な雰囲気をまとっていた。
「君は誰だい?」
少年は興味深そうな目つきをして、彼に問いかけてきた。
彼は自分の名前を名乗った。
「へえ、変わった名前だね。
でも綺麗な響きだよ」
「ありがとうございます」
少年は続けて言った。
「ところで、どうして君みたいな子供がここにいるんだろう?