ウィリアムの敗北から数瞬後、静寂が支配する中で異変が起きた。宇宙人(雅也)の顔に浮かんだ冷徹な表情の裏で、雅也の残穢が、彼の体内で静かに動き始めた。宇宙人が雅也の体を完全に支配しているはずだったが、その中に潜む雅也の意識が、まだ完全には消え去っていなかった。
その残穢は、宇宙人の首を突然絞める力を発揮した。まるで、自分の体がどこかで生き続けているように、雅也の魂の残留物が反応し、宇宙人の支配する体に反旗を翻すかのように動き出した。
宇宙人(雅也)の体が、突然、暴れ出した。首を絞められる感覚に、宇宙人は驚き、力強く腕を振るわせた。しかし、雅也の意識が、残穢として内側から攻撃を加えていたのだ。まるで自分の体を取り戻すように、その残穢が暴走し、宇宙人(雅也)の精神を引き裂こうとしていた。
宇宙人(雅也)「なぜ、こんな…」
宇宙人は苦しそうにその場に膝をついた。何かに引き寄せられるように、体内で葛藤が始まった。雅也の残穢が宇宙人の支配に反発し、体を乗っ取ろうとしたのだ。首を絞められ、苦しむ宇宙人はその苦痛に顔を歪めながらも、力強く反撃しようとするが、内なる反乱者がそのすべてを無効にしていった。
残穢がますます強くなる中で、宇宙人の体に宿る雅也の残した力が確実に増していった。その力は、宇宙人の首を締め続ける。首元に締まる感覚が強まるたび、宇宙人の息が荒くなる。残穢が主導権を握り始めた。
宇宙人(雅也)「く…う…!」
その瞬間、宇宙人の体から雅也の力が表面化した。これまで封じ込められていた彼の強い意志が、次々に形となり、宇宙人の支配を打破しようとする。首が絞まる感覚に、宇宙人(雅也)の眼は鋭く見開かれ、全身を震わせながらも、それに立ち向かう力を必死で振り絞ろうとしていた。
雅也の残穢が完全に宇宙人(雅也)の支配を覆す瞬間、宇宙人は気を失いそうになったが、その一瞬の隙間を突いて、再び力を使い、倒れる寸前で自らの意識を取り戻す。しかし、既に遅かった。
残穢の力は、もはや宇宙人(雅也)の首を締めるだけではなく、彼の精神にも浸透しつつあった。宇宙人(雅也)の目には、もはや支配する力を失い、あくまで無駄な抵抗に過ぎないことが感じられた。
宇宙人(雅也)は、自分の体内で続く戦いに完全に疲れ果てていた。自分が支配していた体が、今や自分に反旗を翻している。雅也の残穢は、最後の力を振り絞り、宇宙人の首を絞め、完全にその支配を解放させる。
すべてが終わった後、場に漂うのは深い静寂だった。宇宙人(雅也)は、ついに倒れ、何もできなくなった。その体を支配していたはずの存在は、今や完全にその力を失っていた。
雅也の残穢が勝利し、宇宙人の支配から解放された瞬間だった。
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