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⚠︎注意⚠︎
･北愛英（ のんりす ）
･捏造
･英可哀想感強
･北愛口調迷子
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雨の日は、そこまで好きでは無かった。
気候柄、雨の日が多いけど、好きじゃないし寧ろ嫌いというに値する位の印象だった。
雨は外に出る気力も無くすし、外で洗濯物は干せないし、気圧は下がるし、街を歩いていれば道路を走る車に水をかけられるし、いい事が少ない。
何より、イングランドが苦しそうな顔をするのが嫌いだった。
国というものは通常、傷を負っても人よりも早く治る。体調というものも崩しにくい。そういうのが左右される時は、自国の経済状況等が不安定など位だ。
ただ、負った傷が余りにも深かった時、それは痕に残ったりする。俗に言う古傷と言うやつだ。
イングランドは性格柄か、直ぐに無茶をする。自分は国だから、死なないから大丈夫だと言葉を連ねては、躊躇無く戦場に飛び込んでいく。
特に、大英帝国の頃は本当に酷かった。海に出ていく度に血の匂いは増していたし、顔色も悪くなっていた。
原因に俺達も入っているだろうから、余り大きい声では言えないけど、イングランドは自分を大切にしない奴だ。
だから、雨の日は古傷の痛みに悶えていた。
トイレ以外では基本部屋から出てくる事は無いし、部屋でもずっと毛布にうずくまっているだけだ。
そんなイングランドを見て、俺は何時も罪悪感というものに駆られる。
もし自分が当時一緒に海に出ていれば、少なからず傷は減ったのかなとか、子供の時にもっと優しくしてやれたらとか、もっと自分を大切にするよう言い聞かせてたらとか、兎に角、多くの事に申し訳なくなる。
でも、幾ら国でも、過去は変えられない。過去に起きた事は、過去の事として俺達の記憶にも、歴史にも刻み込まれている。
刻み込まれてしまったものを、変えることは出来ない。
だから、ごめんねという気持ちを込めて、雨の日はイングランドの看病をする。
看病とは言っても、様子を見に行ったり、ご飯を持って行ってやったりなんて言う、申し訳程度のものに過ぎないけど、そんな小さな事でも、イングランドは嬉しそうにする。
愛に飢えてしまっているイングランドには、こんな些細な行動さえも愛になる。
そんな様子を見る度に、また罪悪感に駆られる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「イングランド、体の調子はどう？」
ひょこりと部屋に顔を出せば、イングランドはお気に入りのテディを強く抱き締めながら呻いている。
俺の声を耳に落としたイングランドは、のそのそと寝返りを打つ。
顔色は悪い。
今日はイギリス国内でも珍しいくらいの大雨だ。現に今も、窓に勢いよく雫が当たる音がする。ならば、傷は酷く痛む事だろう。
「なんか食べたいものある？」
近づいて頭を撫でながらそう聞けば、イングランドは力無く首を横に振る。
イングランドは元々食べてもあまり脂肪に回らないタイプで、凄く細いのに、これ以上食べれなくなったら、本当に骨だけになってしまいそうだ。
とはいえ、無理やり食べさせる訳にも行かない。
仕方がないから、今は諦めよう。
「体、辛いでしょ？」
俺は軽くベッドに上がって、寄りかかっていいよ、なんて言いながら、腕を広げる。
そうすれば、寝転んでいたイングランドはのそのそと起き上がって、俺に抱きついてくる。
優しく背中を撫でてやれば、鼻をすする音がした。
「痛いよな、後で薬もってきてあげるから」
イングランドが感じている痛みは、俺には分からない。
俺達に分かるのは、唯呻くほど痛くて、辛くて、苦しいという事だけ。
何処ら辺が特に痛むとか、古傷が大きいとか、そういうのは全然知らない。 知ろうとして来なかったんだ。
知れば知るほど、罪悪感という泥沼は深さは増して、そのうち全身が飲み込まれてしまいそうになる。
でもきっと、イングランドは俺達がそうなることは望んでない。
愛に飢えているせいか、それともお人好しが過ぎる馬鹿なのか、イングランドは俺達のことを慕ってくれているし、尊敬だってしてくれている。
俺がイングランドの立場なら、恨んで恨んで、殺してしまいたくなるだろうに、この弟は優しいが過ぎるんだ。
どうしてこんな優しい子供に、自分も優しく出来なかったのだろうと、今でも思う。
「あにうえ…」
優しく背中をさすったり、ポンポンと子供を寝かしつけるように叩いていると、不意にそう弱々しく呼ばれた。
何？と返せば、イングランドはゆっくりと口を開く。
「もう少し…こうしてて、いいですか？」
「…幾らでも、してていいよ」
罪滅ぼしの為に、俺達はイングランドを看病する。
そうすれば、普段ロクに甘えてこない末弟は、俺達の優しさというものに触れたくて、本音を伝えてくれる。
それを酷く嬉しいと思ってしまう俺は、やっぱり完全なる” いい兄 “というものには、なれないんだと思う―――
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ＮＥＸＴ♡ 160
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コメント
3件
雨で古傷が痛むって…どくりつ戦争とかが更に…？ アサがテディを抱きしめてねてるのも最後の方にのんくんに甘えつつ確認しちゃうのが…大好きです…！
