やばい…ヤンキーとやらに絡まれてしまった。
しかもなぜか知らないがめちゃくちゃ怒っている。
まぁお金ならさっき稼いだ分ぐらいしかないし、大人しく献上してさっさと帰ろう。
「あー、1500ぐらいならあるっすよ、どうぞ」
ヤンキー1「あ?そんなんはした金じゃねぇかよ」
「はぁ…」
ヤンキー2「もっとねえのかよ」
「いや、さっき1回ナワバリしただけなんでそんぐらいしかないっす…だから俺なんかよりももっと金持ちにたかったほうがいいと思いますよ」
ヤンキー1「ふざけんなよ!もっと出せやゴラァ!!!」
バコッ!
「ぐぁッ…!?」
腹に1発入れられた。その衝撃でちょっと吹き飛んでから、壁にぶつかった。
なかなかに痛い…不意打ちで対応出来なかった…。
早く逃げないと…
ヤンキー2「おい、何逃げようとしてんだよ!!!」
「うぐッ、」
胴体を蹴られた。痛い…
やばいな、これ
逃げる隙がない。
あぁ、何回も経験してる。だからわかる。これは
詰んだ。
その後小一時間ぐらい蹴られ殴られされてから金を取りどこかへ行ってしまった。
全身が痛い。でも早く帰らないと…
「う、…ぁ、…..。」
ダメだ。動かない。
ちょっと回復してから行かないと…
はぁ…また殴られた。もう嫌だって思ってたのに…
抵抗するって決めてたのに…。
『おい!こいつなんも抵抗してこないぞw』
『ほんとだ〜w嬉しいんじゃない?w』
『きっしょwドMじゃんw』
『なんか言えば?雑魚の__くんw』
『…………』
『ッチ、黙ってりゃ終わるとでも思ってんのかよッ』
痛かった。
忘れられないあの痛み。まただ。
あーあ、また抵抗出来なかったな。
あの時はタコ共に八つ当たりして、何とか自分保ってたけど。
ほんとに…弱いな俺、
こんな裏路地で1人…情けないっすね〜…
しばらくして、自分の体を揺さぶられている感覚がした。少し体を起こしてみると、そこには
「…え?」
司令さんが居た。
司令さんは怒ったような、
悲しいような顔を浮かべて俺の事を見つめていた。
「司令…さん」
「すいません…ヤンキーに絡まれちゃって…不意打ちで食らって、そこからリンチにされちゃったっす…」
そう言うと、お皿を割ってしまったような顔をしてから、俺の事を優しく抱きしめた。
「抵抗…..すれば良かったっすよね。簡単なことも出来なくて…ごめんなさい。」
あぁ、司令さんの腕は暖かいな…。
暖かくて…気持ちいい。
気づくと俺は、司令さんのアパートに戻ってきていた。
色んなところにガーゼが貼ってあったりして、本当に申し訳ない…。
上半身を起こすと、こっちを睨んでいる司令さんがいた。
「こんなことさせてしまって…すいません。俺がもっと抵抗すればよかったのに。癖ってなかなか抜けないっすね…。」
そういうと司令さんは、頭を抱え何かを紙に書き始めた。
完成したものを読んだ。
違う。僕はガーゼの手間とか、抵抗出来なかったこととかを責めてるわけじゃない。案内してなかった僕が悪いし、暇なら外に行きたくなるのも当たり前のことだ。ただただ僕は守ってやれなかったことを悔いてるだけだ。だから、何も気にすることはない。
司令さんは少し笑みを浮かべ、俺の頭を撫でた。
少し恥ずかしかったけど、心地よかったので受け入れた。目の下が少しあたたかくなった。
しばらくして、司令さんが何か書いたメモを渡してきた。
抵抗しないのが癖ってなんだ?あまり首を突っ込んで欲しくない話題なら、何も答えなくて構わない。
あ〜、そういえば誰にも教えてなかったっけ。
「別に話すっすけど、そんなに明るい話じゃないっすよ?」
司令さんは、構わないと言わんばかりに頷いた。
俺は過去の話を司令さんに語ることにした。
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最新話だぁぁぁぁ!!